見出し画像

0時間目 「おんがく」をはじめから

音が苦

小学生の頃から「音楽」という科目で何となく勉強してきたけれど、多くの人にとって受験に関係ないことから中学、高校と進むにつれてその科目としての位置づけは低くなっていくと思います。

勉強としての音楽という科目は嫌いな人が多いと思っています。
よく「音が苦」とかも言われますもんね。
それでも多くの人は程度の差はあれ音楽が好きなんだと思っています。

じゃあ何が嫌だって…リコーダーだったり鍵盤だったり歌だったり…魅力を感じる音楽の形は人によって違うはずなのに同じものを強制されることも多いですし、何よりも数学などの科目と違って目に見えない感覚的なもので評価され、挙句の果てに「音痴」というレッテルを貼られてしまう恐怖や羞恥心、劣等感を味わったら誰だってやる気をなくしますよね

にもかかわらず!音楽は科目として嫌われながら娯楽としては世界中で数多くの人にとって大御所的なポジションを確立している・・・すごくないですか?

音楽の国で使われているコトバ

現代ではDTMの発展もあって楽譜が読めなくても、書けなくても音楽を作ることが出来ます。本当に便利で身近なものになっていると思います。
ところがそうなってくると「理論は難しいから感覚だけでいける」というもったいない言葉があっちこっちから聞こえてくるんですよね。
そりゃまあ、極々一部にそういう天才も実在していないわけではないですから、これを読んでいるあなたにご自身が天才である自覚がおありでしたらこの先をお読み頂くことは畏れ多くも無駄にお時間を頂くことになってしまいますのでご了承ください。

で、凡人のための話ということで・・・
音楽を本気で勉強したいと音楽大学を目指す人たちは「楽典(がくてん)」という…そろいもそろって同じ黄色い、どうやら有名らしき本を持ち始めます。僕も高校時代に興味を持って見せてもらいましたが…到底面白そう!とは思えませんでしたね。
こんなのです↓

ご紹介しておきながらアレですが、挫折した皆さんのおかげで中古本も大量に出回っています(笑)
誤解されそうなので念のためにお伝えしておくと、この本自体は素晴らしいです。音大受験生にとって必須であることは頷けます。
でも逆に音大受験をしたいというのでなければ必ずこの本じゃなければいけないって話でもないんです。(もちろんこの本なら十分)

【悲報】

残念ながら「楽典」は音楽の勉強の下準備みたいなもので、これをマスターしたところでカタコトの音楽語が話せるようになる程度です。
このあと実際に音楽人として立派に国籍を取得し、作曲や編曲(アレンジ)までするためには「和声(わせい)学(またはコード理論)」「対位法(たいいほう)」「楽式(がくしき)」などに加え、使う楽器の奏法(オーケストラなら「管弦楽法」)についても勉強する必要があります。・・・うんざりしますね。

ただ、ハッキリ言って本気で音楽をやりたい!なんて言うのであれば最低限「楽譜が読めない・書けない」というのでは話になりません

例えばアメリカに行ってハリウッド俳優を目指したいという人が身近にいたとして、その人が「英語は嫌いだけどジェスチャーで何とかなるよ!」って言ってたらどう思いますか?
きっと多くの人はこう言うと思います。

「まずは」英語を勉強しろ、と。

なのに音楽の国に移住を希望する人たちには「本気だ!」と言うだけで勉強しない人がとても多いです。

「楽典」ってなに?

音楽という国でも生きていくためにはその世界で通じる言語が必要なんですね。その基礎がこの「楽典」だと思ってもらって良いと思います。楽譜は目に見えない音を可視化してくれる「本」なんです。読むためには…言葉を覚える必要がありますよね?
音が出せない状況でも相手に音を伝えたり、伝えてもらったり。そんなコミュニケーションをスムーズにするためには必須です。

音楽語を知らないために困った実際の例

ちょっと実例をご紹介すると、僕はご依頼を頂いて歌ってみたのMixなどをさせ頂くことがあるのですが、例えばピッチ補正のときに『Aメロの真ん中あたりの「ラララ」の2番目の音をちょっと高くして下さい』なんて指示を受けることがあります。これを音楽語を知ってる人なら『〇小節の〇拍目、〇を3度上げて下さい』みたいな言い方になってとても分かりやすいんです。

これだけだと最初の言い方で良さそうに感じる人もいると思います。
ところがですね、その人の言う『ちょっと高く』というのはその人のイメージでしかないのです。
僕は少し=「半音」だと思ったんですね(コードにもハマる音だったので)。ところが正解は『3度上げて欲しい』という意味だったんです。

音楽の国で「3度」は全然「ちょっと」ではありません。

結局「ちょっと高く」を繰り返してその部分だけで合計4回の修正を繰り返すことになりました。音楽語を知っていれば1回で済むんです。もっとも相手は素人と分かっているのでニコニコしてやりますけど!

是非とも音楽活動をするのならカタトコでもいいから音楽語を身に着けてもらえたらいいな…と結構強く思います(笑)

とはいえ、どんな理論書も読むのは疲れます。難しいと感じる人がほとんどでしょう。なので今後、僕の乏しい知識ではありますが限界まで噛み砕いて書いていきたいと思います。
難しい本でも勉強できる自信、気合のある方は是非こんな記事に大切な時間を使わず、ご紹介した本などで勉強した方が絶対に良いと思います。

少しでも楽に、楽しく、でもちゃんと知りたいなぁ・・・という方のために今後の記事では少しでもみなさんが「おんがく」と、そして「音楽仲間」ともっともっと仲良くなって楽しい音楽生活が広がっていくようなお手伝いが出来たらと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?