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「サプールは実在した」

靴磨き世界一周アフリカ編8日目

"平和以外なんでもある"


そう言われてるコンゴ民主共和国にビザを
取って、リスクを取ってまできた理由は
サプールの靴を磨きたいと思ったからだ。


しかし、この1週間でいくつか遠征は
してみたが、サプールには会えず、
キンシャサ滞在のリミットも迫ってきていた。


「決戦は土曜日」


だと数日前の投稿でも書いた。


サプールも普段はそれぞれ仕事をしているが、
週末は ドレスアップをして市内を歩くという
情報を聞いていた。


ただキンシャサを1人で出歩くのは危険すぎる。


そこで出会ったのが、ジュニアというコンゴ人だ。


私が滞在しているホテルに釣りをしにきた
日本人の専属ドライバー兼ボディーガード
兼交渉人として雇われていたのがジュニアだった。


釣りをしに来た兄弟も、滞在していたホテルで
日本に住むコンゴ人に出会い、ジュニアは元々
はその日本に住むコンゴ人がキンシャサに来た
時にお世話をする付き人だったのだ。


日本に住むコンゴ人
    ↓
釣りをしに来た兄弟
    ↓
靴磨きトラベラー

ジュニアとはこうしてご縁が繋がったのである。


正直、誰かも分からないコンゴ人を専属にする
のはリスクが大きいが、釣りしにきた日本人が

「ジュニアはしっかり交渉もしてくれるし、
後から変な要求もしてこない。信用できる」

と言ってくれてたので、私も信用することにした。


ちなみにジュニアはドライバーも含めて
80ドルで雇った。

ボディーガードのジュニア。むちゃくちゃ良い奴だった



サプールが現れるという「Matonge」という
場所に到着した。


そこにはステージが作られており、
日が暮れたら音楽の演奏やダンスが
始まるそうだ。


ジュニアと辺りでサプールについて聞き込みを
していると、サプールは日が落ちてから現れる
という情報を聞きつけた。


私達がMatongeに到着したのは14時頃。


仕方がないから飲み屋さんでそれぞれ飲み物
を買って、しばらく様子を見ることにした。


1時間くらい待機した時、ついに茶系でドレス
アップをした渋い男性が前を通った。


ジュニアは靴磨きの交渉に行ってくれた。


ちなみにコンゴ民主共和国の公用語は
フランス語で、あまり英語を話せる人は
少ないが、ジュニアは英語も話せるので
通訳もしてくれる。
#実は私もまぁまぁ英語話せる
#佐原総将物語に詳しく書いてるので読んでください


そしたら、茶系で着飾った男性は
靴磨きに興味あると言ってくれた。


「あなたは、もしかしてサプールですか?」


私は質問をした。


絶対そうだよな。


こんな激渋なファッションなんだし、
あんたはサプールだよな。


その男性は答えた。


「ん〜、サプール、ではない。

まぁ、サプールのような感じかなぁ。

でも普段から割とスーツは好きだから着るし、

うーん、サプールではないかなぁ。」


と言った。


、、、


もうサプールって言えや!!


と私は心の中で叫んだ。


彼は政府関係の仕事をしており、
この国ではなかなかのいい給料を
もらってるとのことだった。

もうサプールでええやん




そもそもサプールとは、なんなんだ?


サプールの定義もよくわからんくなってきた。


もうあのおじさんサプールでええやん、
と私は思っていた。


ジュニアはそんな私を見て、
「焦るな、時間が経ったら必ず現れるよ。」


と、そんな慰めの言葉をかけてくれた。


また1時間ほど待機していたら、紫のジャケット
と水色のジャケットを着た2人組のコンゴ人が通った。


ついに彼らはサプールか!?


ジュニアと私は席を立って、交渉に行った。


フランス語でずっと話をしており、
なかなか話がまとまらない。


違うかったかなぁと思ったら、
1人の男性が写真を見せてきた。


そこには着飾った日本人男性の姿。


「ヨウジ、ヤマモト」


と、そのコンゴ人は言った。


この方がヨウジヤマモト!!


キンシャサでは日本人デザイナーの
ヨウジヤマモトさんがサプールの間では
神的な扱いをされてると聞いたことがある。



「あなた、もしかしてサプールですか?」


と質問したら、


「そうだ、私はサプールだ。」


と言った。


サプールは実在したんだ!


そして彼らの靴を磨かせてもらった。


靴を磨いてる途中に、質問をした。


「サプールって、そもそもなんなんですか?」


争いの多いこの国で、着飾ることによって

"私達は争わない、なぜなら服が汚れるからだ"

と言ってドレスアップをしているとネットの
記事で読んだが、カッコよくスーツを着てる人達
と何が違うのだろうと思って質問した。


そしたら水色のジャケットを着た男性が答えた。

「サプールとは、メンタリティのことだ。

常に紳士でカッコいい男性を在りたい。

そのためにドレスアップして、背筋を整えて、
自分が着飾ることによってメンタルも紳士で
カッコよくいれると思うんだ。

だから俺たちは高級な衣服で着飾るんだ。

この衣服に見合う男になるために。」


サプールとは、あり方なんだ。


自分は紳士でカッコいい男性でありたい
というために、こうして着飾っているんだ。


サプール、むちゃくちゃカッコいいやん。


わざわざコンゴ民主共和国に来て良かった。


最後に記念にサプールと記念撮影。


一つのミッションは、完了した。



ジュニア、サプール、キンシャサ、ありがとう!!

生のサプールカッケェ

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