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応援に厳しい言葉は必要か

サッカーファンになって1年が過ぎた。
毎日が楽しい。

今ならアジアカップを観ている。
日本代表はグループステージを突破したので、ノックアウトステージ(決勝トーナメント)に進出し、いよいよ負けたら終わりの闘いが始まる。
初戦はバーレーンだ。

まだまだ初心者だけれど、1年経ってわかったこともあれば、わからないからもっと勉強が必要だなと思うこともある。
例えば、戦術とか。
それについては、時間と経験を重ねて理解していけばいいと思っている。


さて、今日はサッカーファンとしてここ最近悩んでいることを文章にしたいと思う。
考えても考えても答えがわからないので、ここで文字にすることで、わたし自身が自分の頭と心の中を整理したい。

まず、ここを読んだくださっている方は『批判』と『批評』の違いをご存知だろうか。
わたしは、恥ずかしながらなんとくわかったような気でこれまで生きてきたが、『批判』は否定的な意味であれこれ言うことだと思っていたし、『批評』は評価や指摘という理解だった。

辞書によると以下の通りだ。

「映画の批評(批判)をする」のように、事物の価値を判断し論じることでは、両語とも用いられる。

◇「批評」は良い点も悪い点も同じように指摘し、客観的に論じること。「習作を友人に批評してもらう」「文芸批評」「批評眼」

◇「批判」は本来、検討してよしあしを判定することで「識者の批判を仰ぎたい」のように用いるが、現在では、よくないと思う点をとりあげて否定的な評価をする際に使われることが多い。
「徹底的に批判し、追及する」「批判の的となる」「自己批判」

goo 辞書

『評価』という言葉の意味はわたしの理解でそう遠くはなかった。
しかし『批判』は、わたしはこの引用の通りで否定的な評価をするときに使う言葉だと思っていた。

わたしは昨年、仕事で『クリティカルシンキング』の研修を受けたのだが、この『クリティカルシンキング』を訳すと『批判的思考』となる。
そのため、なんだか受講前は否定的に感じられたのだが、実際は物事を多角的に見て課題や問題の本質を見抜き、それを解決していくための思考法だ。

そう、『批判』という言葉は本来は否定的な意味をもたない言葉だったのだ。

随分と前置きが長くなったが、サッカーを観る上でどうしても出てくるのが、この『批判』なのである。
試合中の選手たちのプレーに対する『批判』は応援する上で必要なことなのだろうか。

わたしは常日頃R&Rというものを大事にしている。
Role and Responsibility、日本語に訳すと『役割』と『責任』となり、サッカーにおけるサポーターの『役割』はわたしは応援とサポートだと思っている。
では、サポーターの『責任』には何が含まれているだろうか。
わたしが考えるに『責任』を負っているものはないのだ。

わたしは、どの選手を招集するか、スタメンを誰にするのか、そして試合結果については監督が責任を負うものだと思っている。
なので、試合結果や順位に対して責任がないのに、あの選手を招集しろ/するなと言ったり、お気に入りの選手がスタメンでないと文句を言ったり、失点したときの選手のプレーに対してあれこれ言うのは、わたしが考えるサポーターのR&Rには入ってないのだ。

では、応援とサポートという役割を考えたとき、ポジティブな意見はどんどん言うべきだと思うが、何の責任も負わないサポーターがネガティブな意見を言う必要はあるのか?
ここで言うネガティブな意見とは誹謗中傷や非難ではなく、簡単に言うとダメ出しとでも表現しておくべきか。

「なんであそこにパス出したんだ」「ボールロストが多い」「シュート外すなよ」とか、選手のプレーに対して思うことは止められない。
ポジティブであれネガティブであれ、本来であれば言うことも自由だ。

でも、サポーターのネガティブな意見を聞いたり読んだりして、選手たちは頑張れるのだろうか。
そこがわたしはわからない。
「わたしだったら凹むけどな」と考えてしまう。
だから、ネガティブな意見を言ったり書いたりすることで、サポーターの本来の役割である(とわたしが勝手に考えている)応援とサポートから離れてしまうのでは?と思ってしまうのだ。

ただ、サッカーファンを長く続けてきた方の意見を読んだりすると、批判は必要だと言う人もそれなりにいるようだ。
甘やかして過保護になる必要はないと。
でも、わたしからすると甘やかして過保護なつもりはまったくなくて、単に選手を傷つけたくない、最後まで選手の味方でいたいだけなのだ。

そもそも、彼らに改善を促すのは監督やコーチの役目である。

ここまで読んでくださった方の中には「もう好きにしたらええがな」と思われそうだが、わたしもそう思って実際に言ったり書いたりできたとしたら、心は楽かもしれない。

でも、サポーターからのネガティブな意見は日本のサッカーを強くするのだろうか。
サポーターがネガティブな意見を言うことによって、サッカー日本代表は彼らが目標とするワールドカップで優勝できるのだろうか。
選手たちはサポーターが何を言おうが、プロだから気にしていないのだろうか。

こう思い悩み、戸惑いながら、わたしは今日もサッカーの試合を観ている。

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