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ニッチフレグランスと香りの空間演出

SOU FRAGRANCEは香りを用いて日本の感性をより豊かにしたいと考え、特に東京や大阪以外の地域での香り文化の発達を目標としている。これに至ったのは、2018年ごろに出会った「ニッチフレグランス」と定義される香水との出会いが大きい。ニッチフレグランスについて。


香りは、我々の感覚を刺激し、独自の世界へと誘う不思議な魔法だ。その中で、近年注目を浴びているのが「ニッチフレグランス」。これは、大手メゾンや一般的な香水ブランドとは異なり、より小規模で独自性を追求した香りのアートとも言えるものと考える。

ニッチフレグランスについて。

まず、ニッチフレグランスの特徴の一つは、その限られた生産量と独自の製法にある。大手メゾンが大量生産を前提としているのに対し、ニッチフレグランスは芸術作品のように少数精鋭で生み出される。これにより、香りは単なる商品ではなく、贅沢で特別な体験として消費者に提供される。

また、ニッチフレグランスは往々にして斬新で挑戦的な香りを追求している。これは、大手が敬遠するような個性的でリスクのある香りに挑むことができる余地があるからこそ。そのため、個々の香水が独自のストーリーを語り、使用者に独創的な印象を与えるのだ。

さらに、ニッチフレグランスは従来の香水のような大々的な広告宣伝ではなく、口コミや限られた販売先を通じてコアなファン層に届けられることが多い。これにより、愛好者は他とは異なる独自の香りを身にまとうことで、一種のアイデンティティを手に入れることができるのだ。

総じて、ニッチフレグランスは香りを芸術として捉え、香水愛好者に新たな感覚と出会いを提供しているということができるし、何よりも香りが面白い。90年代までの香水の香りが苦手で「香水嫌い」になった方にも是非試していただきたいカテゴリーなのだ。その独自性とクオリティは、まさに香りの領域における究極の宝石と言えるのではないか。

日本では以前「柔軟剤の香り」に注目が集まり、一時期渋谷の交差点は(海外の人からすれば)合成ムスクの香りで埋め尽くされた。
その後、化学物質過敏症(過剰な香り成分により健康に被害が及んで生まれる弊害の一つ)などが問題視されるようになった。
 「香害」による被害を懸念してか、日本では「無臭が一番」という考え方の人も一定数いる。
 しかし、近年は香りによる演出を求める人も増えてきた。
 働く世代20業種99名にとったアンケートでは職場に香りを取り入れたいと回答したのが66.7%、無臭がいいと回答したのは27%だ。
 アンケートの結果から純粋に考えると、今後は企業にとっての香りは従業員満足の観点からも必要になってくる。もちろん不快感のない範囲での賦香が求められる。

 今後の香りに対する価値観の変遷において、ニッチフレグランスという切り口は、アロマが主流の香りの空間演出において、固定概念にとらわれず幅広い香りの演出をする上で有用になってくるだろう。

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