おことわり
※「静かの海のパライソ 2021」の感想です。初日配信、東京公演、大阪公演を元にした感想記録のようなものです
※一部、「静かの海のパライソ（2020年版）」と「東京心覚」の情報に抵触する記述があります
※歌や音楽に関する話をしていますが、筆者は専門家ではありません。本記事は一個人の経験に基づく感想であることを予めご了承ください

歌に色を感じる人が書いた記事です。
前編（大倶利伽羅、鶴丸の歌の感想）はこちら↓

「静かの海のパライソ 2021」東京凱旋公演初日おめでとうございます。
この記事は大阪公演までの個人的な感想をまとめたものです。
配信で観劇して大幅加筆したくなったところがあるので、豊前と松井の歌に関しては「後編」に書きます。

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3.浦島虎徹（演：糸川耀士郎）

アマクサシロウ（仮）として人集めをするところ。
「パライソぉぉぉぉぉ！！！！！」って海に叫ぶシーン。
ビブラートがさざめきそうになる瞬間がありましたね。見えましたよ。


「壽 乱舞音曲祭」の「Scarlet Lips」がグレイトアクトすぎて、私の中ではすっかり「虎徹兄弟のセクシーキュートな末弟」という認識が確立している。彼は浦島くんじゃない。浦様。

糸川さんご自身も「色気のある曲が好き（※パライソ公式パンフレットのインタビューより）」っておっしゃるくらいなので、色気のある曲のノリ方はめちゃめちゃ研究されてるのかもしれない。

だってさ、二部1曲目「一度きりの人生（仮）」やばくないですか？
初っ端からぶちこまれる華やかなランズ！フォール！ビブラート……！！！
「♪このままどうなっちゃうんだろう　誰か教えてよ」
ってところ、ほんと……聞いてるこちらもどうにかなりそう……
どうなっちゃうんだろう…誰か教えて……！！！

「Be Cool!!」は、CD音源だと日向の歌声とスイートにハーモナイズしてるんだけど、現地で聞くと全体的に浦島の雄々しさが増しましで、どえりゃーかっこいいです。かっこいいしセクシー！！！
1サビの「♪自分自身で作った限界を」ってたった一行を、装飾たっぷり付けて歌い上げてて、華やかで、最高なんですよ……
「Free Style」のCメロの「♪幼い自分に」ってところも大好き。
たった二言だけど、そのたった二言が確実に記憶になるような、爪痕を残すような歌い方をされるなぁ……と…思いましたね……
かと思えば、プレーンなロングトーンを気持ちよくぶっ放すところもあり……気持ちいいなぁ……


糸川さんの浦島の歌は、オレンジ色と紅茶色と暗褐色がまだらを成している感じがします。セクシーしてる時は、茶金石っていうガラス材によく似ていています。光を受けてきらきら耀いてる。
そして無邪気な末っ子系の声は、透明度の高いオレンジ系の色。
1部終盤の「海に来ればいい（仮）」で日向とユニゾンしてる時が一番お気に入りです。
「My name is 四郎（仮）」で、
鶴丸が「♪辿り着きゃいい　手段は任せる」って唄った直後に、浦島が「うん！」って相槌入れてたことがあったんだけど、あれはウルトラかわいいので大楽でもやってほしい。

でも「My name is 四郎（仮）」の「♪合言葉は（パライソ）参ろうぜ　合言葉は（パライソ）安らかなる国　行くぜ（パライソへ）」のところは、キャラ寄りの明るめの声ではなくてメロを支える太めのしっかりした声なんですよね。
アマクサシロウ（仮）として海辺で仲間を集める時の「合言葉はパライソ rep.（仮）」もそうだったし、兄（演：横山賀三）と、弟（演：中村琉葦）と唄う「海と夕焼け」でもお兄ちゃん感バリバリ出てる。

それにしても……
絶妙な塩梅というか、柔軟性が高いというか、なんというか……キュートとセクシー、「きらきら」と「どっしり」の振り幅がすごく大きくて……いいな……羨ましいな……たぶん歌に使える音域がかなり広いんだろうな……

さまざま慄いてはいますが、浦様のシャウトや、ちりめんビブラートは大変心地良いので、そのあたりがオイシイ曲を今後も望みたいです。
この人の歌をもっともっと聞いてみたい。

4.日向正宗（演：石橋弘毅）

やはりライヴという逢瀬はたまらない。
実際に生声を聴いてみないとわからない情報ってたくさんある。
ばしこくん演じる日向の歌を聞いているとそんなことを思います。

彼の歌は、CD音源だとクリアで甘い印象が強いのだけど、現地ライブになると音源よりもドライさが増して清かな淡いグリーンに色づく。あれを見てしまうともう昔には戻れない。
わたしも死に際に日向くんにあのきれいな御声で「えらいね」って言ってもらえるような生き様をしなければ……（急にヘヴィーな妄言がはじまったぞ）


冒頭の少年（演：横山賀三）の歌は、暗雲の中から差し込んでくる薄明のようだなと思っていました。ベルディングの響きがノーブルでピュアで「聖戦の象徴」という役柄にぴったりの歌声だなと。
（主メロの「愛すること愛されること」とか「共に鬨の声を上げよ」の辺りもいいし、裏メロ担当してる部分もいいよね）

で、日向がアマクサシロウ（仮）として「パライソ……」ってお言葉を述べる時の声には、それに近いものを感じました。
続く「合言葉はパライソ rep.（仮）」もよかった。
日向は「太閤殿下のお孫様」として担がれて覚悟を決めてしまったので、この曲の後半で民衆に語りかけるあたりはアマクサシロウ（仮）として唄っているんだけど、
彼のアマクサシロウ（仮）の面を被った歌い回し、でも決してニセモノではない慈愛が乗った歌い回し、グッときません……？
ハッピーな場面ではないだけに悩ましいんだけど……私は大好き……うう……_:(´ཀ`」∠):_

1部終盤の「海に来ればいい（仮）」も好きです。
とても晴れやかで気持ちいいバラードなので、その後に続く地獄さながらの酸鼻を極める展開を忘れそうになりますが、現実逃避に行きつく一歩手前であのラストシーンがやってくる。尺の長さがあまりにもベスト。観るたびに具合が悪くなります（※とても褒めてる）

「東京心覚」で豊前が五月雨に「お前には歌だけ歌っててほしいよ」って言う展開がありましたけど、私もトーケンダンシには平和な世で楽しく歌っててほしいよ……彼らがトーケンダンシである以上、土台難しい話だけども……
晴れやかな外の海と空と、血濡れた原城内のコントラスト……ううう……_:(´ཀ`」∠):_


枢先生のキャラデザがまんま実体化したような、ビスクドールみたいなパーフェクト耽美なお顔のミュ日向くん。
2部の「一度限りの命（仮）」ではすごく艶があるダンスをしますよね。要所要所で指先から睫毛の先まで色香が滴ってて、どきどきしながら見てしまう。

しかしそれだけでなく、漢気を感じさせるアプローチも散見されるので、ギャップでめろめろになってます。

「Be Cool!!」のラスサビ「割に合わないポジションで誰もが」ってソロがあるんだけど「誰もがーーｱｧ゛ｯ！」って、がなるのがいつも好きですし、
「YUKARI」のAメロ「豪華絢爛に」のところで「絢爛にぃｯ!」ってなるのも好き。
1部OP「刀剣乱舞」の「今こそ見せよう正宗の力」は「正宗のちーからーーーｯ!」の時と「正宗のちーからーーーｧ゛!」の時がありますね。好みの上では前者の方が好きなんですが、後者の歌い方で、かつ、とてもグッとくる回もあるので聞き逃せない。

もちろんヴィジュアルイメージにぴったりな「The 小悪魔」なアプローチも期待していいかな。期待してます。今後も楽しみです。

▼10/31追記
東京凱旋公演のカテコ挨拶、
「主と一緒なら、うまくやれるよ！」
泣きました。泣かされました。
やっぱりわたしは日向くんに「えらいね」って言ってもらえるような生き様をしたいと……改めて思いました……_:(´ཀ`」∠):_

最後の「正宗の実力、ぼくが見せよう」がすごくすごく日向でした。「ま」って発声する直前にあんなに唇をぎゅっと巻き込んでいたんだね……

4.5：その他雑感

▼「壽 乱舞音曲祭」のシンフォニックロック調の「刀剣乱舞」があり、
「東京心覚」のインダストリアルぽさも香るデジロック「刀剣乱舞」があり、そしてパライソの「刀剣乱舞」は附け打ちの音が印象深く、和の趣が強い。
もしかして、これからは公演ごとにリアレンジするんでしょうか。

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▼パンフレットを見てみると、楽曲制作に関わる方々のクレジットが2020年版と2021年版で結構変わっているのが分かります。

去年のパライソには「獣」「押忍！」に続くSAKRAさん渾身の滾る新曲があったかもしれない。田尻さんの美メロ＆アレンジの新曲があったかもしれない。
やっぱりパライソ初演も観たいんです。観たいし、聴きたいよね。

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▼山田右衛門作役の中村誠二郎さんの殺陣がもっと観たいです

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▼「戦うモノの鎮魂歌-レクイエム-」。してやられた。
よもやあそこに持ってくるとは思わなかった。
己の武器をそれぞれに掲げる武将や民衆の中心で、兄（演：横山賀三）が空っぽの腕で立っているのが印象的でした。
本編では菊池槍を持っていたんだけどな。どうしてなんだろう。あの演出の意図についてずっと考えている。

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