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ai amuのこと―川崎富美子さんと藍染め― 第1回


創喜のブランドの中でも特別な存在感を放つ「ai amu」。

創喜のくつ下づくりの技術を生かしたアイテムを、徳島県産の本藍を使って丁寧に1枚ずつ手で染めあげています。
弊社専務が藍染の魅力にひかれて「藍染の素晴らしさを若い人たちにも知ってほしい」と思ったのがきっかけとなりai amuという藍染商品のブランドが誕生しました。

今回はai amuを染めて頂いている藍染師「藍染工房 京ふう美」の川崎 富美子さんの元へ、本商品の染め技法やこだわりについて取材に伺いました。
川崎さんの藍染に対する情熱や、藍染との出会いなどのお話しも聞かせて頂きました。

[第2回はこちらから]

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とってもやさしい雰囲気の川崎さん。
なんと、この日は川崎さんが藍染したワンピースを着用されていました。普段から、自身の洋服も藍染されているそうです。

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同行した弊社会長と専務も、川崎さんに聞きたいことがいっぱい。
和気あいあいとした空気の中、たくさんお話を伺いました。

さて、川崎さんが藍染に出合ったきっかけはご自身ではなく、なんと猫好きのお嬢さん。
お嬢さんが幼かった頃、近所にあった藍染工房に飼われていた猫を触るため通っていたのだそう。
足繁く通うお嬢さんを見て「高校になったらアルバイトをしにおいで」と工房からお誘いが。

高校生になったお嬢さんは、お誘いのとおり藍染工房でアルバイトをするようになりました。
そんなつながりで、川崎さんも藍染工房をお手伝いするように…。

藍染に触れた川崎さんは、その魅力に気づき「挑戦してみたい!」と確信したのだそう。
そして染色のお手伝いをしながら、いつしか「自分の作品をつくりたい」と思うようになっていきました。

画像2(川崎さんの作品)

一通りの藍染の技法を学んだあと、ひとり立ちされたのですが、染めるのに必要な「藍」を購入するルートがなく、途方に暮れてしまいます。
藍も手に入らず、仕事ももらえない…そんな辛い状況で、「自分なんて必要ないんだと思ってしまった」と川崎さん。

しかし、そんな時に著名な染織家の山口豊先生に出会い、ご厚意で新居製藍所の新居修さんから藍を分けてもらえるよう取り次いでもらえることに。
それだけでなく、藍染作家のアキヤマセイコさんも紹介してもらい、藍の使い方、灰のとり方といった藍染の方法についても一から教えてもらったのだそう。
教わりながら、「自分が今までやってきたことが間違っていなかった」と自信を得ることができ、その後ご自身の工房で藍染の制作を始められます。

画像3(入手が難しかったスクモ)

川崎さんが専務に出会ったのもちょうどその頃。
創喜が出店していた手作り市で、川崎さんも藍染作品のお店を出店されていました。
その作品の魅力に専務が感動して、川崎さんに声をかけたことから縁が繋がりました。
「声をかけてもらって、仕事を依頼されたことで、勇気づけられた」と川崎さん。

小さな偶然と偶然が結びついて、川崎さんが藍染に出合い、作家としての土台を確立し、創喜とのコラボが実現したのだなと思うと、ai amuの商品一つひとつがより愛おしく思えてきます。

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藍染の一番好きなところを教えてください、とお聞きしたところ、「引き込まれるような藍の色が好き」と答えてくださいました。
「浅い色から深い色までバリエーションがあるのも魅力ですね」と専務もうっとり。

うすいうすい甕覗(かめのぞき)からはじまって、浅葱(あさぎ)、縹色(はなだいろ)、瑠璃色(るりいろ)、褐色(かちいろ)などなど、藍色を表す名前もたくさん。
微妙な色の変化の一つひとつに名前をつけているところからも、いかに日本人が藍を愛していたのかがわかります。

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日本の歴史の中で、大切に守られてきた藍染の知識と技術。
「藍染の知識と技術を、私もたくさんの人たちに教えてもらったから、“好き”と思った人になら誰でも教えてあげたい。たくさんの人たちに技術をオープンにしていきたいですね」と川崎さん。

画像6(藍染の素材や道具たち)

作家活動だけでなく初心者でも参加できる藍染教室も開催されていますが、最近では新型コロナウイルス感染対策も考え、画面越しでの教室も計画されています。

そんな川崎さんが心を込めて染めてくださっているai amuのくつ下やストールたちが、藍染の魅力を若い人たちに伝えるきっかけになれたらいいなと感じました。

さて次回は、ai amuの魅力についてお話しする予定です。どうぞお楽しみに♪

「藍染工房 京ふう美」
〒621-0846 京都府亀岡市南つつじケ丘大葉台1-7-1
MAIL:kyoufuubi.aizome@gmail.com
FAX:0771-25-8828


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