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【読書】 世界一流エンジニアの思考法(10/100)

こんばんは。
とりまめです。

今日は仕事で3年間かけて取り組んできたプロジェクトが一区切りつきました。
火災現場における行動マニュアルのようなもので、今までの職場にはなかったものです。全く同じ火災現場はないため、統一感をもって行動マニュアルを作成することは難しいと言われてきました。
もちろん、物事には良い面と悪い面があります。
私は「マニュアルなんて!」と思う方ですが、やはり組織のルールが暗黙知(テキスト化されていない)であることは良くありません。
仕事の良し悪しが人の好みになってしまうからです(仕事の属人化)。

そこで、話し合いを重ねようやく言語化できました。
ここまで時間がかかるとは。。
なかなか思うようにはいきませんね💦

さて今日は「読書記録」を書こうと思います。

本著の紹介

書籍情報

【著書】世界一流エンジニアの思考法
    2023年10月23日発行
【著者】牛尾 剛  【発行所】株式会社 文藝春秋

「怠惰であれ!」「早く失敗せよ」――

米マイクロソフトの現役ソフトウェアエンジニアの著者が、超巨大クラウドの開発の最前線で学んだ思考法とは?

“三流プログラマ”でもできた〈生産性爆上がり〉の技術!

・試行錯誤は「悪」。“基礎の理解”に時間をかける
・より少ない時間で価値を最大化する考え方とは?
・「準備」と「持ち帰り」をやめて、その場で解決する
・マルチタスクは生産性が最低なのでやらない
・“脳の負荷を減らす”コミュニケーションの極意
・コントリビュート文化で「感謝」の好循環を生む……etc.

仕事と人生を「自分の手でコントロールする」最高のスキルがここに!

Amazon「作品紹介」より

本著を読んで

本著は、グローバル企業のスピード感を身を以て経験した著者が、変化が早い企業で働くビジネスパーソンに向けて「生産性を高める西洋文化のマインドセット」を学んで欲しくて書いた一冊です。

著者が、幼い頃から「プログラマ」を目指し一流の世界で通用しなかった経験から、本場アメリカでの一流の技術者のマインドセットに触れ、そこで学んだことをビジネス書にしました。

理解に時間をかける

「どんなに頭のいい人でも理解するには時間がかかる。」
アメリカで一流のプログラマがトラブル対応している思考法を分析して著者は言います。

日本では、トラブルがあった時に試行錯誤することが善だと捉えられている傾向がある。しかし、これこそが悪習で、むやみやたらに対処してもいたずらに時間ばかりを使う結果に終わります。

手を先に動かさない。
まず仮説を立て、アプローチを選定してから動く。

本著文中より引用

そこで、「理解には時間がかかるもの」として、急がず、徹底的に理解する習慣をつけることが、仕事の手戻りを少なくし、さらに今まで読み飛ばしていたような「思考の穴」にも気付くことができ、圧倒的に試行錯誤が減って物事を直線的に解決できるようになります。

アジャイルとウォーターフォール

アジャイル(agile)とはソフトウェアの開発手法のことで、「素早い」「機敏な」という英単語が示す通り、「計画に従うよりも変化に対応する」「プロセスとツールよりも個人とのコミュニケーション」「包括的なドキュメントよりも動作するソフトウェアを重視する」という考え方からなる。

ソフトウェアを機能ごとに小さく分割し、優先順位の高いものから「要件定義・設計・実装・テスト→リリース」を行き来しながら、一つのサイクルを短いスパンで頻繁に行うのが特徴だ。

本著文中より引用

ウォーターフォールは、要件定義・設計・製造・テストの工程に分割され、「前から順番に」(滝が上流から下流に流れるように)実行するもので、長い時間をかけ、何百人も人を集めて巨大なドキュメントを定義する。
工程管理がしやすいので日本では重視されていたが、ソフトウェア開発では、例えば建築と比較すると変更が簡単で、逆にソフトウェアをつくらない段階で要件定義するのはとても難しいため、手戻りが発生したさいのロスが大きいウォーターフォールは正直向いていない。

本著文中より引用
アジャイル ビジネス インスティテュート株式会社HPより引用

アジャイルでは、変化を前提として短い開発期間の中で自動化されたテストを繰り返すことで、構造的な変化にも強いという利点がある。

そのような変化の早い業務においてはウォーターフォールは一切メリットがないと言われていて、より良い商品を楽に開発したいなら、チームが楽しく、成果が出る方法を取ることが望ましい。

「Be Lazy(怠惰であれ)」とうマインドセット

端的に言うと「より少ない時間で価値を最大化するという考え方」です。
その習慣は次の通りです。

・望んでいる結果を達成するために、最低限の努力をする。
・不必要なものや付加価値のない仕事(過剰準備含む)をなくす。
・簡潔さを目指す。
・優先順位をつける。
・時間や費やした努力より、アウトプットと生産性に重点を置く。
・長時間労働しないように推奨する。
・会議は会議の時間内で効率的かつ生産的に価値を提供する。

そのためには、「いかにやることを減らすか?」に頭を使うことが大切で、本当に必要な機能は何で、いかにして楽をしてより価値を生み出すことができるかが重要です。

失敗と不確実性を受入れる

この失敗と不確実性を受け入れるというマインドは生産性を一気に高めてくれる。
具体的に失敗を受入れるためには、
・「フィードバック」を歓迎するムードを作る
・「検討」をやめて「検証」する
・「早く失敗」できるように考える

不確実性を受入れるためには、
・「楽に達成できる」計画で仕事をする
・「無理・断る」練習をする
・他の文化の視点を学んでみる

ことが大切です。

自己組織チームという考え方

チームが自ら考えて自分で意思決定するスタイルのことです。
そのチームの特徴は、
・生産性が高い
・チームのエンゲージメント(満足度)が高い
・よりよいソリューションが選択されやすい
このチームでは、自分で自分の人生や考え方に責任を持つことが求められ、メンバー一人一人が楽しんでいるかどうかが優先事項で、マネージャーは面パーに寄り添いエンパワーすることが仕事となる。

そして、できる人たちにのびのびとパフォーマンスを発揮してもらうには、チームメンバーが「仕事を楽しめる」環境を作ることが何よりも大切になる。

「あとがき」で著者はこう添えている。
仕事で大切なことは、あれもこれもやるという足し算というよりは、むしろ「〇〇をやめる」ー身を軽くすることに真髄がある。
そうやって、仕事の枷(かせ)となるものを1つ1つ荷下ろしして行ったときに、驚くほど脳にスペースが生まれ、仕事は飛躍する。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではまた明日。


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