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福岡のモデル業界を牽引するLAY-WORLD代表"福永裕子”さん

女優の田中麗奈をはじめ、数多くのモデルやタレントを輩出し、創業31年目を迎えるLAY-WORLD。福岡のモデル業界の礎を築き、今年で73歳を迎えながらも、尚も第一線で活躍しつづける代表 福永裕子さんに、その思いや情熱の裏側について、お話をお伺いしました。

■福永 裕子(ふくなが ひろこ)さんプロフィール
出身地:熊本
活動地域:福岡
現在の職業及び活動:モデル事務所 経営。
福岡ではトップクラスのモデル数を誇る。
ファッションモデルやCMのモデルが主で、
テレビ・雑誌などに出演するモデルが多い。
座右の銘:「災いを転じて福となす」

「やっぱり私は好きで仕事をやってるんだなと。悔しくても涙が出るぐらい嫌なことがあっても仕事を続けてきた。」


Q.どんな心の在り方や認識の変化が今の活躍に繋がっていますか?

福永 裕子さん(以下、福永 敬称略)
まだ携帯も何もない時代からモデルのマネジメントをやってるんだけど、当時モデルの子を家まで呼びに行ってた時に、いかにも寝てましたっていう顔で、「何ですかぁ?」と出てこられることが度々あって、こっちはそういう姿を見ると悔しいじゃない。私もまだ若い頃だし、仕事で呼びに行ってるのにこっちがみじめになる。
だけど、そういうことが何度も続いて、涙が出るぐらい嫌なのに、「どうして私はやめないの?」と自問自答してた時期があった。

それでも私が仕事を続けているっていうことは、結局はこの仕事が好きなんだろうと。そういう風にどっかで気持ちを切り替えないと、仕事やってても大変なことが続くとやっぱりやる気が出ないじゃない。その時よね。私はこの仕事が好きなんだと、そこに気持ちを切り替える。悔しくても涙が出るぐらい嫌なことがあっても仕事を続けられてきたというのは、やっぱりその仕事が好きという心の在り方、認識の変化にあったんじゃないかと思うわね。

「私には私のできる範囲で、今できることを精一杯やる。」

Q. AIが活躍する時代に人間に求められる事は何だと思いますか?

福永 AIによってモデル業界がそこまで大きく変わるには至ってないと思う。それでも昔に比べて仕事はどんどん早く処理できるようになっているし、物凄い時代がきたなとは思う。
時代の流れを見ながら、私には私のできる範囲で、今できることを精一杯やる。自分にできないことをやったってしょうがないじゃない。そうしないと焦りが出るし、イライラするし、それをどうにかしようと思ってもどうにもならない。「今ここを生きる」私にはそれしかないと思うし、それをやっていたら自然とリズムが変わっていくと思うの。

Q. どんな美しい時代を創って行きたいですか?
福永 逆に、どんな美しい時代を創りたいとか想像したことある?

記者 私は想像しますね。どんな時代をつくっていきたいかなぁとか、これからどんな時代になっていくかなぁとか。

福永 ‘‘私は現実は美しいということはありえないと思うのよね。’’ハッキリ言って美しいとか何とか言うことは夢物語よね。現実は厳しくて、下手すれば醜いものと思ってた方が間違いないわね。その中から違った見方をしたら「へぇ。こういう美しさがあるんだ。」っていうことはあると思うけど、のっけから美しいというのは考えつかないし、美しい時代を己でつくるなんか、考えられない。

記者 30年以上モデル業界で経営者として活躍されてきたからこそ、この言葉にすごく重みを感じます。現実には美しいものはありえないと。そんな中でも、福永さんが思う「美しさ」とはどんなものでしょうか?

福永 私が思う美しさとは顔がキレイとかそういうのじゃないからね。顔の美しさは顔の造作が違うだけ。鼻が高いとか目が大きいか細いかとか、バランスが良いからキレイと思うだけ。

記事 それでは何に美しさを感じますか?

福永 美しさっていろいろ違うじゃない。生き方だったり、花であったり。だから「これが美しい」って一言でいうのは難しいわね。

記事 いろんな美しさがある中でも、福永さんが共通して感じられる美しさってありますか?

福永 それは「安らぎ」があるかないか。
ほっと安らぎがあるということは、心にゆとりがあるということ。そうするとものの見方が変わるわけでしょ。自分でもおかしいって思うんだけど、うちのバルコニーに雑然と植物が置いてあるの。春先にそのバルコニーで椅子に腰掛けて、そよ風をスーッと当たってるときは最高の時間。
ほかには何もないの。変な話、このまま天に召されたいと思う。何とも言えない心地よさ。

記者 そのときは何を感じられてるんですか?

福永 無の状態。無の状態であるということが、いちばん幸せ。普段はそうはいかないから。その瞬間が最高に心地いい。それを考える人は他にいないと思うけど(笑)ほんとう何も考えてない。最高に気持ち良いし、至福のとき。

記者 激動の生き方とは対照的ですね。
完全燃焼で生き切ってるからこそ、そう感じるんですかね?

福永 若い時なんて、風を肌で感じる何てことはなかった。年齢にも、置かれた環境にもよるだろうけど、ある時からそれを感じるようになった。
だから、そよ風の心地よさをわかってる人は、私は素敵だと思うの。

記者 無があるからこそ日常があり、日常があるからこそ、無がある。お話を聞いてたら、社長の考え方や生き方はすごくシンプルですね。

社長 そう。シンプルイズベストなの。みんないらないものをくっつけるし、大袈裟にしちゃう。女ってそういうの多いじゃない(笑)そんなに悩む必要なんてないじゃない。

記者 たくさんの女性の方に福永さんのお話を聞いていただきたいです(笑)自分の人生を語ることで、人を感動させられる生きっぷりって、ほんとうに素敵だと思います。

社長 私は当たり前の日常をただ生きてるだけ。
感動的なものは何一つないわよ。

Q.最後に、全力で生き切っている人生だと思いますが、もし今ここで命尽きるとしたら、これだけはやっておきたいことってありますか?

福永 それはもうハッキリ言ってないわね。
もうこれをやり残したとかはない。会社を継ぐ人とか、それぐらい。いろいろ考えたって、どうにかなるって話じゃないでしょ。私にできることを精一杯やるだけよ。

記者 本当にシンプルです。
どうやったらそんな生き方ができるんでしょう?

福永 人間うまくいく時は誰だってうまくいく。「どん底になったときに、どうやったら這い上がれるのか?」時代的に今の人たちはそういう経験がないじゃない。だからいざという時に力が出せない。だからこそ、その力強さを今の人たちには教育的に身につけてほしいと思うわ。

記者 なるほど。まさにその力強さや生きる姿勢が福永さんと私たちの大きな違いだと感じます。本日は心に響く貴重なお話ありがとうこざいました。

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福永 裕子さんに関する情報はこちら↓↓

株式会社レイワールド:http://www.layworld.co.jp/

【編集後記】

今回記者を担当した相良と堂本です。

1人の経営者として、そして女性として。
福永さんの生き方や姿勢はまさに現代に生きる私たちが失ってしまった、日本人の美しさや力強さが込められていて、こちらの胸が熱くなり、途中涙が出そうなほど感動しました。
「そよ風の心地よさをわかってる人は、私は素敵だと思うの。」その美しい心情を感じれるほど、精一杯生きたいと、強く思いました。

この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36


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