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UK Life イギリスでの日々

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イギリスでの暮らしに関する記事をまとめています。
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30年前に自分が書いた手紙を読みながらのタイムトラベル 〜スコットランド、湖水地方一人旅編(その2)〜

「30年前に自分が書いた手紙」シリーズ、前回に引き続き、初めて北の地、スコットランドや湖水地方を一人旅したときのことをもう少しだけご紹介します。太字の部分が手紙の抜粋です。 泥棒がいない町 「インヴァネスからスコットランドの西にあるスカイ島に移動しました。途中の景色はイギリス一と言われるだけあり、まさに圧巻でした」 ネス湖があるインヴァネスから最果ての島、スカイ島へ。そこでのことは手紙には書かれていないのですが、一つだけ印象に残っていることがあります。 いつもは旅先の

30年前に自分が書いた手紙を読みながらのタイムトラベル 〜スコットランド、湖水地方一人旅編(その1)〜

このシリーズでは、30年前にイギリスに10ヶ月住んでいた時に両親に宛てて書いた手紙を今読んでみてハッと気づいたこと、懐かしく思い出したことなどをご紹介しています。前回までは、手紙と再会を果たすまでの経緯に始まり、イギリスでの30年前の生活のことについて書いてみました(イギリス生活事情編その1、その2、その3)。 さて、その頃ロンドンに住んでいた私は、仕事も頑張っていましたが、かなりフットワーク軽く旅も楽しんでおり、週末にふらりと一人旅をしたり、ちょっと長めのお休みをとって遠

30年前に自分が書いた手紙を読み返しながらのタイムトラベル 〜イギリス生活事情編(その3)〜

このシリーズでは、30年前にイギリスに住んでいたときに両親に宛てた手紙たちと再会を果たし、それらを2022年の今読んで面白いと思ったこと、気づいたことなどをご紹介しています。今回はその1、その2に引き続き、イギリスの住宅事情に絡めて、初めてのロンドン暮らしをしたときのこと、そしてひょんなことからハリウッド・スターの昔のお宅拝見ができてしまったときのこぼれ話、などを綴ってみます。 ロンドンの住宅事情 30年前の10ヶ月間は、ウェスト・ハムステッドというロンドン北西にある閑静

30年前に自分が書いた手紙を読み返しながらのタイムトラベル 〜イギリス生活事情編(その2)〜

前回から、30年前にイギリスに住んでいたときに両親に宛てた20通の手紙を2022年の今読んで面白いと思ったこと、気づいたことなどをご紹介しています。手紙には昔と変わらないイギリスの姿や今とは全く違う姿などが、若い自分の目を通して描かれていて、今あらためて読み直してみると、新たな発見がたくさんあることがわかりました。 今回は前回に引き続き、90年代初頭のイギリスの生活事情などを現在の様子と照らし合わせながらご紹介します。 30年前のイギリスの物価にため息 その頃一人旅

30年前に自分が書いた手紙を読み返しながらのタイムトラベル 〜イギリス生活事情編〜

30年前の手紙と再会を果たすまで・・長い前置き 私はイギリスのロンドンに住み始めて14年になるのですが、実は20代の頃にも一度、仕事で10ヶ月ほどロンドンで暮らしていました。今は臨床心理とか代替療法のセラピストなどしていますが、その世界に入る一歩前の人生の時期・・遠い昔の話です。 大学を卒業して、友人たちは一流企業でバリバリと働いているのに、私は何をやりたいのかわからずに、とりあえず定時で帰れる事務職をしていた毎日。その職場でのひょんな出会いから、なぜか日本では無名のイ

「生(なま)」にふれる

青空市でのふれあい 私は毎週日曜日に車で近くの青空市(ファーマーズ・マーケット)に行くのを楽しみにしています。特にイギリスの厳しいロックダウンで人と直にやりとりする機会が少ないと、なじみの店主さんたちやそばにいる他のお客さんたちとの交流が心に沁みる。。(涙) 生のふれあいに飢えてるんだな〜、と思います。 「今日は風が強くて、テント、大変ですね〜」とか 「これはうちのおじいさんの時代からのレシピなんだよ!」 みたいな人間的なやりとりの大切さ。 商売上手のオリーブ屋のお

イギリスの中の異国、ウェールズ

前回のブログからずいぶんと間が空いてしまいました。 ここ数ヶ月、とあるプロジェクトに関わらせていただくことになり、それはそれで非常にありがたいことだったのですが、多忙でパソコン作業が普段の数倍に。仕事がひと段落した今月、心身のリフレッシュのためにウェールズに一週間ほど滞在してきました。 海外旅行はおろか、イギリスでは外食も禁止の日々が続いた昨年と今年。旅行と呼べるものは1年半以上ぶりです。しかも寒くて雨が多いイギリスの春秋冬から逃げるように、ここ数年は南欧ばかり行っていた

魂が満たされる空間を求めて (1)

迷い込んだ場所で見つけたもの 少し前に、これまで訪れたことがないイギリスの郊外に車で行った時、ふとした拍子にルートを外れ、知らない村に迷い込んでしまうということがありました。 その村は、商店などもある通りからさほど離れていないのにも関わらず、緑に囲まれて外から守られた空間で、さながら秘境のよう。車道より高いところに細い水路が通っており、そこに沿って散歩道が続いています。途中、かなりの時を経てきたらしい石造りの可憐な噴水が水際に立っているのが見えました。村にある数少ない建物

魂が満たされる空間を求めて(2)

前回の記事では、「そこに身を置いていると、心身が喜んだり、魂が満たされるような街並みや建物」などについて触れてみました。その後、自分が住む街や訪れた先の街を、以前よりも少し気をつけて観察するということを続けています。すると、以前は気づかなかったような建物の造りが目に入ったりするようになりました。今回は、そんな中で目に留まったものをいくつか写真とともにご紹介します。また、先週ヘイスティングスという港町を訪れたのですが、この街で見つけた建物や街の一角もお伝えします。 ***