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「高木聖也」という男

前回初めてnoteを書いて、なんかいい頭の体操になりそうな気がしたので、ネタを見つけて書いていこうと思う。

今日みつけたネタは、

高木聖也という男

である。

アメトークの「○○という男」シリーズにちなで紹介したい。

まず高木聖也という男は誰なのか。

一言でいうと私の大学時代青春の4年間をともにした青山学院大学陸上競技部長距離ブロックの同期だ。

なぜ彼を紹介するのか。

単純に友達を紹介したいという理由だが、もしこの文章を読んでる人の中に、万が一でも興味をもった仏のような方がいれば、いま彼が行っている活動を応援してもらいたいからである。

高木聖也という男について、正直私はまだ8年程度の付き合いしかない。

うまく紹介できる自信は全くないため、適当に読んでほしい。

彼は熊本に生まれ、熊本で育った。

小学校はサッカー、中学校は何をやっていたか知らない。彼が中学3年生の時、陸上競技3000mで全国大会に出場したという都市伝説は耳にしたことがあるが、信じるか信じないかは、あなた次第だ。

多少荒れていたという都市伝説も青学陸上部では語り継がれている。

こんな優しそうな顔立ちをしている。

そして鳴物入りで熊本の名門、九州学院に入学。

特筆した成績はなかったが、昔見た陸上雑誌で高校2年生くらいまではロードレースやクロスカントリーでなかなかの好走を残していた記憶がある。

※ 確か高校の5000mのベストは14分47秒程度

そんな彼が青山学院大学陸上競技部へ推薦で入寮してきたのが、2011年3月のことだ。

第一印象は、本当にランニングフォームがダサかった。この一言に尽きる。これ以上いうと彼のプライバシーに関わるので、触れないでおく。

話は逸れるが、私は同期の中で一番適当で不真面目でサボり癖もあり、だらしない。

そして、陸上も割とヘラヘラやりたかった。高校時代の陸上部では友達がほぼゼロだった私は、楽しく遊べるような同期が喉から手がでるほど欲しかった。

第一印象で高木聖也とは仲良くやれそうだと思った。

だが違った。

めちゃくちゃ同期のミーティングで私のだらしないところを指摘する。そしてあまり私と遊んでくれない。彼だけでなく、私の同期はあまり私と仲良くしてくれなかった。

予想とかけ離れた同期に絶望したのを覚えている。

「なんでこいつらこんな真面目なんだろ」

そんな調子で1年目が終わり、彼と親交を深めることができたのは大学2年目の冬。

私の知人女性2人と食事に行く際、何故か高木を誘った。高木なら女性側も喜んでくれると思ったからだ。

そして何故か高木も快諾してくれた。

友情とは不思議なもので、ある日突然芽生える。

そこから毎日のように高木の部屋に出入りし、勝手に高木のボトルガムを食べ、高木が箱買いしてあるコーヒーを勝手に持っていき、高木のロッカーにゴキブリのおもちゃを内緒でいれる日々が始まった。

そんな楽しい毎日も束の間で、高木は2年目の冬に、アスリートを引退する。ランナーであることを諦め、マネージャーとして部に残ることに決めたのだ。

残酷だと思った。仲良くしてたからこそ一緒に速くなりたかったし、何より元々素質のあるランナーであり、私の何十倍も陸上に命を注いでいるランナーが怪我によって走る道を脱つ残酷さに、悔しくなった。

だが彼も仕方なくマネージャーの道を歩むわけではなく、マネジメントに全力を尽くす覚悟を僕ら同期の前で語ってくれた。熱く語る癖がある高木が、よりいっそう熱く語ったことがまぶたの裏に焼き付いている。

普段から口うるさい高木は、マネージャーになったことによりさらに口うるささは増す。

もちろん、嫌がらせではない。そんなことは僕ら部員は百も承知だったが、通常雨の日は室内で補強なのに、嬉しそうに「今日は朝練を通常通り行います」という高木の顔は憎くてしょうがなかった。

人よんで部員は高木を「青学の熱男」と呼んだ。

青学の熱男の熱意は部に更なる改革をもたらす。

adidas専属のトレーナーである中野ジェームズ修一氏を招き入れ、(招き入れたのは監督かもしれない)これまで行われていた補強トレーニングを止め、新たなトレーニングを取り入れる。

これが俗にいう「青トレ」である。知らない人は調べてみてほしい。

この頃から、高木の発言には一切反抗しなくなった。

黙って信頼するパートナーの熱意を受け入れるのが同期の仕事だと思った。何より、一緒に戦ってる気になれる。

自然と私も同期も同じことを感じていたのか、一体感もこの頃から増した。

ミーティングで高木並みに熱く語り合う同期が増え、

そして私も練習時間内に極力高木と話さないようにして、同期としての目線でなく、マネージャーとしてしか見ないようにした。そして練習が終わるといつも通り高木のボトルガムを勝手に食べ、勝手に部屋をちらかした。

そんな努力も実り、目標としていた箱根駅伝で優勝することができた。色んな話題も呼んだ。

その中で、何より嬉しかったのが、高木の頑張りがメディアに取り上げられたことである。

文字は読めないが許してほしい。

高木がどれだけ凄いか、どれほど影響をもたらしたか、これまでの紹介であまり書いていない気がするが、一番皆さんに知ってほしいのはここからだ。

高木は大手メガバンに就職し、順風満帆な社会人ライフを送る。

だが4年たったある日、突然彼は会社を辞めると連絡してきた。後輩神野大地のプロランナーとしての独立にあたり、専属マネジメントをすると言うのだ。

熱い人は、つくづく熱いなと思った。

素直に高木ならやれるなと思ったし、なにも心配はしなかった。リスクを背負いながら、今しかできないことに全力を注ぐ彼が羨ましいとさえ感じた。

まだ神野大地は目立った実績は残していないが、彼なら出来ると思う。人と違ったベクトルの努力をしている過程で、すぐ結果が出ないのは当然だと思う。

同期フィルターは多少あるが、頑張っている同期をみて応援しない訳がない。

スポンサーを必死に探す努力も、周囲から様々な目線で見られることも、自分が走れない辛さも、全て知っているからこそ、多くの人に応援してほしいなと思う。Twitterはお世辞にも面白いとはいえないが、多くの人に見てほしい。

https://twitter.com/iinorun?s=03

私の知る高木聖也という男の生きざまは以上になるが、これをみて応援したくなる人が一人でも増えることを切に願う。

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