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「三津家貴也」という男

 数年間、僕が勝手に連載スタートした「◯◯という男」シリーズが滞っていた。理由は単純であり、飽きたからだ。

 そもそもこのシリーズの構図として、ある程度皆さんに楽しんで頂きたいので紹介人物が「おまえ誰やねん」とならないようにしている。加えて僕の性格がひん曲がっている故、どうしても文章内でいじり倒してしまう。

そんな条件を満たしてくれる男がいたので、紹介しようと思う。

名前は三津家貴也(28)、早漏だ。

ご存知の方々も多いので何処にでも書いてあるような情報は省略するが、tiktokのフォロワーは48万人にも登り、YouTubeの登録者数も20万人を越えた。僕とは元陸上競技部という共通点はあるが、なぜ今の時代を生きている彼と、コーヒーを吸ったスポンジみたいな顔をしている僕(今年31)が仲良くなったか、まず説明させて欲しい。

出会いは2022年の6月、合コンであった。

 当時、大阪→東京に転職を控えていた僕は、大学の同級生(女性)から「私の友達にいい人を紹介してほしい」と依頼された。

「そもそも頼む人間違えてるぞ」という揺るがない事実はあるが、一旦置いて欲しい。

僕もいい年なので周りは皆結婚しており、かつ東京をしばらく離れていたので、まともな男を探すのに苦労した。が、以前noteでも取り上げた「神永よしき」というプロ独身同級生をまず誘うことにした。

女性側が3-3を希望していたため、もう1人必要だった。そんな電話をよしきとしていた所、ハッと思い浮かび、僕から提案した。「三津家ってやつ仲良いよね?誘える?そもそも合コンとか来ないよね。」

シンプルにイケメンがいたほうがいいだろう、という女性への配慮もあったが、インフルエンサーとしての活動で人気真っ最中の彼が、よしきと仲良しなのは知っていたため是非とも個人的に会いたいと思っていた所だった。

僕の誘いなんぞ断るに決まっている、と思いつつよしきに電話越しで依頼すると、10秒後くらいに「行くってよ」との返事が来た。

あまりにも速すぎた。一瞬という言葉を今使わずいつ使うのかという程、一瞬で。そもそも日程は確認したのだろうか。そもそも、呼んだのが誰か分かっているのだろうか。

 様々な憶測をよんだが、これが出会ってしまったきっかけだった。0次回のHUBで交わした濃いめのハイボールの味と、信じられないくらい爽やかな笑顔が、今でも目蓋の裏に焼き付いている。当日がどのような日だったかは、愚問であろう。

なぜ仲良くなったか、という点においては今から紹介する上で非常に大事になってくる。個人的には以下だと考察している。(本人無許可)

 ①家が近かった(徒歩20分)
 ②お互いの存在を元から知っていた
 ③趣味が似ている
 ④酒が好き
 ⑤仕事の話が好き


この5つの要因の、どれもが同じくらい僕たちの関係では重要であった。前回の夜を境に、暇さえあれば三津家とモスバーガーに行き狂う日々が始まった。出会って1年が経つが、今では合鍵を持ち、銀行の暗証番号も知っている関係に発展してしまった。故にやっと見えてきた良いところを紹介しようと思う。

まず一番最初に伝えておきたいのが、tiktokやYouTube等で見る三津家を見て皆様は「爽やか」「純粋」「真面目」とお考えではないだろうか。勿論、その通りである。

その上で、僕が一番尊敬できるのは「インフルエンサーとしてのプロ意識」だ。僕が夜遅くまで飲んで彼の家で寝てしまい、僕が起きた頃、彼は既に20kmを走り終え、ソファーで寝転びながら涼しい顔でエッチな動画を観ている。「さすがに明日の朝は走らんだろ」という程飲んでも必ず走っている。この異常さは一緒にいないと中々わからない。

 デブの僕はといえば、彼の姿を横目に何の努力もしていない空しさが日々込み上げてくる。そんなシーンは想像に容易いだろう。

 これはほんの一例だが、彼は目立ってる上で伴う責任、というものを四六時中全うしている。やはり彼の中で「カッコいいだけでは嫌だ」というプライドが常にあるのだ。

彼みたいな人間が隣にいることで、人間としての未熟さを常々思い知るため、僕はとても刺激になっている。まさにいい公私混同だ。

あとは常に「即断 即決 即行動」している。ある日、いつも通り彼の家に居候してるとき、何気なく「しくじり先生とか撮影したら面白いんじゃない?」とボソッと僕が言ってみたら、「それやりましょう」の声とともに、次の日にはYouTubeの撮影をしていた。僕のような呼吸をするかのように適当な発言をする男の意見を取り入れるなんてのは、中々出来ない。

その分、「嫌です」と言われることも多く、彼の家では僕の陰毛が落ちることを理由に、固くシャワーの使用を禁じられている。いつか目を盗んでこっそり浴びてやろうと思っている。
あとはトイレで大便をするのも禁じられている。これもいつか破ってやろと思っている。

最後に、「めちゃめちゃ熱い」ということを伝えて、締めくくろうと思う。本人の経験談でも語っているが、彼は人生をランニングに救われた要素がかなりある。正直、僕も彼並みにランニングを真剣に取り組んでいた過去があるが、ランニングの楽しさを伝えようとは思ったりしない。何故ならキツイからだ。

 僕みたいな理由でランニングを辞める人や、まだ楽しさを知っていない人は星の数ほどいる。そんな人達に楽しさを伝えようと思ったら、相当な熱量が彼の中で無いと伝わらない。プライベートのときも、マジでランニングの会話しかしない。正直聞くのが面倒で僕が白目を向いていることも多々あり、彼のランニングへの思いを完コピできる自信がある。ここまで裏表なく凄まじい熱量で伝えようとしてる人がいるなら、陸上競技の未来はひょっとして明るいんじゃないだろうか。

割とプラベートも知った上で、彼の気持ちを想像すると毎日のように「僕なら精神的に疲れて死んじゃう」と思ってしまう。何回も何回も同じことを同じ熱量で話す講義だったり、ランニングのイベントだったり、アホみたいな頻度で走るフルマラソンだったり、街中で声をかけてくれる人に嫌な顔せずファン対応を全力でやる姿だったり、僕だったら絶対できない。そもそも僕はデブであるため想像する権利すらないのだが。

今書き記したことは彼の追っかけをしている方々であれば皆気付いていることかと思う。だけど、近くにいる同姓の友達代表として、改めて伝えておきたかった。

 他にも、ここに書けない人間らしいところがたくさんある。媚を売るわけではないが、彼といると楽しい景色をみせてくれる。僕には何も出来ないけど、すごくこの1年間お陰で楽しかった。これからもずっと何も考えずに突っ走るアホな三津家でいてくれ。

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