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松本人志の駄作映画。水野晴郎、小栗旬、役所広司、桑田佳祐。

有名になって、自分の創作能力に酔って、悪い業界人が持ち上げて金出させてつくらせる。
さだまさしが28億円の借金作った事と比較したら、大したことではないか?



「死ぬほどつまらない…」芸能人が監督した最低最悪の映画(4)衝撃の駄作…まるで意味不明な独りよがりの世界。

text by 編集部 2023/06/19

北野武、竹中直人、劇団ひとりなど、映画の世界で花を咲かせる芸能人は数多くいるが、みんながみんな、彼らのような才能に恵まれているわけではない。今回は、芸能人が監督した映画ワースト5選を一挙紹介。俳優から芸人、果てはミュージシャンまで、映画業界に殴り込みをかけながらもあえなく散った5人を紹介する。

1.小栗旬『シュアリーサムデイ』(2010年)

大赤字…。人気俳優が監督した“おバカ映画”

俳優・小栗旬が27歳の時に監督した青春群像コメディ。キャストには、小出恵介や勝地涼をはじめ、小栗と親交の深い俳優陣が顔を揃える。

舞台監督の小栗哲家を父に持ち、ドラマに映画にCMにとさまざまな方面で活躍する小栗だが、映画監督だけはうまくいかなかった。詰め込み過ぎのテーマやちぐはぐなストーリーが酷評され、興行収入はおよそ3億円のと大失敗。それでも、超の付く売れっ子俳優からすればかすり傷程度だろう。

これに懲りたのか、その後、小栗は監督業からは身を引いているが、例外的に、鈴木亮平主演の『HK 変態仮面』(2013年)では脚本協力という形で参画している。イケメン俳優の彼だが、実は、少年マンガ風のバカバカしいストーリーが好みなのかもしれない。

さて、小栗はその後、国内の映画賞を総なめし、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(2022年)では主役を務めあげた。小栗が再びメガホンを取る日は来るのか―。彼の今後に注目したい。


2.役所広司『ガマの油』(2009年)

日本が誇る名優の監督作は詰め込み過ぎて意味不明…?

ハリウッドデビューも果たした名優・役所広司が監督したロードムービー。拓也役を瑛太、輝美役を小林聡美、光役を二階堂ふみが演じており、二階堂は本作が実質的なデビュー作となる。

本作の難点は、「詰め込み過ぎてテーマが曖昧」ということに尽きる。本作のテーマは、拓郎たちが拓也の死を受け入れる過程にあるはずだが、拓郎と拓也の親友だった秋葉サブローが森の中で熊と格闘するエピソードを挟んだり、途中で拓郎が子どもの頃に見たガマの油売りの夫婦を登場させたり、無駄に笑わせようとしてくる。

しかし、そのくせ本作では拓郎たちの心理など肝心なところが描かれない。加えて、拓也とサブローが親友になったいきさつや、サブローが少年院に入ったいきさつ、なぜ拓也が宇宙飛行士になりたかったのかなどは最後まで謎のままだ。

本作の上映時間は131分と比較的な長いが、蛇足なシーンが多く、長い上映時間がさらに長く感じられる。初監督作品にありがちな失敗といえるだろう。


3.桑田佳祐『稲村ジェーン』(1990年)

実は傑作? 隠れファンも…。
記録にも記憶にも残る音楽映画の迷作

サザンオールスターズのリーダー・桑田佳祐が映画初監督にして音楽を担当した本作。ヒロシ役の加勢大周は本作が初主演で、その後トレンディドラマで引っ張りだこになる。

バブル期らしく、ストーリーが希薄な本作。事実、多くの映画批評家から酷評され、桑田自身も「映画としてはイマイチだった」と認めている。

しかし興行的には大成功を収め、興行収入は18億3000万円を記録。サウンドトラックは約134万枚を記録するミリオンセラーとなった。

近年は再評価の動きも見られ、上島竜兵が有吉弘行と『上島ジェーン』なるパロディ映画を作ったり、ラジオドラマ『稲村ジェーン2021~それぞれの夏~』が放送されたりと、記憶と記録に残る作品になっている。

なぜこれほど賛否両論が激しいのか。それは、本作が物語ではなく、音楽や映像美で魅せる新たな映像作品だからだろう。本作が公開された数年後にはミュージックビデオ的な演出で日本映画に新風を吹き込んだ岩井俊二が長編映画デビュー。そういう意味では、時代を先取りした作品だったといえるかもしれない。


松本人志『しんぼる』(2009年)

凡人には理解できない?
天才芸人の頭の中を具現化した迷作

本作は、お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志による第二回監督作品。松本自身が主演を務めている。

非公式ながらカンヌ国際映画祭で上映され、興行的にも成功を収めたデビュー作『大日本人』から2年。「想像もつかない何かが起こる」というキャッチコピーの本作では、松本自身「93分間に思いを詰め込んだ」と自信満々にコメントし、数多くのメディアでプロモーション活動を買って出たが、前作の半分以下の興行収入で終わってしまった。

松本の作品の難点は、作品の設定やストーリーが独特でテーマやメッセージがまるで伝わってこないことにある。こと本作の場合は、「松本ワールド」全開で、“分かってくれる人だけ分かればいい”という松本のスタンスがより色濃く出ており、完全に観客を置いてけぼりにしている。

本作の後、『さや侍』(2011)、『R100』(2013年)と駄作を連発し、映画製作から身を引いた松本。今年還暦を迎え、引退もほのめかしていることから、再びメガホンを取る可能性は低いだろう。


水野晴郎『シベリア超特急』(1996)

名評論家の映画愛にあふれた”究極のB級映画”

本作は、「金曜ロードショー」(日本テレビ系列)の司会で知られた映画評論家の水野晴郎が、「MIKE MIZNO(マイク・ミズノ)」名義で監督した作品。監督のほか、脚本・製作・主演も水野自身が担当し、映画で5作、舞台で2作の計7作品が制作された。

日本ユナイト映画の宣伝総支配人を務め、映画評論界で名を馳せた水野氏だが、自らポケットマネーを投じた本作は素人同然の出来。役者の棒読み演技や論理性をガン無視した謎解きなど、おバカ映画にありがちな要素が散見される。

とはいえ、本作に見どころがないわけではない。随所にヒッチコックの『バルカン超特急』をはじめとした名画の引用が散見されるほか、何とか面白い作品にしようとする水野の気概が伝わってくる。また、ラストではとある仕掛けが発覚し、本作が水野自身の反戦メッセージを反映した映画であったことが語られる。

一部では「究極のB級映画」とされ、カルト的な人気を誇る本作。本作からは、映画をこよなく愛した水野のリスペクトがひしひしと感じられる。

終わり

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