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総括!アルベルトとは?

新潟での2年間の旅は終わった。
アルベルトが新潟で行ったサッカーはどんなものだったのか。備忘録として残す。


現実主義者

2年間を振り返り、私の印象として、アルベルト監督は徹底した現実主義者で論理的なチーム作りをする監督だということ。
メディアでのコメントや、やってるサッカーもボールを大事にするため理想主義者的に思われるが、結局2年間を振り返ってみれば、プロビンチャが持てる駒を活かすために戦略を練った印象が強い。


選手特性を見極めたチームビルディング

持てる駒は限られている。それが地方クラブの宿命だ。
得点力のあるフォワードもいなければ、スピードとサイズのあるディフェンダーも、パスセンスのあるミッドフィルダーもいない。
そんな選手層の中で、選手たちの短所が見えにくくなるようにチームを作る。これがアルベルトが行ったことだと思う。

まず、選手たちの短所を洗い出してみよう。
・スピードのないディフェンスライン
・クロスタイプでないサイドバック
・フィジカルで優位を作れない中盤
・高さのない前線

ただ、多くの新潟サポーターはこれらの短所を感じずにサッカーを観てたのではないだろうか?
それは、これらの短所を隠すようなサッカーをしていたからだと考える。特に、リスク回避の点で、ボールポゼッション時の約束事は徹底していたよう見える。

よく思い出してほしいのは、アルベルト監督一年目は試合毎に色んな戦術を試しながら、多くの選手を使い、ハーフタイムで戦い方を変えていた。
しかし、2年目はほぼ一貫して同じサッカーを貫き通した。その中で、かなり守備のリスク回避をするためのボール回しを行っていた。
これを洗い出すと
・ボランチを経由しないビルドアップ
・縦パスのリスク管理
・各駅停車のパス

ボランチでボールを奪われても、フィジカルとスピードで取り返せないから、真ん中にはボールを入れない。
縦パスも千葉やマイケルは入れることを許されていたが、堀米や藤原など中長距離のパスが苦手な選手には蹴らせず、ボールロストの可能性を少なくした。
また、全体的に中長距離のパスをできる選手が少ないため、基本的にはショートパス主体のポゼッションサッカー。
中長距離のパスミスをして、カウンターされた場合、スピード勝負できるディフェンスラインではないので、そこのリスク回避は徹底。

結果、60%を誇るボールポゼッションを誇った。

一方、ボールを握るためには、選手の成長は必要不可欠。多くの新潟の選手はアルベルトの指導されたことにより、体の向きやパスが向上し、ボール回しがスムーズになった。

選手層の見極めと、現実的なチーム作り。これがアルベルトのサッカーではないかと考える。


選手固定化と後半の札の少なさ

2年目は特に、スタメン選手の固定化は顕著だった。推測だが、アルベルト監督は自分の中で基準が明確にあり、それを超えてこないとベンチにも入れないタイプだと思う。
若手を育てるタイプと噂され新潟に来たが、結果的には三戸や至恩などクオリティのある選手は年齢関係なく起用されたが、基準に満たない若手を使いながら育てることはしなかった。それも含めて、スタメンとベンチは固定されがちになった。
それが遠因となり、シーズン後半戦は使える選手が少なく、交代で試合を動かす駒がなく、自身の首を締めていたように見えた。


チームが団結する応援しがいのあるチーム

アルベルト監督になって良かったことの一つに、サポーターが応援したくなるチームになったことがあると思う。
ゴール後のパフォーマンスやチーム動画を見てもチームが団結してる雰囲気をとても感じることが出来た。一緒に喜び、一緒に悲しむ。こういう集団を見ていると、サポーターも自然と応援したくなる。
この雰囲気を作っていたのは選手たちであり、監督のチーム作りだったと思う。

自分たちに誇りを持つこと。スタイルを継続する大切さ。

なによりアルベルト監督の残した一番の遺産はメンタル面だと思う。
自分たちのサッカーやアイデンティティ、故郷に誇りを持つこと。そして、自分たちを信じてサッカーを貫くこと。
メディアや試合インタビューで再三アルベルト監督が訴えたことで、新潟サポーターのメンタルは変わったと思う。


と、備忘録として残す。

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