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アルビ、J1折返し 〜風と共に去りぬ〜

J1昇格したアルビレックス新潟。
久しぶりのトップリーグは以前戦っていた時代とはうって変わり、インテンシティバリバリの目まぐるしく攻守が入れ替わるサッカーだらけの環境に変貌していた。

そんな環境にJ2で磨いた攻守がどれくらい通用するか楽しみでチャレンジした17試合。

楽しい試合もあれば、正直言ってただただ不甲斐ないプロ失格の試合も幾つかあった。

そして、圧倒的な個の力を発揮してチームを引っ張ってきた伊藤涼太郎との別れ。一年半の活躍で新潟だけでなくJリーグに大きなインパクトを残し、風のようにあっという間にベルギーへ去っていった。

そんな俺たちのアルビレックス新潟。
せっかくだから、シーズン半分を振り返ってみようのコーナー。

良かったところ

  • サッカーの継続性

兎にも角にもこれが一番。アルベルトが作り上げたポゼッションサッカーをJ1の場でも折れることなく披露した。
ポゼッションサッカーをやり続けると選手がこんなに成長するんだと実感したここ数年。堀米然り島田然り、若くなくてもチームが同じ絵を描くことができると、こんなにもやれることが増えてくるんだと感じた。
それをJ1でもできたこと。
守ってカウンターしてのサッカーもわるくないが、それは選手を疲弊させ、サッカー選手としてのポテンシャルを伸ばすことは出来ない。
新潟みたいな資金力のないチームがビッグクラブのように選手を切り捨てる駒扱いするような縦ポンサッカーでは持続的ではない。
ポゼッションサッカーをやり続けたから、至恩と伊藤涼太郎がすごく成長して、その結果海外に送り出せた事実がある。
これをやり続けないといけないから、J1でも信念は曲げてはいけなかった。その点で継続性があることには満足している。

  • 問題に直面しているところ

シーズン開幕数節は相手のプレッシャーでまともにボールを繋げなかった。
ここ数節はボールを持たされて、ハメられてる。
そのような種々の問題点がある中、ポジティブに捉えれば、「早めにわかってよかったね」ということ。
思ったよりはやく相手が新潟を意識した対策を練ってきてた。
同じサッカーをやり続けるメリットはノウハウが蓄積されていくこと。もちろん、J2時代も新潟対策を攻略できないことがあったけど、長い目で見ると攻略は出来てきた。
同じように、今は苦しむことはあるが、段々とノウハウが溜まっていき、解が出てくるかもしれない。
残留のために、後ろを固めて前にボールを蹴るサッカーをやっていては、このメリットは享受できない。
J1の幾つかのチームはその後ぺんぺん草も生えないようなその場しのぎのサッカーをやっているように見える。それらのチームと比べれば、信念のあるサッカーをしている新潟は幸せだと思う。

  • 通用する選手、しない選手

J2の戦力をほぼそのまま残留させて挑んだ。その中でも伊藤涼太郎や高、小島など通用する選手とそうでない選手はハッキリとした。
J2でこのくらいのレベルならJ1だとこうなるなみたいな基準もわかったと思うので、あとはフロントがうまく戦力を整えるだけだと思う。
これもポジティブに捉えれば、J1に出た選手であればJ2レンタルへも出しやすくなるし、もしかしたら少額の移籍金ありで出せるかもしれない。


悪かった所

  • 采配

これが一番の問題。正直、松橋監督に戦術的な引き出しは期待していなかったが、それにしても選手選考も含めて戦術で負けた試合が幾つもある。
コーチ陣は敢えて選手に課題を与えるために片手落ちの戦い方を強いているのかと思うほど。
ちゃんとした戦略と戦術の上で選手をプレーさせることがコーチ陣の仕事だし、その点で毎試合100%を出せる状態にしているようには見えなかった。


  • つまらないプレーの多さ

一言で言えば自滅した試合が多すぎる。名古屋、ガンバ、横浜FC、京都、柏、湘南。
他にも正面から戦って力負けしたのは浦和戦くらい。浦和戦みたいに何もできなかったけど力負けして負けるのなら、いくらでも負けてもいい。
でも、自分たちのつまらないプレーや監督の戦術で落とした試合が多すぎる。
ぶつかって負ける土俵でもない。まずは、負けるにしても相手が上手かったと思えるくらい、自分たちは可能な限りパーフェクトに戦うことは、シーズン後半戦で一番求めたいところ。


総括

悪くはない。全体を通してみればJ1昇格したばかりのチームが勝ち点17で、降格圏と勝ち点差5をつけて折り返した点で見ればポジティブだろう。勝った試合も川崎やマリノスといった強豪相手に自分たちの色を出して戦って、尚且つ勝利を収めたことを考えれば、及第点以上の出来と言ってもいい。

一方で、下位を争うチームとの対戦で尽く相手にポイントを与えたことは今後に響くかもしれない。
新潟というチームは選手をうまく成長させなければならない一方で、残留もし続けないといけない。その直接の残留を争うチームとの戦い方は本当にそれでいいのですか?とフロントには問いたい。

いずれにせよ、シーズンが終わったときに後悔しない戦いをして欲しい。
最近のような試合が続いてしまっては、後悔してもしきれない。

笑って終れることを目標に、一試合一試合を全力で戦って欲しい。

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