荀子 巻第五儒王制篇第九 16 その2
まずは、前回のおさらいです。
王者には王者の、覇者には覇者になるための具(備え・用意)が必要。
大国を治めるのにも、大国となるための備え(威勢・名声)が必要である。
国の安危臧(善)否、王・覇・安存・危殆・滅亡の要因は他者にはなく自分にある。
功名をなし、聖天子となるには、楽しみ且つ真心から行動を起こさなければならない。
ということで、今日の読書開始です。
意味調べです。
縦横→③思いのままに振る舞うこと。また、そのさま。自由自在。
偃然→やすらかな様子。
拙訳です。
『(威勢が)盛んな日々においては、偏ることなく中立を保ち思いのままに事に当たり、安らかにして兵を留めて動くことなく、暴国同士が戦うのを傍観する。』
「殷(盛)んなるの日」は、何が殷(盛)んなのかを
考え、前回勉強した内容から「具」の中の「威彊(威勢)」であろうと判断しました。
政教→① 政治と教育。政治と教化。
節奏→音楽のリズム・拍子。音楽のほどよい調子。
審らか→くわしいさま。物事の細かいところまではっきりしているさま。
専らにする→ひとり占めにする。ほしいままにする。
拙訳です。
『つまり政治と教育を平等にし、音楽の拍子の細かいところまではっきりさせ、民衆を励ませば、これを実行したあかつきには天下の強兵を独り占めにできる。つまり仁義を修め、礼義を尊んで法律・規則を正しくし、賢良な人を選んで民衆を治めさせれば、これを実行したあかつきには天下の名声を独り占めにできる。権は具(備わったもの)を重くし、兵は具(備わったもの)を強くし、名声は具(備わったもの)を美しくする。』
「節奏」という言葉、音楽のリズムという意味らしいのですが、唐突な感じで解釈に悩みます。拍子を整えることで軍隊行動に規律・統一ができ強兵となる、というのはこじつけですね(^^;
「権はこれを重くし、兵はこれを勁くし名声はこれを美にす。」の「これ」が何を指しているのか、理解不十分ですが、前回勉強した「具(備わったもの)」としました。以上をまとめると以下になります。
王者にあるべきものが備わった時は、中立で自由な対応ができる(権力を持つ)。
王者にあるべきものが備わった時は、天下の強兵を独占できる。
王者にあるべきものが備わった時は、天下の名声を独占できる。
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