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≪intermission⑨≫ 様々な人間が集まる場所、図書館

                          2005.8.13記録

以前勤務していた図書館。新しく大きく新築される前はかつてどの自治体にもあった小さな部屋の公民館図書室という施設でした。
 
今回のこの記録を書いた当時(約19年前です!)、
町の図書室に勤務し始めてから3ヶ月半、少しずつ慣れてきました。
 

ただそこのPCが古いタイプ…というか、最近の図書館ってPCを導入しているところは、バーコードでの作業ですよね。しかし我が図書室は、せっかくPC使っている割には打ち込みで手作業です。(あくまでも当時のことです)
だからPCなのにちょっとした打ち込み違いでミスもあり…。
カードでの貸し出しのほうが案外ミスがないかもと思ってしまうほどです。
 (すみません、単なる愚痴です)

でもそんな中でも蔵書の内容など調べるときは、さすがにPCの利便性を発揮してくれはしますがね。
 
そんなことより気になるのは借りにくる利用者が、いろんな人がいるってことです。
当たり前のことだけど、改めてそう感じます。
 
返された本を見ると、落書きや破損していて、そういうことやってしまったことなど気にすることなく返却しに持ってくる人もけっこういらっしゃいます。
 
先日など子どものシールが貼ってあるのにはびっくりしました。
返却期間が何ヶ月すぎても連絡もなし。
こっちから返却願いの電話をかけると、「現在使われておりません」の音声案内がながれるという切ない状況に呆れました!
すでに引っ越しているよね!
そのまま図書室の本をもってっちゃったのかしら!?
 
もちろん、そういう人ばかりではありません。
それとは逆に、たった1~2日延滞しただけですごく申し訳なさそうに返却に来て謝っていく人もいらっしゃいます。
「いえいえ、そんな…何年も返しにこない人だっているんですから、そんなに恐縮しないでください」って言ってあげたいくらいに。
 
また、図書室は飲食禁止なのに子どもがガムでも噛んでいたのでしょうか?床にガムの食べかすがくっついていてなかなか取れませんでした(泣)。
 
先日は、すっごい強面の男性(短髪のチリチリパーマにサングラス、チェーンのネックレスで見るからに怖そうなお方でした)が入ってこられたので一瞬身構えました。(ちなみに当時は、三人スタッフで一人ずつ勤務交替と言うシフト制でした…ちょっと怖かったのは事実)

しかしその方、幼い子どもづれでいっしょに絵本を一所懸命選んでいらっしゃるし、受付カウンターでは順番を他人に譲るという意外な方でした。
「こんにちは」「ありがとうございました」「失礼します」などのあいさつもちゃんとされていましたよ。
 
人を見かけで判断した私の愚かさを痛感しました。
そうかというと、おばさまや若い女性で何も言わず黙って借りていく人もあり。
(別にね、何か言わなくちゃいけないってことはないんだけど…、せめて“こんにちは”くらい言ってもいいのではないかなと思ったわけです。だって、すごく狭い部屋で一応面と向かって対応しているんですから…)
 
本当に人間ウォッチングが楽しめるみたいです。
人と接触が多いといろんな社会が見えてきますね。

さて、以上はまだ規模の小さな図書室での様々な利用者を観察しての感想でしたが、その後大きな図書館に変わったら変わったで利用者の数も増えたことにより、利用者のタイプも少し違ってきました。
 
明らかに理不尽なクレームを言ってくる人もいれば、特定の司書目当てに来館する方(見るからに下心アリの人も!)もいらっしゃいました。
ここに書けないようなことをなさる方もおられたり、そのようなちょっと変化球を投げてくる方々への対応を会議で話し合ったりもしました。
 
小さければ小さいなりの、大きければ大きいなりの規模に応じたいろんな人間が集まる公共施設で働くのは気も使いますし大変ですけれど、社会勉強と思えばいい体験だったなと今なら思えます。
 

近頃“カスハラ”(カスタマーハラスメント)という言葉も出現しているようですが、どうやら東京で防止条例みたいなものもできるとか。
あまりに極端なクレーマーさんたちが増えているということでしょうね。
それって、商業施設だけでなくて公共施設でも当てはまるのでしょうか…?
 
東京だけでなく、地方にもこの動きが広まってくれればいいなとニュースを見て真剣に思いました。
 
(以前の記録に、新しく今回加筆・修正しています)

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