〈クリームコロッケシリーズ〉
・カニ爪入りクリームコロッケ
・カニ味噌入りクリームコロッケ
・オマール海老の爪入りクリームコロッケ
・オマール海老のクリームコロッケ
（素材のちから第44号より）

文・撮影／長尾謙一　
料理／横田渉　

これは誰にも真似できない、唯一無二のクリームコロッケと言える。

加工技術の開発力と原料の品質の高さにカニ屋の本気を見た
今回ご紹介するクリームコロッケは、カニの町として知られる鳥取県の境港市にある友田セーリング（株）でつくられている。タラバガニ、ズワイガニ、紅ズワイガニを原料にした専門性の高いカニ加工品や〝蒸気の技〟という独自の加熱技術を使った水産加工品を製造販売するメーカーだ。

〝カニ屋が本気で作った極上クリームコロッケ〟というのはちょっと大袈裟な表現かもしれないが、その加工技術と使う原料の品質を見るとその本気度がよく分かる。

まず、紅ズワイを使った「カニ爪入りクリームコロッケ」、「カニ味噌入りクリームコロッケ」に入っているカニの身は通常ボイルした身を使うが、友田セーリングでは自社開発の蒸気の技によるスチームシステムでカニを蒸して使う。

ボイルするとせっかくのおいしいカニの旨みが流れ出て失われてしまうからだ。スチームで蒸すカニは旨みが失われずジューシーなのだ。少しでもおいしいものをつくるために努力を惜しまない。

「カニ爪入りクリームコロッケ」に使うカニ爪も一個一個丁寧にカットしたものを使う。さらに、カニ味噌は、スチーム加熱することでくさみを抜いてコクを出している。これを加えることで「カニ味噌入りクリームコロッケ」ができあがる。このようにカニ屋として持っている原料と技術のアドバンテージはかなり大きい。

さて、次にオマール海老のクリームコロッケだが、なぜカニ屋なのにオマール海老なのかと思われる方もいると思う。

しかし、カニ屋にとってはタラバガニも、紅ズワイガニも、オマール海老も身質の違いこそあれ大型甲殻類として同じノウハウが使えるのだ。

「オマール海老の爪入りクリームコロッケ」と「オマール海老のクリームコロッケ」には、オマール海老の内子入り味噌と生の身を加えている。加熱していない〝生〟の原料を使うと風味が上がる。

しかし、ご存じの通りオマール海老は高級食材なため、クリームコロッケにその高い価格の身を入れることはコスト面からは難しく、肩の生の身を使うことで工夫している。

そこで、カニ屋はこれを独自の発想と技術でクリアした。コストが抑えられるオマール海老の生の肩肉から自社工場で〝生〟の身を絞り出して使う。さらにここにコクのある内子入り味噌も加えるのだ。

こうして唯一無二の〝カニ屋が本気で作った極上クリームコロッケ〟ができあがる。その発想力と技術力、そして実行力に驚いた。このクリームコロッケはきっと誰にも真似できないだろう。このおいしさを、ぜひお試しいただきたい。

〝爪入り〟と〝俵型〟、メニューに合わせて使い分けたい。

●カニ爪入りクリームコロッケ

カニ爪入りのクリームコロッケはつまんで食べるフィンガーフードに
こだわりのベシャメルソースに紅ズワイガニのスチームミートを加えてつくるコロッケに、カニ爪を付けたクリームコロッケ。爪をつまんで食べられるため、洒落たフィンガーフードとしてオードブルなどに最適だ。

●カニ味噌入りクリームコロッケ

カニ味噌の濃厚なコクと香りが加わりベシャメルソースがリッチに
ベシャメルソースにコクのある紅ズワイガニの味噌とスチームミートを加えてつくるカニ味噌入りクリームコロッケ。コクのある味噌が加わった濃厚なカニクリームは、香りも増し〝カニ感〟を満足させてくれる。

●オマール海老の爪入りクリームコロッケ

オマール海老の爪を持つクリームコロッケは皿の中で存在感が抜群だ
カナダ産オマール海老の肩肉から絞り出す生の身と味噌を加えてつくる贅沢なオマール海老のソースで、爪付きのクリームコロッケに。爪をつまんで食べられるため、洒落たフィンガーフードとしてオードブルなどに。

●オマール海老のクリームコロッケ

オマール海老の生の身と生の味噌が独特の甘みと旨みを際立てる
カナダ産オマールの海老の肩肉から絞り出す生の身と味噌を加えてつくる贅沢なオマール海老ソースでつくるクリームコロッケ。なめらかなソースの中にオマール海老の濃厚な甘みと旨みをたっぷりと楽しめる。

協力／お問い合わせ：友田セーリング株式会社

（2022年3月31日発行「素材のちから」第44号掲載記事）

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