見出し画像

台湾ドラマの今と昔

 かれこれ、台湾ドラマを見始めてから3年以上が経ちました。その中で、マイペース視聴&途中離脱多数ながらにも、様々な時期・ジャンルの作品も見る中で感じたことがあったので、今日は自分なりに調べたこと、感じたことを交えながらその歴史を振り返りたいと思います。

台湾ドラマの始まり

 そもそも、台湾ドラマの歴史はいつから始まっているのかと考えると、実際には20世紀後半から制作はされていたのですが、一般的には「流星花園(花より男子)」がスタート地点と考えられているように思います。
本格的な制作開始当初は、出演者の多くはアイドル・歌手と兼業で、初演技・初主演というケースも多く存在しました。
予算不足から、セット製作のコスト削減のため、ロケが中心という撮影スタイルで、衣装は出演者の自前といったことも。
スタッフ・出演者共に、経験不足ゆえか、演技・撮影技術は未熟な部分も多く、雑音が大きすぎてセリフが聞こえないこともありました。
また、日本の漫画原作の作品が中心で、オリジナル脚本はまだまだ少なめ。
そんな状態が続いたのが2007年頃までかなと思います。

台湾ドラマの充実期

 しかし、スタッフ・出演者双方の技術向上ゆえか、2008年頃からヒット作連発。「ハートに命中100%」「敗犬女王」「秋のコンチェルト」といったオリジナル脚本で高視聴率を獲得する作品もどんどん増えていきます。
2008〜2011年頃の台湾ドラマは、全部見切れる気がしないくらい人気作品が多いです。台湾ドラマ初期から活動していた人気ある出演者に、よく練られた脚本が加わったことが大きな要因なのかなと考えています。

台湾ドラマの低迷期と復活の兆し

 ただ、その状況は長く続きません。というのも、力のある俳優たちが次々と大陸に活路を見出していくようになったからです。
台湾国内は人材不足に陥り、脚本もややマンネリ化。再び、低迷期に陥ります。
(もちろん面白い作品がないわけじゃないですよ!)
 
 しばらく続いた低迷期に風穴を開けたのが、2016年の「植劇場〜QSeries〜」。新たな人材発掘と充実した脚本をテーマに、8本のドラマを制作。「恋の始まり 夢の終わり」や「お花畑から来た少年」など日本で好評を博した作品も含まれ、まさに荒んだ台湾ドラマ界の土壌に新たな種をまき、新芽を芽生えさせるような効果をもたらしました。

今の台湾ドラマに思うこと

 そして、2024年現在、台湾ドラマは再び充実期にあると感じています。
「時をかける愛」や「悪との距離」のヒット、Netflix等を通じて国際的に評価される作品も増えました。
大陸を中心に活動していた人気俳優の台湾復帰や、新人俳優の台頭によって人材不足も解消されつつあります。
作品の雰囲気もかなり洗練され、恋愛ドラマ一辺倒だった以前の状況と比較すると、より多様なテーマが取り扱われるようになりました。
私は、この状況を好ましく思うと同時に、少し寂しく感じる部分もあります。

 かつてのアイドルドラマは、全体的には荒削りながらも、なぜか心に引っ掛かり病みつきになる、そんな不思議な魅力がありました。うまく言語化できないけれど、台湾ドラマにしかみられない独特の雰囲気もあったように思います。

でも、今のドラマは作品の質が大幅に向上した代わりに、よく言えば普遍的、悪く言えば無個性になったように感じています。
もし、セリフが吹き替えしてあれば、韓国ドラマや日本のドラマと言われても納得してしまうような感じです。
(もちろん全ての作品がそうというわけではありませんが)

思えば、「秋のコンチェルト」あたりが台湾らしさとボーダーレスな魅力が最も漸近していた時期だったのかもしれません。
今の技術はそのままに、もう少し台湾ならではの作品が増えたらいいなと、いち台湾ドラマファンとして思っています。



サポート頂けましたら、語学のスキルアップに使わせて頂きます!