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自分の仕事で世の中が本当に幸せになっているのか?

かつてエンジニアだった自分は、こんな問いがきっかけで『宇宙教育』を始めました。

バブル絶頂期の話

1989年にエンジニアの仲間入りをした。ミュージシャンの役に立つ機材を開発するという仕事。とにかく毎日が楽しかった。自分が設計する回路。いい音するじゃん!お客さんが喜んで使ってくれる便利な道具を作り出していくのが楽しくて仕方なかった。

おそらく世界中のエンジニアが同じような感覚で仕事をしているのではないでしょうか?まあ、楽しさはともかく、便利なものを作り出していく仕事がエンジニアの使命だと思うでしょう。

「でも本当にこれだけでいいのか?」昭和、平成、令和と時は流れ、家庭を持ち、子どもを授かり、育てていく中で、ふと考えることがありました。

いまの子どもたちは、心の底からワクワクを経験しているのか?

中学時代、技術科の授業で作ったワイヤレスマイクに心動かされ、農家の長男がエンジニアを目指す動機となった。小さい頃から壊れたテレビを分解したり、アマチュア無線をやろうとしたり。なんだか、魔法の箱の中身や大人が楽しそうにやっているちょっと難しそうなものに憧れていた。小学4年生くらいの頃かな。内緒で申し込んだアマチュア無線講座。届いた教材に親が腰を抜かし、あんたには無理!って、あえなく教材は送り返されたな。

でも、こんなドキドキワクワクするような、でもちょっと悔しい経験が、いまの自分をつくっています。

で、先ほどの問い。いまの子どもたちは、心の底からワクワクする経験ができているのか?

例えば、ゲーム機が壊れた。お父さん直せますか? いやムリ。ケースを開けようにもネジが見当たらない。中を見ても黒いゲジゲジが並んでいるだけで、手も足も出ない。それよりも、子どもたちはゲームがやりたいので、新しいのを買った方が早い。嗚呼、真空管をいじっていた頃が懐かしい。でも、難解な世の中だから、そうせざるを得ない。

不自由なく、いろいろと楽しい体験ができる時代。やってみたいと思ったことをさっと始められるし、すぐに止められます。わからないことがあっても「便利な箱」に聞けば、なんでも教えてくれるし、何を始めるのも、そんなに不安を感じないでしょう。

いや~なんとも便利な世の中になったものだ。俺たちエンジニアは、とても素敵な仕事をしてきたぜ! と誇らしいです。

でも、本当にこれでいいのか?

便利さに慣れてしまうと、苦労しなくても自分のやりたいことが、すぐにできる。別にそれは否定しない。でもね。どこか不便さがないと、その先を生み出す動機が出てこなんじゃない?

いまの子どもたちを見ていると、そんな風を感じることがあります。みなさんどう思いますか?

宇宙教育の話をすると、大抵の人がこう言います。

「宇宙」ですか? 夢があっていいですね~  私)はい、そう思います。
「宇宙」はロマン!でも自分には関係ないよね。 私)はい、そうかもね。

でもね。子どもたちにとってはドキドキワクワクの宝庫。そしてリアルに超不便で超不安な世界。その分、挑戦できるフィールドが無限に広がっている。そんな世界があることをもっともっと見せてあげないと。

宇宙を特別なものにするのではなく、宇宙を当たり前にする。そして色眼鏡を外してみれば、いま地球で現実に起こっている本当に考えなければならない課題がもっと見えてくるのではないか。

宇宙が好きで憧れるところからもう一歩踏み込んで、宇宙を舞台にして何かに挑戦したい。それは自ら宇宙空間へ出ていくだけではない。ロケットや人工衛星を打ち上げるだけではない。もっともっと挑戦できる何かがあるはず。

私が思い描く宇宙教育=宇宙【で】教育は、そんなことを実践する活動だと思っています。もちろん正解はありません。この活動自体も試行錯誤しています。

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「宇宙教育」って何モノ?

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