5 旅立ちの時
✴︎ ぼく
「はい、君、こっちへどうぞ」
真っ白で長いヒゲを生やしたおじいさんが手招きしている。
ぼくは走って近寄った。
おじいさんは大きな水瓶を抱えていて
中に光る玉がゴロゴロ入っているのが見えた。
ぼくは覗き込んだ。
「すごく綺麗な玉だね。ぼくにもちょうだい!」
「もちろん!そのために君はここへ来たんだから。」
そう言っておじいさんは水瓶を傾けた。
光の玉は大きさも輝きも色もバラバラだった。
「これは星の欠片といってね、
今からきみが旅立つ世界の地図みたいなものさ。」
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