見出し画像

60代からのエッセンシャルワークの始め方!

令和6年1月の有効求人倍率は1.27倍で、労働力は売り手市場である。全国的に人手不足が生じているわけだ!

60代の働き方としても、この環境を上手く利用した、多様な生き方が可能となる。

まだまだ働き盛りの60代、勤めていた会社で引き続き責任ある立場で、あるいは逆に責任者としては身を引いて、サポート役として引き続き勤務を続ける人。

人間関係や経験を活かし、職場を変わる人、自分で仕事を始める人もいるだろう。

金銭的に余裕のある人は、仕事のことは全く考えずに、趣味や、今までやってみたかった、全く違った世界に挑戦する人もいるのかもしれない。

新たなライフワークバランスのなかで、本当の意味で働き方改革を行うことができるのは60代なのだ!


働くことの固定概念を変えよう

「ふくぎょう」には、「副業」と「復業」二つの書き方がある。

「副業」は、メインとなる仕事とは別にサブ的な収入源を持つこと。一方「復業」はメインだとか、サブだとかの切り分けをせずにいくつかの収入源を持つことを指す。

働き方改革で、多くの企業は残業を減らす傾向にある。そこで、時間に余裕のできた者が、いくつかの収入源を持つのは当たり前の時代になった。

60代で、時間の余裕のある世代は積極的にこの考え方を取り入れるべきであろう。

現在は、パソコンや、スマホを使い、web上で完結する仕事も多くある。

しかし、人手不足で求人の多い今だからこそ、違った環境で、新たな出会いや業務を体験することで、人間の幅を広げるチャンスなのだ。

求人が多いのは、エッセンシャルワーカーと呼ばれる顧客と直接関わりを持つ業務である。具体的には、介護などの福祉業務、医療関連業務、接客業、運送業。などがこれにあたる。

また、土木や建築関連の人手も大きく不足している。

逆に、求人率が低いのは、いわゆるホワイトカラーと呼ばれる事務系の仕事である。

介護施設での貴重な経験

医療関連の仕事は資格の必要なものもあるので、条件は狭くなるかもしれない。

しかし、福祉関係は、資格が必要なものもあるが、多くは資格がなくても、内部研修さえ受ければ、勤務可能な仕事が大半であるので狙い目だ。

働きながら、資格習得が可能にもなるし、それを目標にもできる。

僕は、50歳半ばで今まで経験のなかった、介護施設で3年間アルバイトをした経験がある。

長年温浴自業の運営に携わっていた。施設運営の立場から、新規施設の企画や運営を行っていたのだが、その経験を活かし、温浴事業向けのコンサルタントとして独立した。

独立して、時間的な余裕もあったというのもあるので、この機会に、「介護施設と温浴事」「高齢者と温浴事業」の観点から、介護業界の実態を学んでおきたかったという理由もある。

最初の1ヶ月は、研修として昼間の勤務を経験させてもらい、さらに、夜間勤務の補助要員として、夜間勤務の担当者に1ヶ月ついたのちに、自分の担当を任された。

20名の入居者を土曜の夜の担当者として業務を受け持ったのだ!

未知の世界であった。子供もいないので、50半ばまで赤ん坊のおむつ交換すらしたことがなかった男が、一晩で何人もの高齢者のおむつ交換を行い、下の世話をした。

認知症の人と接したこともなかった。全く意思疎通ができない認知の老人が、夜中に意味もなく施設を徘徊するのを見守った。

大変だった、だけど実に多くのことを学ばせてもらった。

人は生きているから、食事もするし、排泄もする。正しい排泄は生きている証でもある。そこに一人一人の命がある。

意味もなく、徘徊する人はいない、そこにはしっかりと、その人なりの意味があった。

高齢者となる実態、それをサポートすることの意味、そして、この国が抱えている問題を理解した。それを知らずに年をとるのと、そうでないのとでは大きな違いがある。

本業の温浴のコンサルタント業務でも、そこを踏まえた未来の経営方針の提案など、幅が広がった。本当に大きな学びであった。

僕が経験した仕事は、夜間で、一人で20人もの人を受け持ち、体力的にはややきつかったかなとは思う。

でも、昼間の仕事てであっても求人は多くあるようだし、慣れれば夜間であっても、60代の体力なら十分対応できるだろう。

接客現場から60代の働き手への提言

サービス業、特に接客業も人員不足が深刻である。

マクドナルドでは、60歳以上の求人を積極的に行っていることは有名だろう。若い人材に混じって、多くの中高齢者が現場に立っている光景を目にしたことのある人は多いと思う。

彼らの丁寧な接客は悪くないし、結構評判は良いようだ。

さて、僕のフィールドである温浴事業においても接客の要素は大きい。人と接する仕事に苦手意識を持つ人も多いようだが、接客業ほど面白いものはないと僕は考えている。

業務をこなすのではなく、一人一人の人間を観察するのだ。実にいろいろな人がいることに気づくだろう。感じの良いお客様もいれば、極めて不遜な人もいる。

そんな人たちを、どうやって笑顔にするかを自分に課した命題として楽しむと良いだろう。

もちろん、忙しく、しかも慣れないうちはテンパってしますこともあると思う。そんな時はゲームの対象が変わる!どう対処するか、それは自分との勝負である。そして、そのゲームを楽しむのだ。

実際、今現在お手伝いをしている温浴施設や、温泉旅館なども、人材不足が悩みの種である。地方の施設では特に顕著であり、外国人労働者を斡旋業者を通じて受けいれる場合も多い。

それは、それで一つの解決策だろう。しかし、ことばの通じない彼らより、日頃施設を利用してくださる、現役引退世代の方をヘッドハンティングしてはどうかという提案は必ず行う。

客としていつも利用する自分のホームグラウンドのお風呂屋。その手伝いをすることに、面白さを感じる人は少なからずいるからである。

積極的に知らない世界を体験してみよう

人口統計学上、この先の人手不足はしばらく解消しない。今の60代が、生きている間はそれが続くだろう。

そして、60代のイメージは昔と違う。ここから20年、80代のイメージを変えるもの、今の60代である我々の使命だ。

考えてみよう!もし今、40歳に戻れるとしたら、一体何に挑戦するだろうか?

幸いにも今は、いろんな仕事が、あなたを必要としている。チャレンジするにまだ遅くはない。

空前の人手不足を大いに利用して、今までと違った人生を歩むのも悪くはないと思う!

人材が足りていない世界を垣間見て、今までにない体験に挑戦してみる。どうせ、人生は一生勉強だ!

60代、新しい季節を楽しもうではないか!

この記事が参加している募集

仕事のコツ

with 日本経済新聞

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?