第4期脱落塾生による現在、脱落しかけてる塾生へ送るメモ

このタイトルでわざわざページを開いた塾生の皆さん。

今、ツライですか?課題が出せてないですか?講義に参加出来ていないですか?

私も通期にかけて、課題を出せたのが2回。発表したのは1回。という紛れも無い脱落塾生でした。全24回中ゲスト講師の回は12回もあったのに。

他の塾生が眩しくて恥ずかしくて、一度も飲み会に出られませんでした。

※「全然出席出来てないけど、編集界隈の人と話したいから飲み会に行きたい!」と言う方は少なからずいると思います。(人間は強欲ですね。)

そんな方々はひどい状態でも課題は出しときましょう。飲み会での居たたまれなさは多少、解消するかと思います。

約1年間、129,000円も払って何やってるんだ〜!という声が(主に実家の方面から)聞こえてきそうですが、良いのです。とりあえず良かったのです。

※ちなみに、自分の意識が高い時、頑張れる時はこのnoteの最初にある石川さんの「ここは思い出作りの場所ではない」の記事を読み続けましょう。私もあのレベルまで到達したいです。

あくまで、このノートはあーもうダメだーと13万円をドブに捨てようとしてる塾生のためだけに書いてるので、出来る限り読まれずに塾生の皆さまには高みを目指して欲しいです。

さて。今、ツライであろう皆さんがやることはたった一つです。

この塾に身を放るほど、「考えること」が好きな自分を褒めましょう。周りは誰も褒めてくれないでしょうが、あなたは立派です。立派な贅沢者です。

「編集」と言う「考えること」に大量の時間と少なくないお金を割こうとしたあなたは贅沢者の素質を十分に備えていますので、あとは贅沢をいかに満喫するかを知るだけです。

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わたしは、この塾をリハビリとして始めました。

本業は「編集」とは全く関係のない通信研究所関連メーカーの営業です。

強い好奇心のはけ口として、ライターやらモニターやらを日々の細やかな楽しみとしてしていたのですが、某グルメサイトでの企画・連載が始まると状況が急に悪化します。

毎週、PV数が載ったExcel表が更新され評価されるようになり、編集者から記事の指摘が入ります。

PV数で自分の考えが評価される現実。自分が面白くないと突き付けられる現実。これらをしばらく繰り返していく内に、わたしはすっかりモノが書けなくなっていました。面白くないと評価されることがすっかりトラウマになったのです。

編集塾の課題を出せなかったのも海外出張や資格勉強などを言い訳にしてたけれど、本当はこのトラウマのせいです。考えるけれど、考えを形にする過程で心が挫ける。こんなの誰も面白いなんて思わない。そういう思いが私に刷り込まれていました。

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しかし、わたしは「考えること」だけはなぜか止められません。毎週出る課題、とりあえず資料収集などやることはやります。それでも、出せなかったのは、周囲の目、他人の評価を気にしていたからです。

しかし、ある時思ったのです。

この編集塾は人生の余剰分で成り立っているのに、何を恐れているのだろう、と。

編集塾にいる生徒及び講師の方々は皆、この塾で生計を立てているわけではありません。生きるために必要な仕事ではなくて、生徒側なんて、13万円も払っている酔狂な人たちですし、みんな、この塾に携わらなくても生きていけます。

講師側を見ても生徒側を見ても、この塾は人生において余剰分なのです。けれど、生徒側も何とこさ必死に課題を出してきますし、講師側も超絶多忙な中、この塾に出て下さいます。

必要でないことに一生懸命になれる。

これは特上な贅沢だと思います。

菅付さんが言っていた「思考実験の場」と言うのはそういうことも含まれていたと思います。

仕事であったら、クライアントの意向や予算やロケーションなど考えてコンサバにならざるを得ないことがたくさん出てきます。

だけど、編集塾は仕事ではありません。

制約に縛られませんし(面白いものを作るときに縛りは必要だけれど)、思考に失敗して、メインストリームで超一流として働いてるゲスト講師の方々に酷評されても、今後の仕事での身の振り方など心配しなくて良いのです。

ここは、特上に贅沢な余剰な場ですから。

時間とお金を払ったおかげで、私たち塾生には、超一流のゲスト講師と面白い塾生と必要でないことを存分にそして必死に「考える」という贅沢をすることが許されているのです。

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この贅沢を自分の糧にするには、「考える」だけでなく、「考える」と「形にしていく」ことを続けていかなくてはいけないとも思っています。

『Outliers(天才!成功する人々の法則,マルコム・グラッドウェル著)』では、どんな才能や技量も、10,000時間練習を続ければ「本物」になると「一万時間の法則」を説いていますし(この塾に通ったとしても一年では全然足りないですけれど)、

『GRIT(やり抜く力,アンジェラ・ダックワース著)』でも、どんな分野でも結果を出すには「グリット」と呼ばれるパワー(物事に対する情熱ととてつもなく長い時間、粘り強く努力し、最後までやり遂げる力)が不可欠だと述べていて、何かを極めるには「継続すること」が必要になることが分かります。

それから何より、「継続する」ことは自分への信頼に繋がります。

これは、何度も発表している塾生(思考を続けている塾生)を見ていると、感じます。

「きっとこの人に仕事を頼んだら、考えに考え抜いた100個の案を示してくれるに違いない。」と自然と彼らを信じることが出来ます。それは考えるプロであるゲスト講師の言葉の力強さからも感じるものでもあります。

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この塾はすごい人たちがたくさんいます。そこで課題を出すことはプレッシャーになります。けれど、恐れることはありません。この場は自分で踏み込んだ贅沢な場なのです。この贅沢な環境をきちんと満喫するためにも、課題を出し続けましょう。

必要でないことも含めて「考える」という贅沢な時間を少しでも良きものにするために考え続けましょう。

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私は残念ながら、期間中に気付くことが出来ず塾では何の成果もあげられず終わったのですが、唯一よかったのがリハビリが成功したことです。

ようやく人に見られる媒体でモノを書けるようになりました。

考え続けて、形にし続けること。

そのかっこよさを見続けた一年でした。わたしは書くことを継続していこうと思います。

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最後に脱落しかけている塾生たちへ。

一度挫けてしまうと復帰するのに大変だと思いますが、心に余裕があると心持ちが大分違うと思います。あなたには贅沢者の素質があるので、きっと余裕もすぐ持てると思います。大丈夫です。二週間に一回。少しずつやっていきましょう。

4期 保坂

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