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今後日本が住みやすい国になる理由

先日近所の学校(グリーンヒルズ小中学校)で、もう30年近くインドの貧困問題や女性差別問題の分野で活躍しているご夫妻を子供たちに紹介し、少しディスカッションすると言う場が設けられ、自分も参加し、お手伝いをした。

子供たちをみていると色々感情的になってしまう自分がいた。まず、そこの学校の子供たちのSituational Awareness が高いと言う点で感動した。自然の中にある学校だからなのか、自分達が今どういった力の中で生活をし成長していっているのかを皆知っている様に見えた。語り方はそれぞれだったが、それなりに感じていることを話していた。大自然、宇宙、人間社会、それぞれの複雑な仕組みをそれぞれの感性でそれなりに理解していた。

教育メッカ日本

学校といえば、最近国内に英国のブランド学校が2校も設立されると聞いて色々調べてみた。私も英国のボーディングスクールを卒業しているので、なんとなく、なぜそういった傾向があるかがすぐわかった。日本は、まず安全だ。食の安全も確保されており、天候も比較的安定している。犯罪ももちろん少ない。アジア圏の富裕層がそういった「安全な国」で運営されるブランド校に子孫を入れたくなるのは当たり前だ。学校側も雇用が楽だと思う。日本で数年間教師として生活してみたい人は大勢いると思う。

そう言ったことを考えると、今後の日本は、教育メッカになり得ると思う。日本の教育が高く評価されていると言うより、子供が安全に、学問やスポーツに没頭できる国、と言う意味だと思う。ただ大学は別だ。おそらくそう言ったブランド学校を卒業した生徒のほとんどは海外の大学に行くことになると思う。いくら富裕層とはいえ、教育に投資をするからには、なんらかの成果は見たいと思う。今度岩手にできたHarrow Schoolは学費が900万円を超えるという。そんな学費を中学高校と、6年分払う訳だ。

大学がつまらない=住みやすい

皮肉なことに、日本の大学がつまらなく、行く価値が低い理由と、日本が住みやすくなる理由はつながっている。

日本が住みやすくなる理由には、複雑で、少し悲しい理由もある。今後日本は、あらゆる意味で、世界の最先端をいく国ではなくなる。ヨーロッパで例えるのであれば、フランスやスペインあたりが良い比較だと思う。両国とも物凄い歴史と伝統、成熟した文化、歴代的なアーティストや思想家などがたくさんいる。ただ、この両国が世界の最先端に立ち、あらゆる分野でリードを取る国、とう言う時代ではない。時々旅行に行き、何かを学びに行き、美味しい食事を愉しみ、心体の充電をしに行く国という印象がある。住んでいる人々は概ね幸せで、どちらかというと、先祖が築きあげた文化や富を楽しんでいる。

何か大きな事件が起きたというよりも、日本は自然と、ゆんわりと、保守的な姿勢を心地よい姿勢、と感じてしまう国になっている。2-30年かけて、確実にそうなってきた。フランスもスペインもそうだ。それについて、若かった頃の自分は、悲観的な反応しか取れなかったが、ここ数年変わってきた。日本の政治家にちゃんと国民の発展を優先した政治を考えてくれ、と言っても、そもそもの教育と価値観が未熟なので、今以上を期待しても政治家が可哀想だと思う、のと同じ気持ちだ。今、国内の各業界のリーダー達に、多様性、民主制、システム思考などを理解してもらうのはかなり厳しい。ただ、フランスやスペインの様に、文化、食、好天候、歴史、多様性などをもう一度見つめ直し、「This is Japan」とはっきり言える様になる方が、日本は栄えると思う。

The Future

先日のグリーンヒルズでのディスカッションでインドの女性達の差別の話をした後、日本の女性たちはどうか、と言う話になった。少しづつだが、インドの女性たちが独立した女性として活躍できる様になってきたが、まだまだ差別は大きな問題だ。日本はどうか?と小学生の子供たちに聞いてみた。そうすると、皆ほぼ一致意見だった。前よりは良くなっていると思う、と言っていた。では、日本でもインドの様に女性の首相が生まれると思う?と聞くと、少し意地悪問題すぎたのか、皆黙ってしまった。多分考えていたんだと思う。

成長を優先しすぎて社会界問題を無視し続けてきた日本。今でもかなり住みやすい国ではあるが、持続可能でない箇所がまだまだ多い。特に多様性、民主制など、真剣に取り組み、世界のリーダー達が学びにきてくれ、心を休め、子供の教育を任せてくれる国、となっていくのは、かなりワクワクする未来ではないのか?世界の秘境的な存在、とも言える気がする。


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