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『近代競馬150周年』の年表を読む

2012年に行われた「近代競馬150周年記念事業」は、

JRAが勢いだけで制作したプロジェクトであった。

だから2013年に入った途端、

(この企画に関するホームページなどの)有力な情報は消滅した(笑)

完全に消えた・・・(笑)

「近代競馬150年史」のトップページ(だけ)は、

しばらく残っていた。

が、今はもうない・・・

仕方がないから勝手に復刻してみる(笑)。

まずは右横にあった簡単な説明文から・・・


近代競馬150周年について:

我が国に、いわゆる「洋式競馬」が生まれたのは、文久2年(1862年)春、横浜(現在の中区)で居留外国人によって行われた競馬が最初とされています。この「洋式競馬」こそ、現在の私たちの競馬の、いわば原形であり、150年の歳月を経た今日の競馬は、諸先覚者の努力とファンの方々のご支援によって築きあげられたものといえます。

さて、日本人による「洋式競馬」はどうでしょう。横浜の競馬を模倣したものが、早くも明治3年(1870年)にすでに現れています。東京九段の招魂社(後の靖国神社)で行われたものですが、これはまた同神社例大祭の“奉納”がその目的でした。その後明治10年(1877年)には三田育種場で、また同12年新宿の陸軍戸山学校、同17年上野不忍池畔で行われていますが、いずれも長続きはしませんでした。

一方、明治維新後、西欧から新しい畜産学と技術が移入され、同時に日本馬の資質改良の目的で、米・英・仏などの諸国からさまざまな種類の馬が輸入されました。特に、明治27~28年の日清戦争およびその後の北清事変などで、日本産馬が欧米諸国産の馬とくらべて馬格、能力ともに劣っていることが明らかとなったため、その後は欧米レベルに近づけるための施策が、さらに精力的に計画されることとなります。

以上、

である。

続いて年表を確認。

【近代競馬150年史】

年号   西暦  主な出来事
大宝元  701   競馬が朝廷の儀式の一つとして、端午の節句に行われる
寛治7     1093        京都賀茂神社で祭典が行われる
嘉永6  1853  *ペリーの黒船来航(翌54年に日米和親条約締結)
安政6  1859       *横浜港開港(7月)
万延元   1860        横浜本村(現在の元町商店街あたり)で日本初の洋式競馬(馬蹄形の馬場)が開催 *咸臨丸アメリカへ出発 *桜田門外の変(3月)
文久2       1862(10月1・2日)
横浜居留地(現在の中華街あたり)にいた居留外国人のレクリエーションとして、現在の競馬の原型となる近代競馬が始まった
(環形馬場で正式に番組を決めて実施)
※幕末・維新に横浜で活躍した英国人ジャーナリストのJ.R.ブラック氏の著者「ヤング・ジャパン」に下記の記述(抜粋)有り(競馬開催の背景には、居留初期の頃に日本に在住していた外国人は嫌悪感をもつ日本人から嫌がらせを受けたり、居留地の外(条約上10里以内の外出)に出かける際にはピストルの所持が必要であったりと、居留地内での公衆の娯楽は貴重であった。その後、英国とオランダ領事の要請で、神奈川奉行が居留地の一区画に柵をめぐらし(1周約1,200m)、2日間の競馬開催を許可した。)*生麦事件
元治2      1865 横浜のイギリス第20連隊駐屯地で競馬が開催
慶応2      1866    横浜の根岸に幕府の手によって「根岸競馬場」が竣工
慶応3   1867  「根岸競馬場」で競馬開催(1月)*大政奉還(11月)
明治2      1869   神戸の生田神社東側の競馬場で居留外国人による競馬が開催
明治3      1870 九段(靖国神社境内)で最初の招魂社祭典競馬が開催
明治5   1872    札幌神社で祭典競馬を開催(札幌競馬の発祥) 
明治8   1875 函館招魂社祭典競馬が開催、御所内の吹上御苑(円周馬場)で天覧競馬開催
西郷従道が根岸競馬場にて日本人馬主として最初の勝利を挙げる
明治11    1878    横浜レースクラブ、横浜レースアソシエーションが解散し、新たに横浜ジョッキークラブが発足
明治12 1879    祭典競馬が契機となり各地に競馬場が開設し、共同競馬会社が発足
明治13    1880 横浜ジョッキークラブが発展的改組を行い、有栖川宮・大隈重信参議らが発起人となり日本レースクラブが発足
日本レースクラブの初開催において、「The Mikado’s Vase」競走が行われる。
明治14  1881    明治天皇が根岸競馬場ご行幸
明治16     1883 函館に北海共同競馬会社発足*鹿鳴館が完成(11月)
明治17  1884    宮崎に競馬場建設
共同競馬会社が上野不忍池畔に競馬場を開設
明治18  1885    鹿児島に競馬場建設*内閣制の確立
明治20     1888 日本レースクラブが1枚1ドルの馬券発売(パリミューチュエル方式)を開始*市制町村制公布
明治26     1893    共同競馬会解散
明治29  1896 現在の地に函館競馬場が竣工。春秋競馬を開催
明治34  1901 新潟で初めて競馬が開催
明治37  1904 1期4日間の競馬を開催
明治38  1905 政府が馬券の発売を黙許  帝室御賞典(天皇賞の前身)創設
明治39  1906    東京競馬会発足、同会が池上競馬場(大田区地上)で競馬開催(馬券発売)
明治40     1907 日本競馬会(目黒)・京都競馬会(島原)・関西競馬倶楽部(鳴尾)・北海道競馬会(札幌)・総武競馬会(松戸→中山競馬)・東洋競馬会(小倉)・鳴尾速歩競馬会・東京ジョッケー倶楽部(板橋)が発足。現在の地に札幌競馬場を開設、第1回札幌競馬を開催
明治41  1908    藤枝競馬倶楽部(静岡)が発足
全国16の競馬会・倶楽部で馬券を発売(全国競馬連合会)、島原で京都競馬を開催、その後、馬券発売禁止令発令、競馬規定制定
明治43  1910 関西競馬倶楽部と鳴尾速歩競馬会が合併して阪神競馬倶楽部発足、東京競馬会・京浜競馬倶楽部・日本競馬会と東京ジョッケー倶楽部が合併して東京競馬倶楽部発足。全国15の競馬倶楽部が11に改組
大正7   1918    福島競馬倶楽部が発足、第1回福島競馬を開催
大正9   1920 中山競馬倶楽部による第1回中山競馬を開催
大正10    1921 帝国競馬協会発足。23年8月に社団法人帝国競馬協会となる
大正12 1923    競馬法制定(競馬に関する法律が制定され、馬券の発売が正式に許可)*関東大震災(9月)
大正14    1925 淀に京都競馬場竣工
昭和6   1931    競馬法改正により8日間の競馬開催、複勝式馬券、得払い制度が誕生 小倉市北方に小倉競馬場竣工
昭和7      1932 目黒の東京競馬場において、第1回東京優駿大競走(日本ダービー)を実施
昭和8   1933 府中に東京競馬場竣工
昭和11 1936    競馬法一部改正により11競馬倶楽部・帝国競馬協会が合体。翌12年に日本競馬会発足 *2.26事件
昭和13 1938    第1回優駿牝馬競走(阪神)、第1回菊花賞競走(京都)施行
昭和14    1939   第1回桜花賞競走(中山)、第1回皐月賞競走(横浜)施行
昭和16 1941   日本競馬会の機関紙として「優駿」が創刊
セントライトがわが国初の三冠馬に
日本競馬会の年間売得金が約2億9400万円に達する。(戦前の最高額)
昭和18    1943 クリフジが東京優駿、阪神優駿牝馬、京都農商省賞典四歳呼馬のクラシックレース3勝を達成
昭和19年以降当分の間競馬開催停止(閣議決定)
昭和19 1944 東京・京都競馬場、修練場(現在の馬事公苑)で能力検定競走が行われる。
昭和21    1946 札幌・函館競馬場で進駐軍主催の競馬が行われる。
勝馬投票規程改正により、投票券の発売制限が撤廃される。戦後はじめての競馬が東京・京都競馬場で開催
地方競馬法が制定される。主催者は、馬匹組合連合会・中央馬事会
昭和22 1947 東京競馬場で戦後初の日本ダービー開催
*日本国憲法公布(5月)
昭和23    1948 新競馬法公布・施行により国営競馬(農水省畜産局競馬部)と地方競馬制度が制定。日本競馬会・馬匹組合連合会・中央馬事会は解散。
銀座プレイガイドで場外発売開始。
昭和24    1949 阪神競馬場移転竣工。第1回阪神再開競馬開催。
昭和26    1951 トキノミノルが10連勝で日本ダービーを優勝。レースの17日後に急死。
昭和28    1953 中京競馬場竣工。第1回中京競馬開催。
昭和29    1954 日本中央競馬会公布により、日本中央競馬会創立(9月)。
初代理事長の安田伊左衛門就任。
中央競馬第1回開催が東京・京都競馬場で開催
昭和31    1956 第1回有馬記念競走(中山)施行。
日本短波放送による中央競馬実況中継開始
昭和34    1959 ハクチカラがワシントンバースデーハンデを優勝
昭和35    1960    ウッド式発馬機の採用
昭和37    1962   地方競馬全国協会創立(8月)
昭和39    1964   シンザンが戦後初の三冠馬に
昭和41 1966 トータリゼータ・システムの導入
昭和43    1968 繋駕速歩競走が全面廃止
昭和47    1972 馬インフルエンザ発生(第1・2回東京競馬開催中止)
昭和48  1973 第1回地方競馬招待競走を東京競馬場で施行。
ハイセイコーブーム
昭和49     1974 第1回中央競馬招待競走を大井競馬場で施行、JRAで電話投票を試験実施(2月)
昭和56     1981 第1回ジャパンカップ施行(メアジードーツ優勝)
昭和58     1983 ミスターシービーが三冠馬に
昭和59  1984    グレード制の採用、シンボリルドルフが無敗の三冠馬に
昭和61     1986    メジロラモーヌが牝馬三冠に、皇太子殿下ご夫妻が東京競馬場に行啓
昭和62     1987   皇太子殿下ご夫妻が東京競馬場に行啓
平成2       1990   中央競馬会の年間売得金が初の3兆円台に。
平成6       1994 ナリタブライアンが三冠馬に
平成10     1998    シーキングザパールがフランスのモーリスドゲスト賞を優勝。
平成11     1999    メイセイオペラ(岩手)がフェブラリーSを優勝。地方馬のJRA・GⅠ制覇は史上初
平成15     2003 スティルインラブが牝馬三冠に
平成17     2005    ディープインパクトが無敗の三冠馬に、天皇皇后両陛下が東京競馬場に行幸啓
平成19     2007    ウオッカが牝馬として64年ぶりに日本ダービー制覇。
36年ぶりに馬インフルエンザ発生
平成22     2010 アパパネが牝馬三冠馬に
平成23     2011 オルフェーヴルが三冠馬に(史上7頭目)
平成24     2012 近代競馬150周年。(付記:天皇皇后両陛下が東京競馬場に行幸啓)


最後だけ付記したが、

JRAの手帳よりは戦前の競馬についてコンパクトに整理されているのではなかろうか。

(2022.6.27)

※編集中

とりあえず本棚に置いておくような資料として・・・

【参考資料】
JRAの『近代競馬150周年』の特設サイト(今はもうない、笑)



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