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4月3日 ゼラニウム

4月3日 ゼラニウム  尊敬、信頼、真の友情


先週動物園へ行った。そこは、地元の一番近い動物園兼遊園地で、なんとどちらも入場料無料という太っ腹にも程がある隠れ名所である。

ここは地元の小学校や幼稚園の遠足に定番の場所でそれぞれで行った。なんなら祖父母宅からも近いので遠足以外でも数回行った。
頻度は多くないけど、忘れることの無いスポットだ。
それでも最後に行ったのは小学校で、大学時代に電車から見える観覧車を見つめて「もう行くこともないだろう」と思っていたのに、先週行った。

行くことになった経緯は、恋人と「この辺りで近い動物園は?」と話したのがきっかけでトントン拍子に決まり翌日には動物園がある町の最寄り駅でバスを待っていた。

駅前だと言うのにコンビニの1つもないという見事な過疎っぷりだ。乗客も、私達以外には地元マダムしかいなかった。

バスで15分ほど揺られ、目的地で降り少し進むと動物園入口の看板が見えてくる。進行方向を向くと超弩級の坂。ああ思い出した。この歩行者も運転者も泣かすこの激坂。母いわく、地元の人は免許を取ったら坂の自主練でここを登るとか。確かにマニュアルの練習に良さそう。

そんな坂を私達は歩いていったわけだが、道中でHPが切れそうになった。うう、もう駄目だ。夜はマックかな……と考えていくうちに、獣臭が濃くなっていく。歩を進めると、そこにはかつて訪れた動物園(と遊園地)の入り口。令和になっても無料!良く言えばレトロな外観なのに家族連れで沢山いる。

ここで「うわぁ、懐かしい」と言えればよかったのだが入り口の記憶は見事に抜けていた。

動物園へ入り最初に対面したのはアデリーペンギン、次にフラミンゴ、見事な冠を持つ大きな鳥……と色んな動物と出逢っても記憶は蘇らなかった。
20年も経てば大半のどうぶつは次の世代になっているだろう。人間と違って短命なのだから。だけどその場所にある空気というものは不思議と変わっていなく、それだけで満足している自分がいた。

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