鬱の本


ああ、もうだめだ。私を超えるダメな奴なんていない。と思う夜がある。そんな夜しか過ごしていないのだが、そんな自分を救うのは他人のネガティブだったりする。
このネガティブは、迷惑系とかお騒がせとは違って、なんだろう、他の人のネガティブの視野や解像度をチラ見して、そうなのか、お互い生きるの下手だねって言って(もちろん直接ではない)肩の負担をすこーーし落とすことだ。
前まではTwitterやブログがその役割を果たしてくれたけど、最近は見るのでさえ億劫になってしまった。

そんな中、うずくまってしまった私の窓を開けて風を入れてくれる本が発売された。
点滅社から発行された「鬱の本」である。
この本ははじまりもおわりもない。タイトルの通り「鬱」と「本」にまつわる84人のエッセイが集っていて、1つ見開きページ分の文量だから、文章をよむ気力がなく文字を睨むことが出来ないときでも罪悪感がない。気分が落ち着いたらそのまま読み進めてもいいし、そのまま閉じてもいいし、1つの作品と何時間も向き合っていても良い。
この本を迎えてから私は「出来ないチューニング」を「下手なチューニング」まで戻すことが出来た。なんのこっちゃと思われるかもしれないが、回復してるから良いのだ。
コーヒー片手にスッと読むのが理想だけど、布団に張り付きながら片手を本に伸ばし、やっとの思いで開いた方の感動のが大きい。
私の世界を照らしてくれてありがとう。


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