サラリーマンのHip Hopとは
Hip HopとはラップとグラフとDJとダンスの4要素を持つカルチャーの総称、これらのアートフォームを通した戦いから生まれた文化。そしてスキルを戦わせる外的なバトルとB-Boy(be boy)という内的なバトルがあり自己を研鑽することを追求する行為の名称。とかなんとか。
これらは色々と書籍がでており色々な文系の方が定義してみたりしてその受け売りなのではありますが、少なくとも音楽ジャンルとしてのラップ、ファッションやビジネスだけでの話ではないのは、ロックやレゲエやジャズなどもおよそ同じ。バニラアイスやC&CのフリーダムがHipHopではなくラップというボーカリストの表現の方法論にとどまり引き継がれていかないように、精神性が関係するそれぞれの文化圏の主義やイズムが染み込んだ音楽が幹としてそれを取りまきながら文化が広がり所謂ジャンルとしての良い意味での区分けと思っておるわけです。私はそのアートフォームとしてシンプルにかっこいいと思ったダンスにダンス甲子園を見てはまり（テリー伊藤が仕込んだビジネス）その後Watch me Posseを聴いてラップにハマり、時にはラッパーのリリックから時にはブラストのような雑誌から薫陶を受けてHip hopという文化によって人間形成されてきました。
そう言う意味では「大阪生まれHip Hop育ち、同じ育ちならすぐに友達」という手垢にまみれたあのフレーズ以上に言葉が思い浮かばないのであります。ですのでHip Hopのアートフォームを通して自己表現するという行為そのものは20年以上前に卒業はしたのですが、内面的なものはおそらく一生変わらないのではと思います。ではどんな時にBなのかということですが、サラリーマンの日常においては、自らの美学だけを貫き通していくのはなかなか難易度が高くただの空気読めない人扱いになってしまいますので、そこは大人な対応をせざるをえません。ただ核心部分としては、やはりこれも手垢まみれではありますが、オリジナルとかオンリーワンにこだわること、それもゼロから生み出すという事もそうですが、サンプリングから次の新しい何かを生み出す、生み出せずともその努力する行為がHipHop的なのだと思っております。そう言う意味で、私は社内でもそのような美学というかイズムというかポリシーというかに従い、今年40代最後でやっと、一つ自分の中で1つのポジションと城のようなもの築けたのではと思っとります。私自身のサラリーマンとしてのこだわりは「こだわりをもたない」ということでオンリーワンを目指しました。「こだわりを持たない」とういことは、Hip hopらしからないという感じもしますが、そういう流されるとか適当にとかいう意味は一切はらんでなく、違うと思ったらすぐに方向転換するという部分はしっかりと持ちながら、うまく雇用側と折り合いをつけてきました。割と昔から「いっちょかみ」で牛乳キャップを集め、キン消しにはまり、ビックリマンシールをあつめ、成龍に熱中し、スケボーにのり、ギターを弾き、ダンスしてスノボしてラップをやってきました。簡単いいうとミーハーなのですが、とりあえずやってみる。つまり、口に入れてみるとか、行ってみるとか、会ってみるとか、なんでもいいのですが考える前に動く、受け入れると言う事を優先してきました。
そうすれば何か景色が見えるだろうという考えでありまして、ああ想像通りだなじゃあこうするかとか、おお！想像とは全然ちゃう景色やな！じゃあこうしようとかを繰り返してきたつもりです。会社が結構チャンスをくれましたので、（悪く言えば便利に使われたともいえるのですが）とにかく、新しい担当や転籍、転勤、出向などなど全部受け入れてきた結果、ドラクエでいうパラディンみたなポジショニングになりました。とりあえず賢者や勇者ではありませんが、特異なスキルを得ましたのでどこでもサバイブできる自信があります。そういえば、サ上がいってた「普通のヤツが知恵と工夫でサバイブして、オリジナルを見つけていく」という言い方は非常に共感できるところです。
このようなキャリア構築はやはりHip Hop育ちに起因しているのではないかと思います。
クールハークが盛り上がる部分だけを繰り返したという所作、グランド・ウィザード・セオドアのなんとなくレコード擦ってみた結果というものの骨頂がHip Hopの真髄と疑いません。私個人としては、プリモ師匠のスパスタのループなんかは絶対「とりあえずやってみた」のクラシックと思っておりますし、あとブレイキンの基本ウィンドミルを発見したやつも同じような感じだったと想像します。
このスタンスは今後も変わることはありません。たいした結果を残していないごくごく普通のおっさんサラリーマンですが、そんなふうなサラリーマン生活を割とストレス少なく、楽しめ、それなりのポジションにおるのはHip Hop育ちのおかげ様と思う次第であります。
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