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カレ〜の大先輩・水野仁輔さんに教わる、みんなで楽しむカレービジネス論②

カレーといえば、やっぱり水野仁輔さん。
仁輔さんが今、カレーで興味があること、さらにカレーの起業塾「POP START」を立ち上げるにあたり、カレーを“コミュニケーションツール”に事業を立ち上げる悩みをご相談させていただきました! 初回のお話はこちらから。

——仁輔さんが、今、カレーでやりたいことは何ですか?

仁輔さん:盛り上がっていることはいろいろあって、ひとつめが世界中のカレーを食べ歩く。世界各国でその国の人たちにとって、カレーと言われている料理をくまなく巡りたいんですよ。すでに行きたい国がリストアップされていて、頑張ってね、5年で50か国くらい。とても周りきれないないんだけれど(笑)。

おそらく日本みたいにカレーが国民食のように文化として盛り上がっている場所は、世界中どこにもないんですよ。これは、ほぼ確信しているんですけれども、じゃあ、お前は知っているのか? と自分に対して、自問自答。すると、まだ行ったことがない場所がいっぱいある。今の時代、インターネットで検索すれば、世界中のカレーの情報は集まる。けれども、自分が見たことじゃないと発信したくないタイプだし、検索した情報では楽しくない。僕は、世界中のカレーをすべて探訪して、やっぱり日本はカレーが盛り上がっているよね、といいたい。やりつくして、「やっぱり」っていいたい。いいですか、この話続けて!? 

——どうぞ、どうぞ(笑)

仁輔さん:あともうひとつが、カレーという料理を科学的に解明したい。カレーの構造をすべてときあかす。おいしいカレーをつくるためにどうしたらいいのか? あらゆる手法で課題を見つけて、解決する。

こうすればカレーがおいしくなる、といわれていることがいっぱいあると思うんだけど、本当なの? ということもいっぱいある。それをすべて自分で試したくて、せっせと実験している。科学的に分析しまくって、カレーの構造を分解しまくる。そうじゃないと、自分が納得しない。あらゆる可能性を潰しておかないと。で、やりつくした最後に、大事なのはそれじゃないんだよねー。空気感とか、そういういうものでおいしくなってくるんだよね、とかいいたい(笑)。

自分の興味はおいといて、違う切り口を挟むと、人を巻き込める

——noteも情報量がすごいですよね。実験の報告みたいな感じで。

仁輔さん:noteもその一貫。あれは僕自身が突き詰めたいことだから、ひとりでも十分楽しい。僕のやり方は興味があることだけやって、それに対して、たくさんの人を巻き込んで、みんなで盛り上がる。 

世界中を旅する企画のなかで、中国の四川省に行った時に「麻婆豆腐はカレーなのか?」と掲げて、行ったんです。僕がやりたいことは、四川に行って、カレーとは何かを追求すること。なんだけれども、カレーなのか? と挟むことで、僕以外の人たちが一緒に楽しんでもらえる。今はそれをやりたいなー。

ここ1ヶ月ぐらいでめっちゃくちゃ盛り上がっていることがあって、僕、スパイスのブレンドで何をどれぐらい入れると、おいしいカレーになるのか、メソッドをつくったんですね。

それで、それをわかりやすく伝えるためにどうしようか、みんなで話していたら、パズルをつくろう、という話になって。ピースをはめて、正方形になればいいみたいな。このパズルがあれば、小学生でもカレー屋さん並のブレンドができちゃうんです。これで全国の小学校がまわれるんじゃないか、とかアプリにしようとか。とにかく、これを使ってどうしようか、めっちゃくちゃ盛り上がったんです。

でも僕はね、このパズルの商品化や事業化には興味がないんですよ。僕はカレーの解明をしたい訳ですから! 商品化したり、というのはやりたい人はやって。つくってみたら? みたいな。この先、もっとおもしろいことが出て来そうだ、じゃあ、ブレンドメソッドができたから、次はなんだと行きたい。でも、そういうふうに一緒に楽しんでくれる仲間が増えると、とっても楽しいんですよ。

時代を先取りしようと、時代遅れであろうと、僕のカレーへの関心は変わらない

——共感することがすごくたくさんあります。これだけ興味が向くままにカレーを探求し続けて、ちゃんと事業として成り立たせて、本当にすごいですね。

仁輔さん:僕自身がカレーで食べていけるようになったこと、そんなものは結果論ですね。結果的にそうなったけれども、なってなくてもいい。そうなっていても、そうなっていなくても、僕がやりたいことはかわらなくて。事業として続けば続けるし、事業として成り立たなくても、僕は続ける。

だから、僕がおもしろいと思って何かをやっているときに共感してくれる仲間がいるかどうかが大きいかな。共感してくれる人が、たまたま時代的にたくさんついてきてくれたら、よその人からみたら事業として成立してるね、少なかったら、なかなかうまくいかないね、ということになる。でも、そこは僕の関心のあることではない。時代を先取りしようと、時代遅れであろうと、僕の関心は変わらない。どっちでもいい。

僕、待っている人がいる場所にはアプローチしないんです。たまたま会った人が、おもしろいといってくれて、えっ、おもしろい? じゃあ、ちょっとだけ一緒にやりますか? みたいな感じで進んでいますね。

つづく。

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