見出し画像

新学年のクラス分けとクラスの決まり

クラス分けのドラマ

学年が変わるときクラス分けがありますね。仲良しの子と一緒になれるかどうか、ドキドキしたことを覚えています。

うちの子供の学校でも毎年クラス分けがあります。このクラス分けはとても重要で、前担任や、カウンセラー、校長先生などが協力して最善のクラス分けになるように努力します。クラス分けは子供にとっても親にとってもセンシティブな問題なので、何かあると一部親からいろいろなクレームが来てとても大変らしく、細心の注意が払われています。

まずは学年の終わりに近づいた3月終わりごろに親にサーベイが届き、親がクラス分けに関して言っておきたい情報を書いて提出する機会があります。「もうすぐクラス分けプロセスが始まります。クラス分けをするにあたり、あなたの子供の情動的やなことやアカデミックなことに関して、学校側が知っておいた方がいいことがあればこのサーベイに記入して提出してください。どの先生がいいというようなリクエストは受け付けません」
といった感じです。また、「子供は成長するものなので、過去一年以内に関することだけを提出してください。」という文言も含まれています。

私は個人的にここ数年サーベイを提出していません。これまでクラス分けを数回経験していますが、小さいころから見ていて、クラス分けについては先生たちの配慮が行き届いており、相当なことがない限り、お任せするのが一番だなという結論に達したからです。それでもサーベイが来ると必ず子供に「何か先生たちに言っておきたいことある?」と確認するのですが、幸いなことにここ数年は特にないという状況が続いています。いちおう原則としては「ベストフレンドで常に一緒に行動するような仲良しさんは離す」、「一緒にいてクラスに悪影響を与える生徒は離す」ことが原則になっているように思います。小さい頃のクラスでは、仲良しの子と引き離されるのはけっこうショックだったようですが、結果的に新たなベストフレンドができて世界が広がり、クラス分けで悪い経験を今のところはしたことがありません。子供も、決まった仲良しだけではなく、毎年新しい友達ができることを学び取り、人間関係を構築する自信がついてきたように思います。さすが長い経験と知識に基づいた決断なのだなと感心します。

実は過去に一回だけ提出したことがありました。それは一番最初のクラス分けで一年生に上がる年の時、サーベイを受け取り子供にきいたところ、「XXとは絶対に一緒のクラスになりたくない」と言ったのです。普段はそんなことを言わないのでびっくりしました。それとなくほかの親にきいてみると、そのXXちゃんは女の子で問題行動が目立っていて、カウンセラーが常に目を配っているような状態のようです。子供はその子とは違うクラスなのですが、休み時間中にかまれるなど、身体的な被害があったようです。

そこでサーベイにそのことを書いたのですが、その結果かどうかはわかりませんが、その子とは違うクラスになりました。その後しばらく注意はしていましたが、その子も問題行動が落ち着いたようで、その次の年のサーベイには特に書く必要もなくなりました。

クラス分けの親の希望は必ず聞き入れられるものではないようです。学校側も限られたクラス数のなかで仲良しさんを散らばらせるのは限界がありますし。今年のクラス分けでは仲良しさんを散らばらせるというより、仲良しすぎて、常に一緒にいたがったり、うるさくしたり、授業を聞かなかったり、ほかの子と行動しなかったりするような、クラス運営に悪影響を与える子供が引き離されたイメージです。親のリクエストで学校側が受け入れられない場合は、学校側から親に連絡がいくようです。

クラスの決まり

子供は割と毎年いい先生といいクラスメイトに恵まれ、学校に楽しく行っていますが、やはり新しいクラスを軌道にのせるには先生方のいろいろ努力があってのことだと感心させられます。

まず最初に、クラスコミュニティの醸成に心を砕きます。クエーカー教育のコミュニティに関する内容は過去のクエーカーの価値観の記事をご覧いただきたいのですが、新しいクラスになった時はクラスコミュニティを作り上げること、また自分がこのコミュニティの一員であることを意識するいい機会です。

まずはクラスのルールを決めて、グループで話し合います。今のうちの子のクラスルールはこんな感じ。


ただ先生が話すだけでなく、ルールについて子供からも意見を出し合い、どのような行動がクラスコミュニティにふさわしいか話し合います。そしてそれが守れない場合には、先生が注意することにより、日常生活の中で学び取っていくことになります。本当先生って偉いなあ。

座る席や、グループワークをするときのグループを毎週変えるという仕組みも、新しいクラスメートについて知ることになるのでよく使われる方法のようです。

また、新しい学年が始まってすぐのアートのクラスで、自画像描きが何度か行われます。ここ数年毎年あるかな。毎年同じというわけではなく、いろいろなアートの技法をならう一環としても使われます。この自画像描きについてはダイバーシティ問題にもつながる深いお題なので、また別の機会に書いていきたいと思います。

日本ではクラスサイズが大きくて、先生もここまでのことをするのは限度があると思いますが、特に低学年ではこのような配慮が自覚形成上とても役立つのではないかと実感します。どんな子でもコミュニティに受け入れられ、その一員となり、自分がコミュニティに貢献していることを実感すること、また、新しい子供と友達関係を作っていく機会を与えられること、このことを体得すると、その後の人生がちょっと楽になるような気もします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?