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日本で投獄された、紛失したビットコインのプラットフォームのフランス人経営者

【以下は仏「ル・モンド」紙の記事に基づく翻訳です。元記事のURL:https://www.lemonde.fr/international/article/2019/03/15/le-patron-francais-de-la-plate-forme-de-bitcoins-echappe-a-la-prison-ferme-au-japon_5436311_3210.html 】

マウントゴックス社の元CEOのマルク・カルプレスは、複数の点で無罪とされる裁判を終え、東京地裁により、執行猶予付きの懲役2年半の刑を宣告された。東京地裁は特に、資金横領の主張を退けた。

インターネット界のフランス人若手起業家であるマルク・カルプレスは、3月15日(水)に複数の点で無罪とされる裁判を終え、東京地裁により、執行猶予付きの懲役2年半の刑を宣告された。この刑は、求刑を相当下回っている。検察は、世界のビットコインの主要な取引所になっているマウントゴックス社を2014年初めの倒産まで経営していたマルク・カルプレスに対して、10年の懲役を要求していた。

地味なスーツで裁判所に到着した、この33歳のIT業界の天才は、訴訟を通して無罪を主張したが、冷静にこの判決を受け入れた。裁判所は、その後、検察の主張を選別し、偽の仮想通貨を生み出すことにより、「隠蔽の明白な意思」とともに情報データを偽造したとする主張だけを最終的に取り上げた、と説明した。

この行動は、「相当な金額を危険な状態にしていたことを考慮すると、利用者への信頼に大きな損害を与えた」と裁判官はみなした。マルク・カルプレスは、「情報処理エンジニアとしての専門知識に加え、その地位と権力も乱用した」と裁判官は詳述した。しかし、裁判官は、被疑者は日本での前科がないために、彼に4年の執行猶予を許可した、と説明した。

資金の横領の否定
その代わりに、裁判所は、マルク・カルプレスによる個人的な利益のため、または企業の規約と関係のない活動のための横領の主張を拒否した。彼は、検察により、個人的な出費(家賃や法外な金額のベッド)のために、会社の口座から彼の銀行口座へ複数の移転を行ったかどで告発された。契約、利子、期日なしの短期間の貸付金のためにそれを移転したとされる。

しかし、裁判所は、彼は会社の多額の運営費用をその金銭により支払い、それを不当に濫用しなかったと考えた。裁判官は、彼はいずれその金銭を返済する予定であり、結局のところ、そうした慣行は、経営者が所有者である中小企業で一般的であると考えられるとした。

彼はまた、マウントゴックスまたはもう一つの会社、Tibanneの業務に関係のない図面作成ソフトを購入したことを非難された。この点についても、裁判所は、被疑者が合理的と思われる決定を行ったこと、および会社が新しい領域に投資するのは一般的であることを考慮して、マルク・カルプレスに有利な判決を下した。

この一連の訴訟は、2014年初めに明らかになった何十万ものビットコインの突然の紛失の調査の範囲外で浮上した。2015年8月に1年以上遅れて逮捕された経営者によると、マウントゴックスは、サイバー攻撃の犠牲になったということである。その攻撃は、外国の別の調査により、確認が進められている。

ビットコインへの疑惑
当時、カルプレスの事件は、類似点が多いカルロス・ゴーンの事件ほど注目が集まらなかった。マルク・カルプレスは、連続する約20日間何度も拘束され、背任の取り調べを受け、その後未決勾留され、日本の領土から離れることを禁止されて、約1年後に保釈された。

保釈後、彼は仕事に戻り、ソーシャルネットワークでの発言を再開し、そこで特に最初の主要な分散型暗号通貨である、ビットコインへの疑惑を表明した。2008年の金融危機の後に誕生した、この仮想通貨は、従来の金融機関を転覆させるという無政府主義的で野心的な理想を促進した。

最初は価値がほとんどゼロだったビットコインは、2017年末に20,000ドル近くに達し、その後再び大きく下落した。今日では3,900ドル前後で取引されている。

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