普段の私は、体の状態を見ながら、人生にどんな問題が起きているか、見ていくことを仕事にしています。ボディワークというお仕事。整体みたいなもんなので、体の不調も見たりもします。

普段仕事をしてると、体の不調なところから、心の思いグセなんてものが浮かび上がってくることがあります。それは過去の出来事から作られていることが殆どで、詳しく見ていくと親に言われた言葉や、友達関係、学校での出来事や先生に言われたこと、恋愛で失敗したことなんかからできてたりします。

両親の離婚の結果、離れてしまった父親から愛されたいという思いが、ずっと宙ぶらりんで残ってしまったケース。

お話を伺いながら、体に触れていると、胸に重苦しいものを感じました。悲しい、という感情も受け取りましたので、そのようにクライアントさんにお伝えすると、ご両親の離婚の経緯をお話してくださいました。

最初はエピソードとしてお話しくださっていたのですが、次第にその時の感情も思い出してきたのか、涙を流しはじめました。この重さは開放したいですか？取っておきたいですか？と伺って、開放したいとのことでしたので、私の誘導のもと、イメージワークでご本人に開放してもらいました。

最初泣いていたのは、小学生の頃の彼女。イメージワークを続けていくうちに、それが高校生の頃の彼女になり、大人の女性になり、最終的に重さは鳩のような白い鳥になって飛んでいきました。

と思ったら、彼女、あ！！っと声をあげて、胸が軽い！それに悲しくなくなりました！！！と。

その時の感情も、エネルギーも外に出したら、軽くなってしまいました。

過去の恋愛で、こうしたら良かった、ああしたら良かったというのがずっと頭から離れなかったケース。

こちらは、みぞおちに固さとして感じられました。みぞおちをぎゅっと固くして何かから自分を守ろうとしている感じ。

これは背中の方までずーんと重たいエネルギーの塊として感じられました。感じられた塊から連想されるエピソードをお話してくださったのが、過去の恋愛でした。あれが嫌だった。こう言ったら良かったのに。楽しいこともあったはずなのに、後悔の残る出来事としてみぞおちに残るエネルギー。

これは岩のような質感だったので、イメージワークで取り出して砕いてしまいました。その後は、ふわっとみぞおちが軽くなって、呼吸も深くなり。体に安心感が広がりました。ああ、終わったんですね。とホッとした表情だったのが、印象的なセッションでした。

これもみぞおちの固さから言語化、したことによる変化ですね。

夢に出てくる出来事が、なぜか分からないけど、苦しかったケース。

この場合も胸の重さから発見されました。重さの感覚からイメージしてもらうと、私のところに来る数日前から、同じ夢の場面が現れていたとことを思い出したクライアントさん。それは悲しいのだけど、とても大切なものという印象があって。これはどうしたいですか？と尋ねると、苦しいので、重さは取って欲しいけれど、消してしまいたくはない、と。

なるほど。先の２つの例では、鳩になって飛んで行ってしまったり、岩を砕いてしまったりして、重かったものを消滅させて行く方向のものでした。今回は、軽くはするけれど、消せない。

なので、まず、イメージで重さの感覚を形に表してもらいました。ゴツゴツした岩のような黒い塊。黒い塊を小さくしてもらいます。小さく小さく。手に乗るくらいに。この時点では黒い塊の重さは変わりません。むしろギュッと凝縮して圧がすごい。なので、次はその塊を、キラキラ光るダイヤのようなものに変化させました。ダイヤになると同時に圧も軽くなり、まさに宝物のように。彼女はしばらくそれを愛しげに眺めていました。

大事なものを置くのはどこですか？とお聞きしました。彼女の場合は神棚でした。では、そのダイヤを神棚に置いてみましょうか。眺めたくなったらまたいつでも取り出して、愛でることはできますからね。

彼女はゆっくりと丁寧に、そのダイヤを神棚に置きました。すると、深くため息をついて、こう言いました。

「ああ、胸が軽くなりました！そして、温かくなってきた！じんわりと。ハートの内側から温かさが広がってきます！」

大事なものだからと胸にしまっておいたけど、重くて辛くて、彼女の胸は冷え切っていたのでした。エネルギー的にその重さを取り除いたら、胸本来の温かさが戻ってきたのです。

こんなふうに、心と体はつながっているのです。体の重さや固さから、心の重さを突き止めて、外に出していくと、体が軽くなる。

本当に病気の場合を除いて、なんか体が重たいな、胸が苦しいな、って場合、実は心の重さが原因かも知れません。じっくり時間を取って、手をあてて、どうしたんだい？ってまずは聞いてあげることから。

びっくりするけど、とても軽くなれますよ。

※ここでのエピソードは、実際に起きたセッションでの場面を、人物などを変えて書いています。