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いよいよファイナル!Vリーグ女子(V1)優勝争いで見るべき代表の新星は?

10月に開幕したバレーボール・VリーグV1女子の2021/22シーズンも、4月16日に千葉でファイナルを迎えます。まずは4月9日に行われるファイナル3で2位と3位が対戦、その勝者と首位のチームが10、16日の二回にわたってファイナルを戦います。

ここではファイナル3に進出した3チームの中で、先日発表された代表メンバーにも入っている注目の3選手を、ファイナルステージの仕組みと共にご紹介します。
※成績や順位等の数字は2022/4/3終了時点のものです。

■4月9日開催ファイナル3 東レアローズ(2位)対久光スプリングス(3位)

まず、2位と3位のチームが一戦のみの直接対決を行います。2位のチームには1勝のアドバンテージが与えられるため、この試合に勝てば無条件でファイナル進出、3位のチームは、勝った場合はゴールデンセットと呼ばれる、25点先取の1セット限定の延長戦に突入します。

負けたら一発敗退という、ファイナル3進出最後の一枠を巡って行われた4月2、3日の対NECレッドロケッツ戦を連勝で終えて、逆転で3位になった久光スプリングス。今回の3チームの中で一番勢いがあると言えます。先日発表された2022年度の日本代表メンバーにも井上愛里沙、濵松明日香、中川美柚(みゆ)、平山詩嫣(しおん)の4選手を送り込んでいます。

久光の攻守を支える選手といえば、何と言ってもアタック決定率1位、ブロック決定本数(1セットあたり)で3位の、東京五輪アメリカ代表で金メダリスト、フォルケ・アキンラデウォ選手の存在が光ります。ですが、残りの一枠を日本代表に選出された濵松、平山の両選手が競い合っており、それがリーグ屈指のミドルブロッカー陣を形成しています。

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先日の記事では平山選手にフォーカスを当てましたが、ここ最近は負傷なのか控え選手にも入っておりません。その中で一気に頭角を現してきたのが濵松選手。彼女の特徴は何といってもパワフルなアタック。出場機会は少ないながら決定率も53.7%と高く、前述のNEC戦とその前のJT戦の三連勝中も50%越えと、攻撃でチームを牽引しました。

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ファイナル3はパワフルな濵松選手で行くか、それともブロックに、サーブにとオールラウンダーな平山選手で行くか。酒井監督も頭を悩ませることでしょう。当然対戦相手もどちらを起用してくるかで対策も変わりますので、どちらを起用するかが勝敗のカギを握りそうです。

昨シーズンの8位から3位と躍進。12月の皇后杯も東レ相手に優勝しており、首位のJTもリーグ戦では2勝1敗、皇后杯でも勝つなど相性は良く、3位からの逆転優勝の可能性も十分あります。


迎え撃つのは2位東レアローズ。その原動力は何といっても得点王のクラン・ヤナ選手と、東京五輪に出場した日本代表・石川真佑選手の両攻撃陣。苦しい展開でもこの2人が決めることで一気に打開する、というシーンも多く見られました。

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そんなリーグ屈指の攻撃陣でもう1人注目していただきたいのが、ミドルブロッカーの小川愛里奈選手。今シーズンからレギュラーに定着した成長株ですが、その高速ブロードを武器に今シーズンはアタック決定率49.5%で3位、日本人選手では1位と大きくブレイクしました。

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先日発表された2022年度の日本代表メンバーにも初めて入り、パリ五輪への出場も期待されます。開幕前に体調不良で離脱した同期の黒後選手の分までチームで、そして代表で活躍してくれそうです。

チームとしては昨シーズン、レギュラーラウンドを全勝で優勝しながらファイナルでJTに敗れ、12月に行われた皇后杯決勝でも久光相手に敗れて準決勝と、優勝にかける思いはなお強くなっています。選手たちの意地、見届けましょう。

■4月10日、16日開催ファイナル JTマーヴェラス(首位)対ファイナル3勝者

ファイナル3を勝ち上がったチームは早くも翌日、そして翌週と二回にわたって首位JTと戦います。もし二戦が終わった段階で1勝1敗となった場合は、ファイナル3同様、ゴールデンセットで勝敗を決めます。

ファイナル3勝者を迎え撃つ、二連覇中のJTマーヴェラス。先日発表された2022年度の代表メンバーにも東京五輪に出場した林琴奈籾井あき両選手に加え柴田真果、田中瑞稀、西川有喜の3選手が選出されたこともチームの強さを物語っています。

ちなみに柴田選手はレギュラーセッターの座を籾井選手と争っており、東京五輪に出場した選手でもチームではレギュラー争い、という競争原理が働いていることも強さの秘訣ではと思います。

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そんな層の厚さを誇るJTで注目していただきたいのは、西川有喜選手。金蘭会高校時代はエースアタッカーとして春高バレーで優勝、一躍注目を集めました。ですが彼女も決して不動のレギュラーというわけではなく、アウトサイドヒッターの3枠のうち、アメリカ代表のアンドレア・ドルーズ選手を除いた二枠を上述の林、田中両選手と争っています。

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その中で出場セット数は一番少ないのですが、彼女は180cmという高身長から放たれるパワフルなアタックが何よりの魅力。でもそれだけではないんです。実はサーブ効果率がわずかに規定不足ながら13.6%と、リーグ首位のトヨタ車体クインシーズ・藪田美穂子選手の13.4を上回っています。

効果的なサーブでいかに相手を崩すか、が最近バレーボール界の一つの戦術になっている中で、彼女の存在は短期決戦で間違いなく大きな力となることでしょう。いわばジョーカーといえます。

今回ご紹介した3選手は、いずれも日本代表初選出。このファイナルステージでの戦いで、今後のバレーボール界を担う存在が出てくるかどうか。そこにもぜひご注目ください。


さあ、残るは3戦。静岡と千葉で熱戦が繰り広げられますし、テレビ放送、ネット配信もあります。ぜひカレンダーアプリ「スポカレ」で日程をチェックして、お近くの会場に足を運んだり、中継で観戦してください!

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