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1日5,000kcal消費の衝撃!マイナーで過酷な近代五種ガイド!

競技人口は33人!? マイナースポーツの代表格

あらゆる運動の総合力が求められる近代五種。古代アテネオリンピックにならい1912年の五輪からスタートした伝統的な競技で、欧州では「キング・オブ・スポーツ」と呼ばれています。

しかし、認知度の低さから「キング・オブ・マイナースポーツ」と呼ばれることも……。
近代五種の競技人口は世界で300人(世界大会に出場する競技者数)と言われ、日本でも近代五種協会の競技登録者数はわずか33人となっています。

種目のひとつであるフェンシングの国内競技人口が6,000人ほど(2018年11月時点)であるのに比べると、競技者数がいかに限定されているかわかると思います。

異次元の過酷さ!そして異次元に複雑なルール

近代五種の「五種」は

・フェンシング
・水泳
・馬術
・レーザーラン(射撃とランニング)

となります。競技ごとにポイントを合算するなどし、最終順位を競います。

オリンピックでの競技初日は「ランキングラウンド」と呼ばれる、フェンシングの総当たり戦を実施。1分間の試合を35連戦こなします!
ランキングラウンドでは、70%の勝率で250点を獲得でき、これを基準にしてポイントが増減します……といった複雑な計算が近代五種にはたびたび登場します。ちなみに、ランキングラウンドの五輪記録は268点(2016年)。

ポイントは最後に行われるレーザーランのタイム差に換算されるため、計算ミスは選手にとって命取り。競技中であっても慎重にポイントを算出します。

2日目は、フェンシングも含めた5種目全てを行います。

<水泳>
200m自由形を行う。

<フェンシング(ボーナスラウンド)>
ランキングラウンドの結果をもとにした勝ち抜き戦。30秒1本勝負。
(例)36位の選手が35位の選手と戦い、勝った方が34位の選手と戦う。1勝につき1点のみなので、順位の大きな変動はない。

<馬術>
障害を規定時間内に飛び越す。使用する馬は抽選により決定。20分のウォーミングアップで、馬の性質を把握しなければならない。

<コンバインド(射撃とランニング)>
レーザーピストルで的に5発命中させ、その後に800mのランニング。このセットを4回行う。
これまでの合計点からタイム差を算出し、上位の選手からスタート。ゴールした順番が最終順位となる。

実際の大会では、全ての競技を終えるのに1日で10時間ほどかかることもあるとか。競技時間のみならず、5,000kcalも消費するという運動量もハンパじゃありません!

1975年発行「近代五種競技入門」(ベースボールマガジン社)は、今のところ(2019年6月11日時点)タイトルに「近代五種」が付く最新の専門図書のようです。

その序文で、1948年ロンドン五輪の金メダリスト、ヴィル・グルートが近代五種とはなんたるかをシンプルに表現しています。

「近代五種の中身は複雑であるが、トレーニングや競技の考え方そのものは簡単である。つまり5種目の全部門に完璧さを求めながら、完全なオールラウンド・プレーヤーになるという、確固たる意志を持てばいいわけである」ー近代五種競技入門より

無茶なことを言っている気もしますが、心技体すべての強靭さが求められるところに「キング・オブ・スポーツ」の所以を感じます……!

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オリンピックの出場枠は?

東京五輪では個人戦のみ行われ、男女それぞれ36名ずつが出場。以下の条件により、各国2名までが出場権を獲得できます。

1. ワールドカップファイナル東京大会(6/27〜30)の優勝者
2. 大陸選手権の上位入賞者
3. 2019近代五種世界選手権の結果
4. 2020近代五種世界選手権の結果
5. オリンピック世界ランキング上位6名

このほかにも開催国枠などがあるため、日本は男女それぞれ1枠の獲得が決定しています。

スポカレ注目!代表の座を争う選手たち

強豪の多くが西欧や東欧の選手たち。世界ランキングを踏まえると、わずか1つの椅子を争う代表選考になるかもしれません!
ここでは、スポカレが注目する日本人選手をご紹介します。

<男子>
小野友行(世界ランク80位)
昨年のアジア大会では6位。昨年、全日本選手権を制した嶋野光(世界ランク200位)とともにワールドカップファイナル東京大会の代表に選出!

岩元 勝平(世界ランク117位)
前回のリオ五輪に出場し29位。2018年のW杯では日本人男子として過去最高の6位を記録!

<女子>
朝長 なつ美(世界ランク25位)
2016年のリオ五輪代表!水泳と馬術でポイントを上乗せするなど、13位と健闘。ワールドカップファイナル東京大会の代表が内定している。

才藤 歩夢(世界ランク155位)
近代五種と得意のフェンシングで”二刀流”五輪出場を目指す!最近はVOGUE JAPANでモデルもつとめ、広く注目されているクール系アスリート!Instagramも人気。

※世界ランキングは2019年6月11日時点

東京開催W杯の結果は?

CATVでも生放送された、東京開催のワールドカップ ファイナル(6/27~30)。日本選手は最高10位に入るなど、母国開催で健闘しました!

女子個人
10位 朝長 なつ美
13位 山中 詩乃
23位 島津 玲奈

男子個人
18位 嶋野 光
27位 小野 友行

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