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第92話・2013年 『東京オリンピック、熊本世界女子決まる』

伝来100年を1年1話で振り返る企画も残り10話を切りました。記憶に新しい身近な話題が続きます。引き続きご愛読ください。取材と執筆は本誌編集部。(文中敬称略。国名、機関・組織名、チーム名、会場名などは当時)

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「東京オリンピックでハンドボールを」の悲願がついになる。「世界選手権を熊本で」の希望がかなう。相次ぐ朗報に胸がときめく――。

2020年の夏季オリンピック開催地は、9月7日、ブエノスアイレス(アルゼンチン)で行なわれた第125次国際オリンピック委員会(IOC)総会の投票でイスタンブール(トルコ)、マドリード(スペイン)を抑え、東京都に決まった。実施競技は総会の7ヵ月前、IOC理事会によってハンドボール(男女)は中核競技の1つとして決まっていた。「1940年」「1964年」の悲運を知る人の感慨は深かった。

2019年12月の第24回世界女子選手権の開催地は、10月28日の国際ハンドボール連盟(IHF)理事会(カタール)で日本(熊本)とノルウェーの2ヵ国の届け出を受けて審議され、日本に決まった。理事会では、日本側から当時熊本国府高校2年生だった竹原千賀選手(現オムロン)などの英語でのスピーチが行なわれた。

日本協会によると熊本県協会から「立候補」を正式に伝えられたのは3月。基本計画などを説明されたあと、6月の全国評議員会・理事会で承認を受ける“短期の作業”だった。

IHFが翌年(2020年)の夏季オリンピック開催が決まった日本を選ぶか、オリンピック最終予選(OQT、2020年春)の出場資格がかかる大会をヨーロッパでと望むかが焦点となるが、第21回大会以降ヨーロッパでの開催が3回続くこと、1997年の第15回世界男子選手権を開いた熊本の市民の熱狂とホスピタリティーへの高い評価が“決め手”になったと伝えられた。

「東京オリンピック2020」に開催国枠としての日本の出場は「確定的」とされるが、2016年のリオデジャネイロ(ブラジル)オリンピックへの参加を果たすことへの期待がいちだんと大きくなる。

二重の歓びに沸く日本協会に、4月1日付で公益財団法人の資格が認可され創立75周年(2月2日)に花を添えた。登録人口(高校・高専以上)は3118チーム、6万468人。中学生、小学生愛好者を加えた総人数は9万3153人となった。

11月に公募されていた日本女子代表チームの愛称は、全国から応募のあった1106通の候補作の中から「おりひめ」が選ばれ、12月セルビアで行なわれた第21回世界女子選手権から命名された。大会はブラジルが波に乗った攻守で初優勝、日本は14位。

第93回は10月24日公開です。


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