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第93話・2014年 『男子トップの低迷、ヤングエイジが光』

伝来100年を1年1話で振り返る企画も残り10話を切りました。記憶に新しい身近な話題が続きます。引き続きご愛読ください。取材と執筆は本誌編集部。(文中敬称略。国名、機関・組織名、チーム名、会場名などは当時)

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男子代表チームの不振をジュニア、ユースが健闘してカバーする“明暗の1年”だった。

1月、バーレーンでの第16回アジア男子選手権1次リーグ。1勝1敗で迎えたオマーンとの第3戦を1点差で落とした。ビーチ競技をきっかけに競技力を上げていた相手に対する情報不足とされたが、明らかに「油断」によるものだった。

雪辱の機会は9月に訪れた。仁川(韓国)で開かれた第17回アジア大会。ところが1次リーグで韓国に敗れたあと台湾に28-31で押し切られ、早々と上位への道を断たれてしまう。14ヵ国中9位。

オマーン、台湾に対して礼を欠く表現になるが、「負ける相手」ではないとの緩みが自らのランクをBクラスへと落とした。各国のレベル向上とアジアの公式大会にかける意欲は楽観を許せないとはすでに各所で指摘されていた。「東京オリンピック2020」の大目標に向かいながらの低迷。失望の声がかつてなく大きくなる。

暗雲を男子「ヤングエイジグループ」が払いのけた。ジュニア、ユースの代表チームが夏のアジア選手権で揃って3位入賞、翌年の世界選手権出場を決めたのだ。ジュニアは15大会(30年)ぶりの本大会参加、明日への希望を抱かせる。

仁川アジア大会の女子はタイ、インド、ウズベキスタン、モルディブが顔を見せ9ヵ国による展開となり、日本は予選リーグでカザフスタンを、準決勝で中国を制したが、韓国との決勝は19-29と突き放され2位。1年後のリオデジャネイロ・オリンピック予選に課題をつかんで終えた。

第94回は10月25日公開です。


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