「セーブする時、ボールが身体にミートする瞬間を見る」ことの大切さ『ますトレ』スポーツイベント出張版Vol.4

『スポーツイベント・ハンドボール』2018年11月号から19年4月号まで連載した、升澤圭一朗さんによる「ますトレ」のスポーツイベント出張版全6回を無料公開します。第4回となる今回は、セーブする瞬間にフォーカスしました。

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筆者プロフィール
升澤圭一朗(ますざわ・けいいちろう)
GK専門のトレーニングをSNSなどにアップして話題を呼ぶ慶大4年生(連載当時、今年3月に卒業)。各地での講習会も好評を博している。
●Twitter:@masukei1118
●Instagram:@masutore

「ますトレ47都道府県行脚」というプロジェクトで、日本中でGKトレーニングを行ないました。その際に、各地でも「ますトレ3メソッド」を実際に試してもらったのですが、やはり、これを意識すると、おもしろいようにシュートが取れるようになります。その中でも今回、紹介する内容が最も重要ですので、これを読んだら早速試してみてください。

まずは「ますトレ3メソッド」のおさらいです。

①「どこに」打たれるかではなく、「どこで」打たれるかを予測する
②打たれるのではなく、打たせる
③セーブする時、ボールが身体にミートする瞬間を見る

この3つです。第2回、第3回と「『どこに』打たれるかではなく、『どこで』打たれるかを予測する」、「打たれるのではなく、打たせる」の2つを説明しました。

そして今回は3つ目のポイントである「セーブする時、ボールが身体にミートする瞬間を見る」ことの大切さについて紹介します。

ミート時にボールを見る理由

まずは下の写真を見てください。

この視線の使い方が理想です。きれいにボールが身体にミートする瞬間を見ていますね。

なぜ、ボールがミートする瞬間を見なければならないのか。それには2つの理由があります。

1つ目は重心移動と大きく関係しています。人間の頭は約5kgあると言われています。イメージしにくいと思うのですが、だいたい大きめのメディシンボールぐらいだと思ってください。想像しているよりもはるかに重いはずです。

よく、ボールが身体にミートする瞬間を見ずに、避けてしまう選手がいますが、避けると頭がボールと方向と逆に動いてしまうので、シュートに対して重心を移動しきれなくなってしまいます。

身体が小さい日本人がゴール四隅のシュートをセービングしようとすると、ジャンプの方法や、スライディングなどで対処しようとしますが、じつはそれよりもまずは視線の使い方が大切なのです。視線を上げれば自然と重心が上がり、視線を下げれば自然と重心も下がります。

2つ目の理由は正確なミートのためです。例えば、野球のバッティングのシーンを想像してください。バッターの視線はバットにボールがミートする瞬間をしっかりと捉えています。それと同じ感覚です。正確に自分の身体にミートさせるためには、必ずその瞬間を見る必要があります。

シュートを怖がらないため

この視線の使い方で1つ注意してほしいことがあります。僕は「身体にミートする瞬間を見る」と説明しています。これが大きなカギです。つまり、シュートが放たれる瞬間から身体に当たる瞬間までずっとボールを追うわけではないのです。極論を言うと、当たる瞬間だけ見ればいいのです。

よくシュートが怖くて見ることができないという声が僕のもとに届きます。

しかしそれは、シュートを見ないから怖く感じるのです。目をつぶった状態でシュートを投げられるのと、しっかりと目を開けてシュートを見るのとでは、恐怖感が断然違います。

そしてもう1つ、シュートは「打たれる」から怖く感じるのです。「打たせる」と怖くはありません。ここに来るとわかっているシュートは怖くないのです。どこに打たれるかわからないから怖いと感じるはずです。

ここで勘のいい人はもうすでにお気づきだと思いますが、前回紹介した「『打たれる』のではなく、『打たせる』」の要素ができないと、ミートする瞬間を見ることの難易度はかなり上がります。

そして「『打たれる』のではなく、『打たせる』」を行なうためには、「どこで打たれるか」を予測する必要があります。

つまり、「ますトレメソッド」はすべてがリンクしていて、相互に作用しているのです。どれか1つでも欠けると、すべてが崩れてしまいます。

まず、どこで打たれるのかを予測する。そしてポジショニング、動き出しのシーンで打たせるようにする。最後に、ボールが身体にミートする瞬間を見る。この3つの順序を守って、確実にできれば、セーブ率はほぼ間違いなく向上します。

この、ボールを見るということは、今日の練習から意識することができると思います。普段の練習の中でシュートをキャッチしにいってみましょう。

そうすると、ボールを点で捉えなければならないので、自然とキャッチする瞬間を見るようになるはずです。とくにディスタンスシュートの練習でこれを実践すれば、最後のひと伸びができ、いつもよりセービングできる範囲が広がるはずです。ぜひ、トライしてみてください。

今回で、ますトレメソッドのすべてを説明しました。いかがだったでしょうか。

世界のトップ選手は全員構え方も違えば、取り方も違います。しかし、「ますトレ3メソッド」で紹介した3つの要素は共通して行なっています。大事なのは意識の部分です。

「ますトレメソッド」は意識からセービングを変えていくことを目的としています。セービングのフォーム、構えは人それぞれでいいと思いますが、これまで紹介した3つの要素は確実にできるようにしましょう。


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ますトレ

『スポーツイベント・ハンドボール』2018年11月号~19年4月号までの連載を無料公開します。
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