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【元オリンピック代表に聞いてみた!】競技スポーツでも活躍するSportip Pro!

今回は、

- どのような課題に対してSportipが役立つか
- Sportipに期待していること

をSportip Proをご使用中のプロ選手に伺います!

今回は元ソチオリンピックフィギュアスケート日本代表の高橋成美様に伺ってきました!

1. Sportipとの出会い

ー本日はよろしくお願いします!早速ですが、自己紹介をお願いします!

フィギュアスケートペアソチオリンピック日本代表の高橋成美です。
3歳の時にフィギュアスケートと出会い、12歳の時にフィギュアスケートの中でシングルからペアに転向しました。現役を引退した26歳までフィギュアスケート選手として競技を行ってきました。また、フィギュアスケートのためにバレエやダンスなど芸術性の高いスポーツにも本格的に取り組んできました。

主な戦歴としては全日本7連覇、2012年世界選手権銅メダル、グランプリファイナル出場、2014年ソチオリンピック出場です。
現在、指導は行っていませんが将来は京都に新しくできた木下アカデミーというリンクで日本のペアの人材育成に携わっていく予定です。日本はペアを練習する環境が少ないため、ペアを育てることは難しいですが、その中でもペアの技術を後世に伝えていきたいと考えています。

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ーありがとうございます!すごいですね.. Sportipとはどういったきっかけで出会いましたか?

バネトレの東さんとフォームを確認できる何かがあれば良いなという話をしていた時にかっこいいアプリがあるからダウンロードしてみてと言われたのがきっかけですね。パーソナルトレーナーをつけて2ヶ月間同じメニューを教えてもらうにしても、お金がかかってしまいますからね。Sportipのアプリでは自分が適当に踊ったものまで解析できるんだと教えてもらって目から鱗、びっくり仰天!そこから興味を持ちましたね。フィギュアスケートは3分間のために365日同じことをするんですよね。私が一番大変だと思っているのは新しいことではなく毎日同じことをすることです。日々の積み重ねから出来上がっていくので、たまにマーキングをつけて出た数値はあまり参考にはなりません。Sportipのアプリみたいに毎日積み重ねて撮っていけることで毎日のコンディションの平均を出して感覚的に刷り込んでいくことができるのではないかと思って気に入りました。

ー動きの解析はどこの施設で行ってたんですか?

JISS(国立科学スポーツセンター)で行っていました。動作解析はピチッとしたウェアを着て、関節をマーキングした状態で単純な動きをします。JISSで行うのは検査みたいでよかったんですが、たまに練習場に来て行うんですね。ここでも同じく専用のウェアを着てマーキングして動くんですけど、準備にも時間がかかりますし、マーカーをつけただけでいつもの練習とも実際の動きとも異なってきます。フィギュアスケートは繊細な競技なので遠心力にかなり影響されます。例えば上着にフードがあることでジャンプが全く跳べないかったり、女の子だと髪の毛を縛る位置によってバランスが変わってきたりします。
私もショートにした時期があって、その時は髪の毛がフワッとする感覚があったせいでジャンプに違和感を覚えました。それぐらい繊細なスポーツなので、マーカーを一個つけただけでもかなり違和感がありました。その点ではSportipのようにスマホで撮影するだけで日常的に解析できるのは魅力的です!

ーそのくらい繊細な感覚を使ってやっているんですね!高橋さんは感覚を重視して動くタイプですか?

私はジャンプを跳んだりスピンをしたりというのは感覚を重要視していました。その一方で、ペアとして合わせるものについては理論的に考えてました。フィギュアスケートはジャンプに入る角度がとても重要です。一流の指導者だとジャンプに入る角度でそのジャンプが決まるか失敗するかわかると言われているくらいです。そのため滑っていく方向を二人で一致させるために動画を何度も撮ったり、滑った軌跡を毎回確認して大体の角度やタイミングを決めていました。
その時にSportipがあったらよかったな!と考えてしまいますね!

2. 競技と指導者

ージャンプに入る角度で成功するかどうかがわかってしまうんですね!驚きました!ちなみに引退したきっかけを詳しく教えていただけますでしょうか。

世界選手権が終わった2012年の夏ぐらいに肩の関節を大きく外したのと同時に、膝蓋骨が分離するという大ケガを負ってしまいました。医者からは現役に戻ることはできるけれど、今以上のパフォーマンスはもう望めないと言われました。この時に自分の中のスポーツは諦めましたね。一度競技をやめることも考えましたが、木原龍一さんがペアをやりたいという話を聞いて思いとどまりました。ソチオリンピックから団体戦が新しく導入されるけれど、ペアがいないと日本のチームは試合に出場できないので、日本に貢献するためにもペアとして出場を決めました。

ーケガに悩まされることが多かったんですね。ちなみに、成美さんがスポーツを行う中で最も喜びを感じたことは何でしょうか?

試合に勝つ負けるではなく自分の実力、自分が練習してきたことを100%発揮できた時が一番嬉しいですよね。周りの選手が強くて負けたとしても自分がやってきたことを発揮できた時は嬉しいし、勝ったとしても自分の中で満足できなかった時は悔しいです。

ーなるほど!自分との戦いということなのですね!すごいです。ペアでやっていても個人の動きが大切になってくるかと思うのですが、そこに難しさはありますか?

相手とタイミングを合わせることに時間がかかって苦労しました。試合中に緊張して相手がいつもと違う動きをすることを予期できるように毎日の練習の中で相手の体調には考慮しますね。練習の中で意見が食い違ってしまった時の難しさもあります。

ーペアならではの難しさですね!その一方でペアだから良かったことはありますか?

ペアだから良かったことはたくさんありました。
まず一人ではできない技が経験できます。リフトやスロージャンプ(男性が女性を投げる動作)で到達する高さは絶対に自分だけでは経験できません。
あとは舞台の上に二人でいることで安心感が生まれますね。私は本番に強いという印象をもたれていましたが、実際に本番に強くなったのはペアになったからです。シングル選手の頃と比べて不安や緊張から失敗することが減りました。

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ーペアとの信頼関係あってのことですね!フィギュアスケートを続けていて大変だったことはありますか?

最も大変だったことはフィギュアスケートならではだと思いますが資金面の問題ですね。練習するにもリンクの貸切料やレッスン料、スケート靴や衣装・音楽・振り付けなど全てにかなりの金額がかかってしまいます。私は高校生の終わりに続けるかどうかの瀬戸際でスポンサーの方のご支援によって競技継続ができ、成績を残すことができましたが、良い選手なのに資金面で諦めてしまうことが本当に多いです。

ーやはりフィギュアスケートはお金がかかるスポーツですよね。様々な人が平等にスポーツができる環境へのサポートを弊社でも実現したいですね。そのほかに指導の面で大変だったことはありますか?

フィギュアスケートは幼い時から始めないといけないと言われている競技ですが、幼い時にくせや基本が固まってしまうので、その時に良い指導者についてなくて誤った技術を教えられるともちろん体を壊す原因にもなりますし、その先へ続かない基本が身についたりすることもあります。幼少期に良い指導者に巡り会えるかどうかが重要だと思っています。
ペア競技の指導者は選手二人の意見が食い違った時にどのように立ち振る舞うかという問題もあります。

ー選手たちの関係を維持する力も問題としてあるんですね!

そうですね。最初の頃は技術が問題としてありますが、一定の技術レベルを超えてくるとほとんど人間関係が問題として多くなると思います。

ーフィギュアスケートは難しそうに思いますが、他のスポーツとの違いはどこだと感じていますか?

多くのスポーツは点が入ったら勝ちみたいなところがあると思いますが、フィギュアスケートはルールがあってそこに対する評価があります。ただしそのルール自体が流動的でどんどん変わっていくので評価の対象も変わってしまいます。ある時期にはジャンプが重要視されていてジャンプに力を入れていれば評価が高かったのに、次の年には芸術性を重要視されたりします。芸術性には定義がないので、成績1位になった選手は芸術が高いというように評価に人の感情が入ってしまうところもいまだに少しあるので、競技者も指導者も頭を悩ませていますね。

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3. Sportipアプリの活用と今後について

ー難しいですね...Sportipアプリを初めて経験した時の感想を教えてください!

自分の姿勢をたった2回撮るだけで分析できることにびっくりしました!私は今まで姿勢分析はプロと一緒に行うものだというイメージを持っていました。練習拠点が海外だったので、年に5,6回くらい帰国した時に姿勢のデータをとって、プロの方が分析してトレーナーがそのデータを元にトレーニングを組むという形でした。Sportipのアプリがあれば海外で友達に撮ってもらえばリアルタイムで日本と海外の連携がとれたのになと思いました。

ー海外にいても細かいデータをベースに指導ができればよかったということですね!

データの共有ができた方が説得力もあって納得しやすく覚えやすいし、感覚にも落とし込みやすいと思いますね。

ーそうですよね!今後Sportipのアプリに期待することはありますか?

フィギュアスケートでは滑る角度が重要なので個人にあった最適な角度の分析、ここで飛んだらここに降りるというような評価がわかれば良いと思います。データを基に二人の感覚を一致させて、自分たちにとって何が正しいかを共通化できれば練習も捗ると思います!

ーフィギュアスケートもアプリとの親和性が高いと思うので、開発できれば良いなと思っています!

ぜひお願いします!指導者として活用させていただきたいと思っています!

ーそうですよね!高橋さんは理想の指導者像をお持ちですか?

日本のペアを育てられる指導者になりたいです。ペアの指導者は1対1ではなく、1対2や1対2対その両親というように対象が大きくなってくるので、リーダーシップのとれる人間性がしっかりした指導者になりたいと思っています。どんな選手にも様々な才能があると思うのですが、その才能を伸ばせる指導者というのは選手にどれだけやる気を出させるかというところだと思うんですね。カリスマ性のある指導者は他の人と同じことを言っているのに、みんなの理解度が変わってきたり、指導者に認められたいと思って頑張ったりするんですよ。自分のためにやっていることだから、指導者に認められることが正しいかどうかはわかりませんよ。だけど理由はわからないけれどこの指導者に褒められると嬉しいと思わせることが良い指導者の条件かなと思います。

ーなるほど!

私は挫けそうな時に技術面で助けられた思い出よりも精神的に支えられた思い出の方が競技を終えてから強く残っていますし、競技を終えてからの人生においても指導者からもらった考え方は役に立っていくんだろうなと実感しているので、指導者にはそういった人間性においても指導するということが大事なんだと思いました。

ー本当にそうですよね!我々は人間の価値は人のモチベーションを上げていったり、人を引っ張ったりというところが重要だと思っています!指導者にしかできない価値を作るために無駄な時間を削ったり科学的なデータを取得できたりというサポートができたら良いなと思っています!

4. 最後に、Sportipに一言お願いします!

アプリは練習を効率化させるだけのものだと思っていましたが、アプリを使うことで指導者と選手の人間的なコミュニケーションにもっと重点をおけるとさらに良いなと思います!技術面をアプリに任せることによって人間性を重視したコミュニケーションや関係を確立させていくことができる期待していますので、これからももっと色々な方面からアプローチをかけて極めていってください!

期待してます!楽しみです!

ーありがとうございます!技術だけではなく、選手がパフォーマンスを上げるためにもやる気を上げたり、指導者としっかり結びついたり、あるいは遠隔でも現場と変わらず指導ができるようなサービスへ成長していきます!我々Sportip一同、頑張っていきます!

今回は、高橋成美様にお話を伺いました。

お読みいただいた方にも同じような課題をお持ちのスポーツ関係者の方がおられましたら、ぜひSportipにご登録ください!

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