見出し画像

「価値」を「マネタイズ」するのが、日本のスポーツビジネス関係者のミッションではないか。

日本のスポーツ(ビジネス)は、価値も、底力も、可能性もある。データが、それを示している。日本の女子サッカーの(コンテンツ)「価値」。日本のバスケットの(コンテンツ)「価値」。日本の野球(高校野球・NPB)の(コンテンツ)「価値」。今までは、日本国内は「視聴率(世帯)(関東)」が、周知されていて、米国の視聴率との比較が、難しかった。しかし、視聴者数、観客数が、周知されるようになり、日本と米国のコンテンツ価値(視聴者数・観客数)が比較できるようになった。そのデータを直視すると、日本のスポーツの大きな「価値」が明確になり、米国の巨額の「放映権収入」「スポンサーシップ収入」などとのギャップ≒マネタイズこそが、スポーツビジネスサイドが行うべきことだと分かる。さらに、「単価」の値上げ≒マネタイズ(スポンサーシップ、チケット、ホスピタリティ、命名権、TVCM提供料、コンテンツ・ユーザー課金など)が、重要となる。つまり、日本のスポーツは、大きな「価値」がある。しかし、それをまだまだ、「マネタイズ」していない。「価値」を「マネタイズ」するのが、スポーツビジネス関係者のミッションではないか。アメリカ・ヨーロッパの収益規模情報のみで、”あめりかすげー、欧州すげー、日本は遅れてる”で思考が止まっている。かつ、日本スポーツの「価値」をきちんと伝えているメディア、報道はほとんどない。日本はダメ、日本は遅れているの評論は、駆け巡るが、日本のスポーツの価値・データをきちんと認識し、マネタイズできる人を増やさなければならない。


①衝撃的データ:FIFA女子ワールドカップ2023での、なでしこジャパンの日本国内の視聴者数は、米国内のアメリカ女子代表の視聴者数を上回っている。


ノルウェー戦・(日本国内)平均視聴者数:6.72millions (672万人)・到達人数1458万人
スウェーデン戦・(日本国内)平均視聴者数:7.11millions (711万人)・到達人数:1778万人
(すべてNHK)
米国女子代表ベトナム戦:(米国内)平均視聴者数・6.26millions(626万人)(FOX+NBC Universal)
ちなみに、米国の人口は、3.3億人。日本の人口は、1.3億人。米国の人口は、日本の2.54倍。

「バイアス(偏見)」記事を鵜呑みにしてはいけない。こんな記事が流布されていた。この記事:”米国の関心度は日本と雲泥の差”は本当か?

しかし、現実は、日本の視聴者は、多い。日米の関心は雲泥の差ではなく、むしろ、数字は、日本が上回っている。FIFA Media(下記のXのアカウント)でも、(Japan)「An average  audience of 6.72 million viewers watched on at home as Japan.    
(USA) An average audience of 6.26 million viewers (all channels and platforms combined).これは、米国は、ベトナムとの初戦、日本は、ベスト16での試合の違いはある。かつ、時差・放送時間の点もある。しかし、「日米は関心に雲泥の差がある」という夕刊フジの記事は、事実では無い。雲泥の差ではない。むしろ、人口比も考えると、日本の関心は高い。選手たちが頑張り、日本の女子サッカーへの関心は高い。「価値」がある。その価値を、”集客(チケット・ホスピタリティ・Weリーグ・マネタイズへの戦略は後述)””放映権料””スポンサーシップ””グッズ販売”などの収益(マネタイズ)に変換しなけれなならない。それを、選手・スタッフに分配、観戦環境などに、再投資する。

②衝撃的データ:バスケット日本代表のカーボベルデ戦の日本国内の視聴者数は、NBAfinal2023の米国内の視聴者数より多い。しかし、NBAの放映権収入は莫大である。

バスケット・FIBAワールドカップ・日本代表戦(日本国内視聴)
カーボベルデ戦・平均視聴者数:1777万人・到達人数:3212万人
ベネズエラ戦・平均視聴者数:1043万人・到達人数:2750万人
オーストラリア戦・平均視聴者数:972万人・到達人数:2359万人
フィンランド戦・平均視聴者数:628万人・到達人数:1754万人
ドイツ戦・平均視聴者数:616万人・到達人数:1885万人

NBAファイナル2023(第3戦)・平均視聴者数:1123万人(米国内)
NBAの放映権料収入(米国内)は、9年総額で、240億ドル(3兆5423億円

今回のFIBAワールドカップでの、バスケット日本代表の視聴者数は、NBAの米国内の視聴者数に全く引けをとっていない。一方、NBAの米国内の放映権収入は、9年間で3兆5423億円。放映権収益には、大きな違いがある。日本は、同等の視聴数的「価値」を持つ、日本のバスケットコンテンツをもっと「マネタイズ」する必要がある。

③衝撃的データ:夏の甲子園2023の決勝の平均視聴者数は、NCAA・March Madness2023の平均視聴者数とあまり変わらない。しかし、March Madnessの放映権収入・スポンサー収入・興行収入は、莫大である。

2023夏・甲子園決勝:平均視聴者数・1114万人

2023NCAA・マーチマッドネス男子決勝・平均視聴者数・1469万人
2023NCAA・マーチマッドネス女子決勝・平均視聴者数・990万人

NCAAの放映権(アメフトを除く・バスケット・マーチマッドネスメイン)収入:14年・108億ドル(1兆5951億円)・年間1139億円
NCAA・
スポンサー収入・年間8.4億ドル(1243億円)
NCAA・
興行収入・年間1.3億ドル(192億円)
日本の高校野球は、NCAAのマーチマッドネスの同様の視聴者数「価値」がある。しかし、マネタイズには、大きな差がある。価値を「マネタイズ」し、各高校に分配やスケジュール緩和などが行われるべきである。

テキサス工科大学・浅田先生による資料

今年の3月、実際に、米国・UCLAでのMarch Madness を観戦、リサーチしてきた。NCAA・March Madnessは、複数のスポーツで行われるが、圧倒的に注目され、放映権料とスポンサーシップが巨額なのが、男女のバスケット。全米各地で予選と、決勝大会が行われる仕組みは、日本の高校野球・甲子園、高校サッカー・国立競技場とも似ている。4局のTVネットワークが、大体、2時間おきに、放送して、次から次と、大学同士の試合を放送する。ベスト8をElite Eight、ベスト4をFinal Fourと呼んで、EとE、FとFで、掛け言葉にして、ブランド化している。当然、決勝は、大観衆で、視聴者数も多い。なんと、その視聴者数は、日本の甲子園決勝とそれほど変わらない。かつ、甲子園も、終盤は、甲子園球場が満員になる。観客数、視聴者数の価値は高い。しかし、放映権料・スポンサーシップ料がそれこそ、雲泥の差。高校野球に関しては、そもそも商業行為を禁じる、野球憲章がベースになっている。なので、この価値をマネタイズ(放映権料とスポンサーシップ・スキーム)するには、
・野球憲章の改訂
・新しい収益を、高校への分配金(用具代、ユニフォーム代、遠征費、宿泊費、などに充当)
・新しい収益を、特に夏のスケジュールの緩和・ナイターでの試合・別球場も検討


④衝撃的データ:MLBのワールドシリーズの視聴者数と、日本シリーズの視聴者数は、ほぼ変わらない。観客数も、阪神はMLB3位相当、巨人はMLB7位相当。

日本シリーズ2022:1197万人(第7戦)
MLBワールドシリーズ2022:1178万人(1試合平均)
阪神タイガースの平均観客数は、MLBで3位、巨人の平均観客数は、MLB7位に相当する。

NPB年間総収入:約2000億円?
MLB年間総収入:108億ドル(1兆5962億円)
MLBが約8倍。もちろん、球団数も違うが、しかし、視聴者数、平均観客数はそれほど差がない。観客数も、阪神はMLB3位相当、巨人はMLB7位相当。だからビジネス価値・コンテンツ価値はある。NPBは、視聴者・観客の点では、MLBに負けない、「価値」がある。しかし、マネタイズ≒収益・売上・放映権料などで、大きく差がある。NPBもその価値をマネタイズする必要がある。どうマネタイズしていくか、を下記に記した(プロ野球もシングルエンティティにして、バルクで放映権を販売したほうがいい、議論はここではしない。理由は、時間がかかる、本当にそうすれば、高額の放映権収入になるのか?(地上波が一括で買うか?買わない、OTTが一括で買うか?これは可能性があるが、DAZNやアマプラやABEMAが驚愕な投資(現在でもDAZNは購入している)を追加でするか?分からない)。ちなみに、Jリーグは、放映権に関しては、シングルエンティティである。制度改革も必要だが、そればかり批判して、待っていたら、選手たちは引退してしまう。今できることと、中長期の改訂と、両面。リーグがー、協会がーの他責思考は、マネタイズが止まってしまう。

⑤「価値」を「マネタイズ」するために:観戦環境への投資(関心を集客へ繋げる)、スタジアムへの投資と地域活動、受け皿

Weリーグの最大の、かつ、喫緊の課題は、「集客」である。なでしこジャパンの健闘・躍動、(事実は)なでしこジャパンは、米国に負けない視聴者数(関心が薄い、盛り上がらないと報道されていたが)。「価値」がある。一方で、Weリーグの集客、スポンサーシップ、放映価値向上、OTTでの視聴者増を行い、「マネタイズ(収益増)」を行わなければならない。あんなに、選手たちは頑張り、多くの人が視聴・関心を寄せたのだから。多くの人に、女子サッカーの魅力は伝わっている。
Weリーグ:平均観客数1401人(2022−23)
(米国)NWSL:平均観客数7917人(2022−23)
この差は、”アメリカは女子サッカーが盛り上がってる”という大きな主語では、説明できない。下記、3つの戦略、戦術を。

1)観戦環境への投資:(スタジアム・周辺イベント・ホスピタリティ・飲食・グッズ)

関心は高まっても、スタジアム・アリーナに足を運ぶのには、まだまだ、壁がある。よく「認知」が足りない、「宣伝」が足りないとも聞くが、もちろん、プロモーションは継続しなければいけないが、別にクラブやチームや協会は「宣伝費」などはほとんどない。広報・発信を続けつつ、「観戦環境」の改善や投資をしなければならない。昨年度も、Weリーグの、日テレベレーザ、埼玉ちふれ、浦和レッズレディースなどの試合も観戦した。試合内容は素晴らしく、面白い(女性スポーツのレベルガー評論もよく見かけるが、そこは相手にしない)。スタジアムでも、スタグルやエンタメ、サンプリングなども行われている。中長期的には、綺麗で、観戦しやすく、大型ビジョン、グッズやコンセッション(飲食)、ホスピタリティ・VIPルームも完備した、スタジアム・アリーナで観戦したい。リピートも、友人・家族勧誘やファンクラブ・コミュニティにも、入りやすくなる。

欧州の女子サッカーとともに、米国の女子サッカーリーグ(NWSL)も集客を増やしている。観戦環境への投資(スタジアム、コンセッション、マーチャンダイジングなど)と地域化である。LA・BMOスタジアム(MLS・LAFCとNWSL・エンジェルシティFCのホームスタジアム)にリサーチで訪問した。エンジェルシティFCの平均観客数は19105人。スタジアムに投資をして、観戦の顧客満足を醸成し、リピーターから、観客を増加させている。
LAFCは、MLSの中で、最も、企業価値の高いクラブと言われている。
下記が、リサーチしてきた時の映像(Xにアップ)。

2)地域活動(実は、価値をマネタイズする、地道な活動):

スタジアム・アリーナ投資には、時間がかかる。中長期的な計画になる。一方で、集客のための地域活動は、すぐに取り組める。たとえば、年間、200回近く、地域活動を行っているか?
Bリーグ、Bクラブは、新アリーナ構想や売上、観客数などが、注目されるが、そのベースには、多くのクラブが、「地域活動」を年間150から200以上行っている。
実際に、秋田ノーザンハピネッツを訪問、観戦し、取締役から、活動の詳細もヒアリングしてきた。地域コミュニティ活動を、年間181回。2日に1回は、秋田のどこかで、地域活動をしている。秋田ノーザンパピネッツは、リサーチ時は、平均3687人観客動員。
MSBS(ミッションスポーツビジネススクール)には、多くのBクラブ、Jクラブ、NPB、リーグワンクラブ、地域クラブなどの幹部・職員やコーチ、選手などが参加しているが、Bクラブは、地域活動の回数が、半端ないことも、ディスカッションし、ナレッジ・経験の共有をした。

秋田ノーザンハピネッツのバリューマップ(ミッションスポーツ作成)

3)受け皿(普及):

女子サッカーには、競技人口、特に中学生年代のサッカー環境(要は、中学校に女子サッカー部がない)の課題が、ずっとある。米国やドイツの女子サッカー人口は、100万人前後おり、日本の数万人とは、2桁ちがう。それなのに、なでしこジャパンは、今回のワールドカップも含めて、懸命に戦ってきた(今大会では、ドイツ、米国より順位は上であろう)。いままでは、いわば、少数エリートを強化してやってきている。しかし、これも限界に近い。競技人口、特に中学生年代に、サッカーの機会を提供しなければならない。なでしこ広場やガールズ8など、女子へのサッカーの機会提供は、JFAとしても行っている。私も、JFA時代、女子サッカーも担当し、女子部会委員でもあったので、「未来のなでしこプロジェクト」や「ガールズ8」の大会開催なども行ってきた。現在、部活動の民営化の課題もあり、地域クラブ、学校、民間企業が連携して、女子サッカーチーム、大会、リーグ、機会の醸成をしていくことが重要。この「受け皿」問題は、ラグビーなどでも同様の課題がある。テレビで、ワールドカップでの日本代表の活躍をみた子供達が、ラグビークラブ、ラグビー部に入れるように、地域でも、機会、クラブを増やしていかなければいけない。(高校部活でさえ、人数の問題や指導者、強豪校が集中、などの課題で、頭打ちである)。「普及」は、価値向上への重要な活動である。

⑥「価値」を「マネタイズ」するために(2):視聴環境への投資、放送局・OTTが市場競争で取り合うコンテンツに(CM料金値上げ・課金の収益増)

”米国は視聴率争いで放映権が上がっている”って、ざっくり、テキトーな話が流布されている。まてまて、視聴率を争ってるのは、日本も同じだ。かつ、日本のスポーツコンテンツの多くは、視聴者数が多い。アメリカに住んだり、長期で滞在すると分かる。アメリカは、めちゃくちゃ多チャンネルで、ケーブル一括契約などで、課金かつ、一つのチャネルの視聴者数は、日本ほど多くない。例えば、FIFA女子ワールドカップの米国内放映権を持つ、FOXの例えば、FOXニュース(ワールドカップの女子サッカーも取り上げる)は、ゴールデンタイムで、視聴者数は360万人ほど。一方、女子ワールドカップ後、宮澤ひなた選手、藤野あおば選手が生出演した「サンデースポーツ」は、平均視聴者数が438万人(直近のデータ)。日本のNHKのニュースの方が、人口が日本の2.54倍のアメリカ・FOXニュースより、視聴者数は多いのである。かつ、今回は、中継以外にも、NHKのニュース、報道ステーションなどで、連日、FIFA女子ワールドカップのことは取り上げていた。米国のテレビ番組よりも、視聴者数が多い番組で。だから、”報じない”評論、米国より”報じない”評論は、事実と違う。しかし、これだけ選手が頑張り、試合中継の視聴者も膨大だが、それを「マネタイズ」「集客」「スポンサーシップ収益」に繋げきれていない。

サンデースポーツ
サンデースポーツ

日本は、民放・地上波は、TVCM収益のビジネスモデル。基本は視聴率と収益は比例する。視聴者数は、米国のスポーツコンテンツに、負けていない競技もある。しかし、放映権収入、スポンサー収入の金額で大きく差をつけられている。原因は
・TVCM単価が、全く値上げできていない、上昇していない。
・視聴者ひとり当たりのCM単価が、安いまま、全く値上げしていない。
・日本の民放(地上波)は、CM収入がベースで、視聴者は無料で視聴できる。米国は、ケーブルなど直接課金で、NFLなどのキラーコンテンツは、毎年のように値上げをし、複数のテレビ局・OTTの取り合いで、放映権料が上昇している。
・日本は、視聴率が倍になるわけでもないと、放映権料を倍とかにしづらい(購入サイド)。放映権料が倍になっても、CM料金を倍に転嫁できない。CMスポンサー企業が、視聴率が倍になるわけでもないのに、提供料金を倍にするなら、その番組は提供しない。だから、価格は上がらない(これの繰り返し)。放映権料を上げるためには、テレビ局・OTTが複数、そのコンテンツを購入したい状況(市場競争)が必要である。

・そのため、スポーツのキラーコンテンツは、「複数の地上波」と「OTTまたはCS」などが、共同購入し(ラグビーW杯や、バスケットワールドカップや、WBCや、FIFA(男子)ワールドカップはこのパターン)、全試合は、OTTまたはCSが放送し、注目の試合(日本代表や決勝、開幕戦)は、複数の地上波で放送する。バスケットワールドカップは、何より、選手・コーチたちの頑張りもあり、このスキームが奏功した。日本バスケ史上、最高の視聴率(テレ朝・日テレ)であり、事前の、テレビ朝日・アメトーーク、モーニングショー、報道ステーション、日テレ・GOINGなどでの取り上げられ方も、とても注目喚起に良かった。

テレビ局は、CM料金の値上げを。OTTは課金増(加入者増)を。そのために、スポーツは、有効であることを提示し続けなければならない。

⑦「価値」を「マネタイズ」するために(3):世界に誇る、日本のスポンサーシップ・アクティベーション

日本のスポンサーシップ・アクティベーションは、世界に誇る、スポーツ活用の規模と緻密さである。
FIBAワールドカップの時期の、マーケティングも、史上最高のバスケットのマーケティング、スポンサーアクティベーションであった。ソフトバンク、日本生命、三井不動産、三井住友信託などのアクティベーションも凄まじかった。国代表コンテンツで、ここまで、複合的スポンサーアクティベーション(TVCM、1000万人以上が視聴する番組、SNS、イベント展開、グラスルーツ展開、流通対策、店頭プロモーション、プリントメディア、取引先招待、VIP・ホスピタリティ、インナーインセンティブ、店舗ポスターなど)は、(もちろん、例えばアルゼンチン代表とキルメスビールとか、ブラジル代表とCoca-Colaとか、ありますが、)これだけ、包括的、複合的、権利活用したマーケティングは、海外でもほとんどない(50カ国にスポーツで出張していますが、見かけません)。
・FIBAワールドカップのローカルパートナー
・バスケット日本代表パートナー
・渡邉雄太選手など、個人肖像契約
・クリエイティブ制作
・番組提供
・SNS、オンライン展開
・グッズ、チケットキャンペーン、販売促進

ラグビーも、現在、大正製薬、アサヒビール、三菱地所、三井住友銀行などが、スポーツの権利を活用した、アクティベーションを行なっています。

スポンサーシップ企画、アクティベーションプラニング、スポンサーシップ料金増額、効率化、スポンサーへの価値提供、スポンサーの価値活用は、これからも、日本市場は成長できるでしょう。日本のスポーツの価値を認識し、それを企業に提供し、企業側は、活用して、ブランディング(オンライン、オフライン)や販売促進、取引先接遇、インナー・インセンティブなどを行なっていく。採用やインナー表彰なども、昔から、スポーツマーケティングの世界では、活用されている。

⑧参考:積極的にスポーツマーケティングを行う、アサヒビールの「値上げ力」

アサヒビールは、欧州を中心に、ラグビーワールドカップ、マンチェスターシティ、日本国内では、ラグビー日本代表、横浜Fマリノスなどと、パートナーシップを結び、販促活動、流通対策、「値上げできる」「値引きしない」ブランディング投資を行っている。日本のスポーツ界で、スポンサーシップ料、チケット代、放映権料、メディアのCM料金、出稿料を、「値上げ」「インフレ」するのは、至難の技。しかし、欧州も、米国も、中東も、アジアも、「インフレ」している。海外スポーツのキラーコンテンツの放映権料も、「インフレ」しており、それを購入して、CM料金・課金料金に反映させるのは、大変である。スポンサー側、テレビ局側、OTT側が、なかなか了解しない。そこで、むしろ「値引き」し、経費やマーケティング投資を削減し、利益を担保している。しかし、「安いニッポン」のままでは、賃金もあげられない、海外とのコンテンツ確保も、できない。アサヒビールは、下記の日経の記事にあるように、価値を落とさず、値引きせず、マーケティング投資を行い、「値上げ」「プレミアム価格設定」を行い、それが、株価にも好影響を与えている。値下げと経費カットで利益を確定している企業は、成長しない、株価も頭打ちになるかもしれない。
スポーツサイドも、「価値」を下げず、むしろ向上させながら、「値上げ」「高付加価値」「生産性の高い」スポンサーシップや放映を。ちなみに、値引きしない、ブランディングは、別にロゴを新しくしたり、ランディングページを欧米のスポーツクラブを真似るデザインにすることではない。そのスポーツコンテンツの「価値」を形・具現化して、顧客(ファンやスポンサーや地域やメディア)に価値提供すること。値引きせず、パクリもせず。

⑨ハンドボールも、2日間連続で1万人を動員できる、「価値」の潜在力。それを、持続的マネタイズ(収益化)へ。

有明アリーナにて、ハンドボール・PSG対ジークスター東京、ハンドボール日本代表が行われ、日本ハンドボール史上最高の観客数。連日、1万人を超えました。

・ハンドボールファン、関係者、待望の試合の実現・プロデュースであった。
・潜在的な、ハンドボールファン、競技者、関係者、部活動経験者の人数は多い。
・有明アリーナという舞台、観戦環境が良ければ高額でもチケットが販売できる。
・事前の広報・PR
・素晴らしい、パートナー企業、スポンサー企業
・FUTUREという上場企業の、長期的な、ハンドボールへの投資
・ジークスター東京という、いち早くプロ化したチームが、さまざまな事業ノウハウを蓄積してきた。

ハンドボールの人たちの夢が一つ叶ったかも。試合は最高の雰囲気でした。フランス関連の展示も多かったです。
これを、リーグやクラブにも持続的に、つなげていかなければならない。ハンドボールの潜在的な「価値」は、証明された。それを、リーグの集客、スポンサーシップ、放映価値、視聴者増加と、持続的「マネタイズ」に。その参考に、この2試合は、示唆に富んだイベント・試合である。下記の、パートナー一覧を見ていただきたい。これだけの企業が、ハンドボールのパートナーになり得る。

2日間・1万人超え
ハンドボールPSGジャパンツアーのパートナー企業(一流企業が並ぶ)

ハンドボール女子日本代表のパリ予選・韓国戦(決定戦)に、広島に行きました。素晴らしい試合でしたが、惜しくも強豪韓国に、1点差で敗れました。目の前で観戦しましたが、ハンドボールのど迫力と楽しさがふんだんに詰まって、めちゃくちゃ面白い。みなさん、日本代表の相澤菜月選手(北國銀行ハニービー所属)とか知ってますか?ものすごい選手で、強肩のシュートもやばいです。ハンドボールそのものには、「価値」「ワクワク感」がある。それを、いいアリーナ、テレビ放送、配信、競技・試合環境・観戦環境・視聴環境を、向上させれば、もっともっと「マネタイズ」できる。集客、パートナー企業、放映・配信も広がる。ガバナンスや制度設計も大事ですが、そればかり議論していても、前に進みません。選手は、1日、1日が重要。制度が変わるの待つのではなく、積極的に、「価値」を「マネタイズ」へ。

⑩「価値」を「マネタイズ」に変換できる、プロを数多く輩出するために:MSBS(ミッションスポーツビジネススクール)(第10期募集)

「価値」を「マネタイズ」できる、スポーツビジネスのプロを輩出するために、ミッションスポーツビジネススクール(MSBS)を開催しています。
今回は、その第10期を募集します。

募集期間・申込要綱
募集期間:2023年9月21日(木)ー 10月5日(木)
募集締切:10月5日(木)24時
参加申込み:下記を記入の上 t.mitsuta@mission-s.jp 満田(みつた)までに送付。参加可否を10月7日(土)までに通知します。その際、手続きなどもご連絡いたします。
・申し込み要綱:
1:お名前:
2:連絡メールアドレス・携帯番号:
3:ご職業・部署・お仕事内容など(学生の場合部活動・専攻など。転職、起業準備中の方はその旨お書きください):
4:参加の動機(字数100字から200字ぐらい):
5:スポーツビジネス・スポーツマーケティングで学びたいこと(字数100字から200字ぐらい):
*個人情報を、このスクールの連絡用に使う以外はいたしません。

*質問等も t.mitsuta@mission-s.jp ミッションスポーツ 満田(みつた)宛て

講座・ゼミナール期間:

2023年10月17日(火)ー 2023年12月23日(土)
40講座(独自プログラム)・個人演習・グループワーク・ゼミ・アウティング
Aコマ(時間が選べます):火曜日夜8時(日本時間)、または水曜日朝8時(日本時間)
Bコマ(時間が選べます):金曜日夜8時(日本時間)、または土曜日朝8時(日本時間)
テーマ別/競技別/地域別ゼミナール・コミュニティ
アウティング(リアルスポーツマーケティング・交流会)
*講座・ディスカッションは、ZOOM使用。日本中・世界中から参加できます。
*講義は録画しますので、録画聴講もできます。
・参加費用:全講義・ゼミナール・コミュニティ・アウティング(交流会)参加:10万円(税込)(参加通知の方に、振込口座名・口座番号をメールにてご連絡いたします。)

どこにもないプログラム
MSBSゼミ生
MSBSゼミ生

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?