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山歩き:海外生活日記

最近は余暇にはピアノばかり弾いているので、Noteでもバッハやモーツァルトなど、クラシック音楽のことばかり書いているけれども、今回は一般受けする山歩きのお話。

いつも家にこもって本を読んで、音楽を聴いてピアノばかりを弾いているわけでもないのです。

アウトドアライフを楽しむには最高の土地に住んでいるのですから。

前の日曜日、車で25分、隣町の山を子供達と一緒に登ってきました。

山道では面白い言葉にたくさん出会って、いろんな登山客とも出会って挨拶を交わし。山の上ではおいしいお弁当を食べました。

「空腹は最高のソースである」という有名な言葉がありますが、わたしとしては「山ごはんほどに最高のグルメはない!」と言い換えてしまいます。

山の上では何を食べても美味しい!

セルバンテスの言葉

山歩きごはん!

どこかのキャンプ場でソロキャンプして綺麗な空気を吸いながら都会の喧騒を離れた場所で美味しいご飯を食べることも素晴らしい。

次の人気漫画にとても共感したりもしましたが、

ただ一人でテントを張って酒盛りしながらキャンプするよりも、山歩きも含めた方がご飯はずっと美味しい、というのが我が持論。

次の漫画「山と食欲と私」の方がインスピレーションを刺激してくれる。

「ふたりソロキャンプ」の主人公は人間嫌いで、週末の独りのキャンプ生活を愛しているのだし。

でも自然をあまりに好きな人って、この漫画の二十七歳の主人公鮎美さんも含めて、どこか浮世離れしている。

彼女は女性なので、本能的に社交的なのだけれども、それでもよく一人で山を登る。

独りの時間と誰かとの時間を上手に使い分けているのかも。

最新の第18巻より
登りきった自分だけが眺めることのできる絶景
他人が撮った写真を見ても
同じ感動は決して味わえません
そしてここでお弁当を食べるのが最高にグルメです

山歩きと現世逃避

第三次世界大戦がいつ勃発しても不思議ではない時代に暮らしていながら、二十一世紀の南太平洋の平和な島国のわたしは、十八世紀のフランス革命前後の西欧世界の古典音楽に普段は夢中になっている。

前回歩いた山道の小川の上に
かけられた木製の橋の欄干には
このような言葉が彫られていました
落書きはいけないのですが。
Free Gaza (ガザに自由を)
ガザを支配するイスラム勢力ハマスは
隣国イランの傀儡でしかなく
イスラエル・ガザ戦争は
イランとの代理戦争に過ぎないのです
イランの隣のシリアのアサド政権は
ロシアに後押しされている
ウクライナの戦争は
自国第一主義を掲げる
トランプ前大統領の復職で
終わりを告げることだろう
あまりに美し過ぎる平和な山で見かけた
この言葉の意味は深い

わたしも浮世離れしているのは確かなのだけれども、山歩きをすると、都会の喧騒を逃げ出してきたような人たちにたくさん出会える。

そんな人たちがたくさんいることを再確認できる。

わたしは独りではない。

同志はいくらでもいるのだ。

そしてこれでいいと思っている。

世界を正しく見つめていられる感覚を保つためにも、時々山登りして森林浴しないといけない。

現実逃避しないキウィたち

しかしながら、この国ニュージーランドの山の中では、スポーツ大国らしく、運動馬鹿が山道をトレーニングとして走り回っている。

彼らに言わせてみれば、体を動かすことこそが人生最大の快楽なのだそうだ。

自分には無縁そうな人たちだけれども、自然に癒されるためだけに山道を歩いてゆく人も確実に存在している。

今回、自分たち登ったのは、北島ハミルトン市の北側の隣町のナルアワヒアと呼ばれる小さな街のはずれの山。

Google Map
国際空港のあるNZ最大の都市オークランド
から車で二時間くらいのところ

標高374メートルなので大した登山ではないのだけれども、こちらの山は概して低い山ばかりで、手軽に足を運べるので、山は街の一部であるかのように市民たちに日常的に愛されている。

今回もカラフルなスポーツギアに身を固めた筋骨逞しい若者たちや若い女の子たちにシニアに家族連れの一家など、ありとあらゆる人たちに出会えた。

山で出会う人たちはとてもフレンドリーで朗らかだ。

でも肖像権の問題が生じては困るので、登山者たちの写真はここではNG。

走り回る人たちは。街の生活に疲れているから、山に向かうって感じがしない。

日々の筋トレのために山に登っている。

ニュージーランドの山登りはスポーツなのだけれども、いろんな山登りがあってもいいと思う。

わたしはのんびりと登ってゆく。

山登り開始

駐車場からマオリの彫刻が刻まれた立派な鳥居のような門をくぐりぬけて参道に入ってゆくと、緩やかな山道がしばらく続く。

やがて急に眼前にはとても頑丈そうな階段が現れる。

この階段が1376段続いてゆく。

百段ごとに数字が刻まれているので、何段登ったのかがわかる仕組み。

時々山道の合間に臨める絶景
ナルアワヒアの街の真ん中を横切るように流れてゆくワイカト川

「階段が好き」さんに喜んでもらえそうな、風情ある階段がひたすら登ってゆく。

楽しいのは何度も途中で見つけることができる登山者を励ます言葉

「千里の道も一歩から」
老子
「心構えは大きな違いを作る小さなものだ」
ウィンストン・チャーチル
「脂肪が泣くと流れるのが汗だ」
ダイエットしたい人への最高の励まし(笑)
1300段目
「挑戦されていると感じないならば、
あなたが変わることはない」
フレド・デヴィート
我々が克服するのは山ではなく
我々自身なのだ

山頂近くで見つけるクライマーには最高の名言
黄色のプレートには1376段の階段、山の下の駐車場から1476段
よく頑張ったね、おめでとうと書かれています。

一時間半の階段登りの苦行の果てについに登頂!

45度から60度くらいの急な斜面の階段ばかりだった。

距離は短いけれども、かなりの急斜面の山登りだったので、わたしは何度も息切れしてしまった。

でも運動服のキウィたちはそんな急な階段を高速に駆け上がってゆく。

過酷なトレーニング。

地元のアスリートたちは何分で往復できるかのチャレンジをしているかのようでした。

走る人はこれを半時間くらいで登りきるのでは。

ああ運動馬鹿ばかり!

わたしにはほどほどの良い運動になりました。まあ山登りとしては初心者向きの山。

三時間登りっぱなしの上級者向きの山を以前登った時には、下りでは死にそうになりました(笑)。膝がガクガクになって。

でも今回は楽勝でしたね。

山頂

山頂における素晴らしい眺望!
雲が天頂高くにはないのがニュージーランドの空の特徴
国名のマオリ式の呼び方はアオテアロア
「白い雲のたなびく土地」という意味
まったくその通り
自分の住んでる隣町まで見渡せます

山頂には櫓が建っていて、周りの風景が一望できるようになっていました。

この国は平地が多くて、時々丘のような山が点在しているのですが、今回の山もそんな山。

周りには高い山はないので遠くまでよく見渡せて、自分の住んでいる隣りの街までもよく臨めたのでした。

みんなでチキンの丸焼きにカボチャサラダと
梅干しのおにぎりを頬張りました
写真は自家製のパウンドケーキ。
三日間ブランデーに漬け込んでおいた
レーズンやアーモンドが絶品でした
山登りの後の食事は格別です

下山

下りの階段

途中で面白い生き物に出会いました

Field Mouseという
体長5センチほどの
可愛らしいサイズの小さなネズミ
都会で見る大型のネズミは
Ratsと呼ばれて嫌われますが
山ネズミはペットにしてしまいたい
くらいに愛らしい
大人しくて人を怖がることもない
真ん丸な体躯
童話や絵本に出てきそうな可愛らしさ
四匹ほどに出会いました

この山は水源としても優れているそうで、平地部分では絶えず小川が山道に沿って流れていました。

たくさんの滝にも出会いました。

かつては山の下の町の水不足を解消する手段として、溜池のようなダムさえ作られて利用されていたのだそうです。

小さなダムがこんな狭い山道のそばに
溢れ出る清水が以前は堰き止められていたのでした
要約すると「1922年から1970年代まで
山の水を町まで運んで
不足分を補っていました」
と書いてあります
かつての水道菅はずっと以前に撤去されたのか
見当たりませんでしたが
こんな山中から水を引いていたとは
飲み水というものは
それほどに大切なもの
命の源
大した水量でもないのだけれども
清水が流れる小川

午後の木漏れ日が神々しいほどに美しかった。

スマホのカメラではそのような美しさは収めきれません

我が家に帰ると

帰宅すると、留守番していた猫ちゃんが大きなお目々で台所の窓から出迎えてくれました(笑)。

窓枠は絵のフレームみたい

晩御飯のかぼちゃに体をなすりつけてご飯を催促

山歩き、山を登って、山ご飯。

帰り着いたら家ではカボチャ猫。

晩御飯にはパンプキンスープを作りました。

スープストックをベースにかぼちゃと玉ねぎを一緒に煮込んで、ハンドミキサーを使うと簡単にポタージュになります。

こんな日曜日なのでした。

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