見出し画像

BtoBtoCのカスタマーサクセス

行動変容でヘルスケア領域の課題解決を目指す会社、エーテンラボでC向けのカスタマーサクセスをしているだいちです。

現在、BtoBtoC のモデルで禁煙プログラムを担当し、エンドユーザーの禁煙成功のサポートをしています。なお、前職ではC向けのタスク管理ツールのカスタマーサクセスをしていました。

本記事では、BtoB・BtoC・BtoBtoCといった、各カスタマーサクセスの違いをまとめてみたいと思います。経験があるところは事例を交えつつご紹介します。


BtoB の特徴

  • 例:Salesforce, Sansan

  • 成功の定義:明確

  • ユーザーの数:少ない

  • 単価:高い

  • タッチモデル:ハイタッチ, テックタッチ, ロータッチ

  • 連携が深い部署:セールス

BtoBは単価が高く、機能が複雑なケースも多いため、顧客にハイタッチで伴走する動きが求められます。売上金額が高いところにはハイタッチ、低いところにはテックタッチやロータッチで対応する場面が多いでしょう。

随時プロダクトへのフィードバックも行いつつ、主にセールスと連携して相互にフィードバックし合う機会が多く発生します。

BtoC の特徴

  • 例:メルカリ, みんチャレ

  • 成功の定義:不明確(多くの成功パターンが存在する)

  • ユーザーの数:多い

  • 単価:低い

  • タッチモデル:テックタッチ, ロータッチ

  • 連携が深い部署:プロダクト

BtoCは単価は低いものの、ユーザーの数が多いです。そのため必然的にハイタッチの選択肢はなくなり、テックタッチかロータッチに絞られることになります。

C向けプロダクトを作っている会社は、セールス部門そのものがないかもしれません。少なくとも自分の前職ではありませんでした。そのような会社のカスタマーサクセスは、プロダクト部門と密に連携します。

C向けプロダクトのカスタマーサクセスの動き

過去、C向けプロダクトのカスタマーサクセスを担当していました。そこで行ってきた施策を時系列で整理します。

  1. どこに課題があるのかを探るため、データ分析をする(whereの特定)

  2. なぜその問題が起きているのかを探るため、N1インタビューを企画・実施(whyの特定)

  3. 得られた定量・定性情報をもとにして、課題を抽象化して洗い出す。その後、ファネル単位で課題を整理(whatを定める)

  4. 各課題に対して、具体的な解決策を考える(howを定める)

  5. 解決策を実行・実装する(howを実行する)

最後の実装部分では、動画コンテンツを作ったり、初期設定を最適化したり、プロダクトを改修したりしました。動きとしてはテックタッチ施策っぽいかも。

自分としてはPdMを意識していましたが、要件定義等はできない。グロースも意識はしていたものの、マーケティング側はそこまで意識できていない。そんな感じでふわふわしていました。が、参考にするロールとしてPdMやグロースは大いにありだと思っています。

下記のnoteでも BtoC カスタマーサクセスとグロースは関係ありそうだよね、と言及されています。

私が知る限り、これらのBtoCのビジネスにおいては、カスタマーサクセスではなく「ディレクター職/プランナー職」や「グロースハック職」のほうが先立つ職種として既に存在していたと認識しています。

カスタマーサポートとカスタマーサクセスの交差点(約1万文字)

BtoBtoC の特徴は?

では、BtoBtoC のカスタマーサクセスの特徴はどのようなものか。

基本的に「BtoC のカスタマーサクセスと同じ」と考えてよいと思っています。それはエンドユーザーがconsumerという点で共通しているからです。エンドユーザーの成功がクライアント企業の成功に直結するのは間違いありません。

タッチモデルもハイタッチではなく、テックタッチが基本になるでしょう。

BtoC とのいちばんの差分は、連携する部署だと考えています。BtoBtoC のカスタマーサクセス担当者は、エンドユーザーを見ているのでプロダクト側との連携はもちろんのこと、クライアントのユーザーを預かっているという点から、セールスやBizDevとの連携も必要になります。

上記はエーテンラボで BtoBtoC モデルを経験して感じたことなので、下記で事例をご紹介します。

みんチャレ禁煙プログラムの事例(BtoBtoCモデル)

みんチャレ禁煙プログラムは、その名のとおり3ヶ月で禁煙にチャレンジするプログラムです。肉体的依存の対策としてニコレット等をお配りしつつ、心理的依存の対策として5人1組の「みんなで禁煙がんばるぞ」チームを作り、そこでピアサポートの力を使って禁煙に取り組みます。

みんチャレ禁煙では、企業・健保がクライアントです。そして、そこに所属する従業員の方にみんチャレ禁煙を提供します。(なので厳密にはBtoBtoE)

このみんチャレ禁煙事業には大きな特徴があります。それは BtoC 事業が大きくなったことで、特定分野のソリューション(禁煙)を切り出して、クライアントに提供可能になったことです。つまり、原型はconsumer向けのアプリで、最初からBtoBtoC を目指してプロダクトを作っていたわけではない。

「みんチャレ」というプロダクトと、「みんチャレ禁煙」というプログラムがある。そこに面白さと難しさが混在しているんですよね。

たとえばエンドユーザーが困っていることを発見したとき、「みんチャレ」プロダクトを改修すればいいのか、「みんチャレ禁煙」プログラムを改修すればいいのか、その判断が必要です。

全ユーザーにとってプラスになるのであれば「みんチャレ」プロダクトに反映させるのが良いでしょう。そうなればプロダクト側と相談が必要です。一方で「みんチャレ禁煙」プログラムにだけ反映させて、禁煙の成功率を高める施策にしたほうが良いケースもあります。

もちろんクライアントの方からご要望をいただくこともあります。それはセールスや事業開発と連携しながら、「あーしよう」「こーしよう」と協力しながら施策を進めていきます。

この座組みで、個人的に面白いと感じているのは、「みんチャレ禁煙」プログラム改修の小回りが効く点です。

「みんチャレ」プロダクトに反映させるとなると、良くも悪くも影響が大きいため、全ユーザーを考慮した意思決定が必要です。

ただ「みんチャレ禁煙」プログラムに反映させるときは、影響の範囲が禁煙プログラムに参加している人に限定されるので、よりスピーディーに動くことができます。

おわりに

みんチャレ禁煙は、これからどんどんプログラムをブラッシュアップさせていくフェーズで、自分たちで作りあげていく感を得られるのは嬉しいポイントです。

実は弊社が実施しているプログラムは「みんチャレ禁煙」だけではありません。今後はヘルスケア領域を広くカバーできるように事業開発を進めていく予定です。イメージとしては、特定の課題を解決するプロダクトがぽこぽこ生まれていくような感じです。

というわけで(?)エーテンラボは積極採用中です!もちろん BtoBtoC カスタマーサクセスも!

我々は行動変容の会社で、今は特にヘルスケア領域の行動変容に力を入れています。興味があればぜひ下記の採用情報をご覧ください〜。

軽く話を聞いてみたい場合は、上記のサイトからカジュアル面談を申し込むことができますし、自分のTwitterのDMも解放しています。お気軽にどうぞ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?