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はじめてのBtoBtoCプロダクトマネジメント

ヘルスケア領域の行動変容に取り組むエーテンラボ株式会社で、toCのカスタマーサクセスをしているだいちです。

タイトルのとおり、現在はプロダクトマネジメントに近い役割を並行して担っています。toCのカスタマーサクセスは幅広い領域を扱うポジションなこともあって、プロダクトマネジメントとは地続きなところもあるかなと思ったり。

とはいえ、プロダクトマネジメントについて本格的に学んで、実践し始めたのはここ最近です。本ページは「はじめてのプロダクトマネジメント」というお題で、これまでトライしたことをまとめ、自分の頭を整理していくものです。どうぞお付き合いください。

プロダクトマネジメントとは何か

プロダクトマネジメントを自分なりの言葉で定義してみると、「獲得したいものを得るために、プロダクト実装の戦略を立て、合意形成をし、実行すること」です。

事業を営む以上、プロダクトの運営を通して獲得したいものがあるはず。パッと思い浮かぶのは売上ですが、もしかしたらSDGsの何かかもしれませんし、ユーザーの健康とかかもしれません。

そのような"獲得したいもの"を限られたリソースの中で得るためには、戦略を立案する必要があります。ここでいう戦略とは、「顧客のペインを解消するために、あるいはユーザーへの提供価値を高めるために、何をプロダクトに実装して、何を実装しないか」を決めることかなと考えています。あくまでもプロダクトがスコープです。

そして、プロダクトマネージャー(以下、PM)は、プロダクト実装の戦略を立てる際、下記2つの不確実と戦うことになります。

  • それを実装したときの"獲得したいもの"への効果(外的な不確実性)

  • プロダクトにおけるリソース配分(内的な不確実性)

平たく言うと、前者は「機能Aを実装したとき、本当に売上が伸びるかどうか」。

後者は「どの機能開発に注力すべきか」や「機能Aにリソースを80%、機能Bにリソースを20%割くことが本当に最適かどうか」。

そして、両者に共通するのは不確実性はゼロにならないということ。すなわち永遠の課題。。なのでプロダクトマネージャーはチームの合意形成(※)が必要となります。

※「チームの合意形成」という言葉を使っていますが、ここが「意思決定」に置き換わるような任され方をしているPMも多いのかなと想像します。

プロダクトマネージャーは何をするか

獲得したいものを得るために、プロダクト実装の戦略を立て、合意形成をし、実行する。この役割を遂行するために、私がトライしたことを列挙してみます。

  • 顧客のペインを特定する

    • 顧客・ユーザーを知るためにヒアリングをする

    • 国の施策・方針と、顧客への影響を知る

  • 解決するペインを限定する

    • 上記のヒアリングや調査に加え、競合を分析して、自社の強みを特定する

    • 顧客のペインの中でも、我々こそが解決すべきものをチームで合意する(限定し、集中する)

  • プロダクトの課題を洗い出す

    • 現状のプロダクトでは解消できていないこと、あるいはもっとうまく解消できることを可視化する

  • 施策を考え、開発の優先順位を合意する

    • 上記で洗い出したプロダクトの課題を解決するための施策を考える

    • 施策に優先順位をつけ、スケジュール化する

    • 実装をプロジェクトマネジメントする

ロードマップ作成担当大臣になったタイミングで、上記を手探りで行いました。これまでも同じようなことをソロでトライしたことはありましたが、チームと合意形成をしながら正式なドキュメントに落とし込むのは初めてでした。

ソロのときとは違ってメンバーに説明する必要があるので、より正確な論理展開を準備していこうとします。そのときに「あ、これは解決策から考えてしまっているやつだ」とか「ここの仮説の精度が低くないだろうか?」とか、いろいろボロが出てくるわけです。

これまでの至らなさを反省しつつ、今後に向けても使える思考のフレームワークを手に入れられたと思えば、良いチャレンジでした。

ちなみに、国の施策・方針と、顧客への影響を知るために、必死に下記のnoteを書いてインプット&アウトプットしていました。

BtoBtoCならではポイントは?

我々の事業部が提供しているプロダクトは「みんチャレ禁煙」「みんチャレダイエット」です。企業や健康保険組合と契約を結び、そこに所属している従業員に向けて禁煙プログラムやダイエットプログラムを提供します。

BtoBtoCならではのプロダクトマネジメントのポイントは、顧客(BtoB)と、その先のユーザー(BtoC)の課題を同時に解決し、同時にサクセスさせることに尽きます。

私は「CS(カスタマーサクセス) = UO(ユーザーアウトカム)+ UX(ユーザー体験)」という式をもとに考えることが多いので、この前提で、顧客とユーザーを同時にサクセスさせる方法について考えてみます。

前者のUOについては、わかりやすく連動します。ユーザーの禁煙の成功率は高いほうが顧客も嬉しいのは間違いありません。ヘルスケア領域はユーザーのアウトカムが明確に測定しやすいので、その点は運用のやりやすさに繋がっていると感じますね。

後者のUXは連動が見えづらい部分です。UXを高めることはもちろん重要ですが、それがUOに直結しないこともある。また、BtoBtoCのモデル上、バイラルが限定的なことも難しさの一つです。たとえばダイエットプログラムの参加者体験がめちゃくちゃ良かったとしても、そのプログラムに参加できるのは契約先に所属している従業員のみ。なので、家族や友人に紹介したくてもできない可能性が高いです。

よって、UOにダイレクトに効くかどうかわからないUXの改善は、そのチームの思想が反映される部分になるでしょう。ここの正解はまだ見つかっていないので、これからのチャレンジです。

おまけ:合意形成について

ここまで見てきたように、PMには複雑な状況の中で、それを整理し、優先順位をつけていく役割が求められます。私がはじめてのプロダクトマネジメントで特に難しいと感じたことは合意形成です。自分の場合は「なかなか合意形成に至らない」という悩みではなく、「どのように進行すればスピードを維持しつつ、メンバーが納得感を持って事業に取り組めるか」ということに頭を悩ませました。

そのためにトライしたことは大きく2つあります。それが「議論ミーティングと確認ミーティングを使い分けること」、そして「論理展開を可視化して考えた過程を後追いできるようにすること」です。

「議論ミーティング」では、少数でスピード感をもって課題や施策を洗い出し、荒くていいのでたたきを作ります。「確認ミーティング」では、できあがったたたきを見てもらい、メンバーから広く意見を募ります。

すべてを全員で議論するのは効率が悪いので、少数での議論ミーティングを駆使しながらスピードを出すことを意識していました。その分、他のメンバーには確認ミーティングだけで理解してもらい、納得してもらう必要が出てきます。それを可能にするために、論理展開を可視化して、考えた過程を後追いできるようにすることは必須でした。

あとは小さなTipsとして、「繰り返し伝えること」はけっこう重要かもしれません。ガツっと時間を取って議論した側は背景をすぐに理解できますが、そこに参加していなかった人には3回4回と説明するくらいがちょうどいいと思っています。

We are hireing!

今回はプロダクトマネジメントというお題で記事を書いてきました。現在私が担っているエンドユーザー向けカスタマーサクセス職は、ユーザーを成功させることはもちろんのこと、その名称に捉われず、事業収益を上げるためやプロダクトを良くするためにできることがあれば積極的に取り組んでいます。そして手が足りていません。

選考に進むかどうかをカジュアル面談の後に決めている方も多くいらっしゃるので、「ちょっと話を聞いてみるか」くらいのライトな気持ちでカジュアル面談にお越しいただけると嬉しいです🙌


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