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亀岡プラント|ゼロから作り上げた前例なき大規模工場

こんにちは!スプレッドnote編集部です。
私たちスプレッドは、京都で二つの植物工場を営んでいます。
ちょっと待って植物工場とは一体なんぞ。という方はこちらの記事をご覧ください。私たちが運営する植物工場の仕組みを簡単に説明しています。

さて今回は、私たちの第一工場である「亀岡プラント」についてご紹介します!


始まりは生産者さんとの出会いから


私たちスプレッドは2006年に創業しました。意外にも創業して10年以上経っているんです。メディアではいまだに「野菜ベンチャー・スプレッド」という冠がつき、なんだかサバを読んでるようなそんな気分になります。(ベンチャーの定義って何なんですかね)
青果に関する事業を多角的に展開するアースサイドグループに属しており、生産部門としてスタートしました。代表の稲田がとある生産者さんに出会い、未来の農業や、子どもたちの食生活や健康に強い危機感を抱いたことから、この事業が生まれました。当時はあまりにも未来の話過ぎて、周囲は全く理解できず社内からも猛反対!それでも情熱を突き通して事業をスタートしました。
この辺の話は別の記事でいつか詳しくご紹介しますので、割愛!


京都のえぇとこ、亀岡


2007年に京都府亀岡市に亀岡プラントが完成し、翌年から出荷を開始しました。亀岡市は京都市内から約20㎞西に位置し、明智光秀ゆかりの地としても有名な歴史のある街で「京の奥座敷」なんて呼ばれることも。古くから農業が盛んで、京都市内から車で20分ぐらいなのに自然豊か。のどかな空気が流れていて、それはそれは良いとこなんです。亀岡の魅力を語り出したらこれだけで1本記事書けそうです。さ、戻ります。
高速道路の亀岡ICを降りてすぐの好立地に亀岡プラントがあります。

亀岡プラント_外観_1


豊かな田園と共存する亀岡プラント

この見た目から地元の小学生に「巨大かまぼこ」と言われているとかいないとか。この中でまさか雨の日も晴れの日もレタスを作っているなんて思いもよらないですよね。


内部に潜入!

亀岡プラント栽培室_2

どーん。これが亀岡プラントの内部です。積み上げられたレタスの棚は最大16段。写真のように4段ごとにフロア分けしています。

この景色を初めて見た時の感動は忘れないですね。白い照明の下で、輝きを放ちながら元気に育つレタスたち。ちなみにこれまで数々のお客様を案内しましたが、見学用の窓からこの景色を見て一番リアクションが大きいのが3~40代の男性ですね。このなんともいえないSF感が少年心をくすぐるようです。
ちなみに工場のタイプは?そうでしたね、「閉鎖型・人工光・多段式・水耕栽培」!

レタスは種から発芽をさせて苗にして育てていきます。工場内は、おおよそ20℃、湿度60%前後で夏も冬も一定。ほかにも光などのいろんな条件を、レタスがすくすく成長するベストな環境に整えています。私たちヒトにとってもちょうど良い塩梅なので、年中働きやすい環境なんですよね。

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発芽してから間もない3㎝くらいのレタス


種まきから収穫までは約40日。その間、苗の植え替えやレタスが植わっているパネルの移動、収穫、調整(レタスをひと株ずつ検品して元気のない葉を取り除く)、出荷作業などでスタッフが関わっています。

大規模栽培の強さとチャレンジ

亀岡プラントでは、リーフレタスを1日に2万1千株を生産・出荷することができます。レタスは株単位なんだと思ったかもしれませんが(私も以前そう思いました)、そういう決まりだそうです。亀岡プラントは、建設当時からつい2年前まで国内トップクラスの生産量でした。

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緑が美しい。主力品種のフリルレタス。シャキシャキしておいしい。

ちなみに「じゃあこの工場では全部でどれくらいのレタスが植わっているのですか?」よく聞かれる質問です。考えてみましょう。
1日に2万1千株生産
365日毎日出荷しているので、21,000×40=840,000=84万株
どうですか。84万のレタスを想像できますか。これほどまでの圧倒的なレタス群を見たことがあるだろうか(いや、ない)
「大規模」は私たちがこだわったポイントなのです。しかしそれゆえに苦労は絶えませんでした。大規模の植物工場が成功した事例は国内どころか海外んもありませんでした。あらゆるトラブルが初めてづくし。一つひとつを自分たちで考え、手探りで解決してきました。例えば、前述した「最適環境づくり」。ベストな環境を導き出すのはもちろん、大空間で一定に保つのは実はとても大変なのです(普通の部屋でも場所によってエアコンの効きが違って、まったく同じ環境にならないはずです)。それでも続けていたのは「未来に必ず必要な農業になるから」という情熱でした。
そして苦節6年。稼働率は97%(!!)に達し黒字化を果たしました。
(稼働率とは、最大生産株数に対して実際に生産した株数の割合のこと)

ハイテク技術の集合体のように見える植物工場ですが、実はマニュアルな部分も多かったんです。特に、数々の最適条件を微妙にチューニングしていくには粘り強さが必要でした。亀岡プラントは、前例のない中で築き上げた私たちの努力と知恵の結晶といえるのです。

次は、第二工場「テクノファームけいはんな」についてご紹介します!
そちらも是非ご覧ください。