「パパはわるものチャンピオン」なぜ大ヒットしなかったのか

2018年9月に公開された、新日本プロレス所属の100年に一人の逸材・棚橋弘至の映画初主演作「パパはわるものチャンピオン」。
プロレスファンであれば誰でも知っている棚橋。なんならプロレスを知らなくても棚橋のことは知っているでしょう。
他にも、木村佳乃や寺田心君、仲里依紗なども出演している本作。果たしてヒットしたのでしょうか。
興業収入は推定9.5千万円(キネマ旬報2019年3月下旬号より)。制作費宣伝費まで把握できず、
スクリーン数などもわからないものの、まさか1億円もいっていないとは思わなかった。
なぜ1億円もいかなかったのか分析してみたい。

作品概要
公開日:2018年
配給:ショウゲート
監督・脚本:藤村享平
出演:棚橋弘至、木村佳乃、寺田心、仲里依紗、オカダ・カズチカ、田口隆祐、真壁刀義、大泉洋、大谷亮平、寺脇康文


ストーリ
大村孝志(棚橋)はかつては人気と実力を兼ね備えたプロレス界のエースとして活躍していたが、怪我や世代交代の影響で、

今は悪役覆面レスラー・ゴキブリマスクとして、観客からブーイングを浴びながらリングに上がる日々を送っていた。

しかし、そのことを現在9歳になる息子の祥太(寺田)には打ち明けられずにおり、孝志と妻の詩織(木村)は、祥太には大きくなったら父親の仕事を教えてあげると約束していた。

だがある日、祥太はひょんなことから父親がゴキブリマスクであることを知ってしまう。

大きなショックを受けた祥太は学校でも肩身の狭い思いをし、孝志に「わるもののパパなんて大嫌い」と言い放つ。

しかしやがて、祥太は必死で戦うゴキブリマスクの姿が次第にかっこよく見えてくるようになる。

感想
2018年8月に私はプロレスにはまりました。G1クライマックスで優勝した棚橋が主演をはる本作。絶対に見ないわけにはいかないと
確か公開週すぐに鑑賞しに行ったと思います。
知っている選手たちが次々とスクリーンに登場してきて、そういった「あ!あの選手も、この選手も」とかそういった楽しみ方がありました。
特に、内藤哲也やヒロムにはテンション上がりまくり!
内容に関しても、僕としてはプロレスファンに成り立てでほんとにヒールレスラーが嫌いだったの、
そういう意味でヒールレスラーについて知るいいきっかけになったと思う。
しかしそこがメインとなってしまい、肝心のテーマとなっている家族の部分まで目がいかなかった気がします。
全体としてはよかったが、普遍的なテーマにまでうまく持っていけずだったかなという印象でした。
でも、仲里依紗はかわいかったです。

予告編、ポスター 
感動作に降りきっている印象。主題歌の高橋優の「ありがとう」の曲調であったり、
「人生を戦い続けるすべての人に贈る感動作の物語」というキャッチコピーからも
あくまで家族愛、感動作を打ち出した普遍的なテーマにしたてあげている。

イベント
8月1日 トークバトルイベント 
棚橋、寺田心、田口、真壁登壇のトークイベント。
登壇者といい、イベン内容からプロレスファンに向けたイベントのように思える。

8月22日 完成披露試写会・・・TOHOシネマズ新宿
棚橋、木村、寺田、仲里依紗、監督登壇。
舞台上にリングを設営。プロレス風アナウンスで各キャストを紹介。
これも内容的にプロレスファンに向けにみえてしまう。

9月22日 公開初日イベント・・・TOHOシネマズ新宿
棚橋、木村、寺田、監督登壇。
高橋優、助監督サプライズ出演プラス主演への手紙。
棚橋が涙する場面もあり。

番宣稼働
各局様々な番組に出演。一般的には棚橋はまだまだ知名度低いかと思うことを鑑みると
数的には申し分ない気がする。
けれど、ほぼ棚橋の一人稼働であったので、
本作の大事にしたいテーマである「家族」「感動作」が一般の人に伝わらず
どうしても棚橋がプロレス映画に出るらしいぞって見えてしまう気がしました。
もっと、木村、寺田などと一緒に出演していれば変わったかもしれない。

総括
予告編やポスターからはあくまで家族愛、感動作を伝える宣伝方針が見えているのにも関わらず
イベント内容や番宣稼働についてはプロレスファン見に来てねという内容にみられかねず、
そこのギャップが動員につたわらなかったのかなぁと個人的には思いました。
でも作品的には好きなので、皆さん見てくださいね。
エース棚橋の本気の演技みれますよ。

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