木花(もっか)

睡眠のお医者さん。 日本睡眠学会総合睡眠専門医、RPSGT, Internationa…

木花(もっか)

睡眠のお医者さん。 日本睡眠学会総合睡眠専門医、RPSGT, International Sleep Specialist designated by WSS, 医学博士。 まだまだ知らないことが多いと日々痛感しています。

最近の記事

Restless Sleep Disorderとは何か ~ICSD-3TRでも触れられている小児の睡眠疾患~

朝から疲れている、昼間に眠い、そんな子で夜中の寝相が激しい場合、ひょっとしたらその子は restless sleep disorder なのかもしれません。 もともと、この疾患を扱った演題発表を昨年(2023年)の睡眠学会定期学術集会に出そうとしていたのですが、諸事情からお蔵入りとなりました。 せっかく集めた資料を埋もれさせることが残念なので、自分の勉強がてら、まとめを作って置いておくことにします。 要点 Restless sleep disorderとは、小児におけ

    • 「睡眠科」って必要なのかな?と考えてみたこと

      ※ この記事の内容は、私の個人的な考えをまとめたものです。所属する機関や団体の見解と一致するとは限りません。 この記事を書いた人: ・日本睡眠学会総合睡眠専門医です ・10年近く、年250日くらい、睡眠障害全般の診療をしてきました。 睡眠医学はマイナーな分野「睡眠医学」とは、睡眠に関するあらゆる医学的な問題を取り扱う分野である…と、かつて私は教わりました。今改めて調べると、睡眠障害の診断と治療を専門に行う分野であると定義されている場合が多いようですね。これはこれで

      • なぜ、睡眠・覚醒相後退障害に対してラメルテオンを少量で使うの?

        少し前に、仕事での原稿を書くため色々な文献を読みました。 その際、睡眠・覚醒相後退障害(あるいは睡眠相後退症候群、DSPS、DSWPDとも言います)に対してなぜラメルテオン(商品名ロゼレム)が8mgではあまり効果がなくて、多くても4mgで処方することが望ましいかという理屈を理解できた気がしたので、覚え書きがてらまとめておきます。 なぜ、8mgが標準投与量なのかまず、なぜそもそも8mgがラメルテオンの標準投与量とされているのでしょうか。答えは、この薬を開発した武田薬品工業株

      Restless Sleep Disorderとは何か ~ICSD-3TRでも触れられている小児の睡眠疾患~