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14.「アンチ・ドーピング」でよく聞く”チュー”?〈TUE〉って何?

「アンチ・ドーピング」のルールに「TUE申請」と呼ばれるものがあります。
アスリートが〈チュー〉=「キス」するには、その都度申請する必要があるのでしょうか?

年頃のアスリートであるあなたには、チュー:〈TUE〉 という響きは、とてもドキドキする単語かもしれませんね。

「SPヤマト」もあなたと同じ年齢のころには、😘チューって聞いただけで胸騒ぎがしたものでした・・・なんてことは、この際、脇に置いておいて

ということで、今回も「SPヤマト」の中高生にもわかりやすい「アンチ・ドーピング」が始まります。

「アンチ・ドーピング」では、”TUE”はチューではなく、「ティー ユー イー」と呼んでいます。
Therapeutic Use Exemptions の略で「治療使用特例」を意味しています。


スポーツでの使用を禁止している物質や方法は、たとえそれが治療目的での使用であっても禁止されていることは、すでに理解されていると思います。

しかし、一定の条件下では特例としてその使用が認められ、この手続きのことを、治療使用特例(Therapeutic Use Exemptions):TUE といいます。

簡単に言うと、アスリートが「病気やけがの適切な治療」を目的として、禁止物質や禁止方法を使用する場合には、「特例」として、その使用が認められるということです。

もしも、TUE申請をせずに、あるいは申請が認められないまま、その禁止物質・禁止方法の使用を続けた場合、「アンチ・ドーピング規則違反」となります。

このTUEが認められるには条件があり、次の4つの項目がすべて満たされたことを証明したときのみ、アスリートにTUEが付与されます。

・適切な臨床的証拠に基づく診断であり、使用しないと健康に重大な影響がでる
・禁止物質・禁止方法が当該疾患に対する適応治療*であり、他に代えられる治療方法がない(*国際的な見地からの適応治療を示す。)
・健康を取り戻す以上に競技力を向上させない
・ドーピングの副作用に対する治療ではない

上記4つの条件を全て満たしているかをアンチ・ドーピング機関が確認できるよう、アスリートが申請するTUEの申請書には、医療情報の添付、使用する薬の量、使用する期間などの詳細な医療情報が必要になります。

このように、ただ風邪をひいたので薬を服用したいといった内容ではTUE申請をすることが出来ません。
また、検査結果、診療所⾒の提⽰がない場合も、同様に診断根拠を客観的に証明する書類が不⾜しているので申請することが出来ません。

TUEが認められると、有効期間はその治療が終了するまでの期間となります。

慢性疾患で常に同じ薬物を使用している場合でも最長で4年とされています。

慢性疾患の人も4年ごとにTUE申請を繰り返す必要があります。

このルールは、パラスポーツの場合も同じです。


TUEは、誰もがスポーツに平等に参加する権利を守るためのものです。その権利を正しく理解し、自身の健康を守ると同時に、フェアでクリーンなスポーツを守りましょう。

万一、TUE申請をするほどの病気やケガをしてしまっても、その後、治療に打ち勝ち、勝利を手にしたら、観客や関係者からたくさんの「チュー」の祝福を受けられると信じて、その試練に立ち向かいましょう。

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