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【#1】おめでとう!...?君はギフテッドだ!


IQ130以上、一つかそれ以上の秀でた才能をもつギフテッド。


彼・彼女らには、将来の輝かしい未来が待っており、己が道を突き進めば誰もが羨む姿を手に入れられる…

と世の人は思っているのかもしれない。


学校のテストは満点ばかり、周りと会話が合わなくて退屈そう、そうか、この人は将来は東大とか京大とかそれよりももっと!ハーバードとかオックスフォードに行くんだ!

とあなたも思っているかもしれない。


ただ、あなた含め世の中がみているのはほんの一部でしかないことにあなたはこれから気づくことになる。もし、あなたがギフテッドを正しく理解したいと思うのなら、こちらを読んで欲しいと強く望む。


もしかしたら、わかっている気になっているのかもしれない。
IQを見れば、その人が理解できると。

しかし、残念なことにIQは人を理解するための万能薬にはなり得ない。


では、どうするか。


数字では表れない彼・彼女らの気持ちや苦悩、そして周囲にいる人の声に耳を傾けてみよう。それが、私たちがもつ一つの解決方法かもしれない。

私たちは始まった。


渡邊 (以下、KiKi )と私は9月の半ばを過ぎたころ、Instagramで繋がり始めた。


海外の大学を中退し、経産省が主催するゼロイチに参加していたKiKi と大学で心理学を学びながらギフテッド支援をするNPOで活動をしていた私。

一つ共通した想いは、ギフテッドと呼ばれる子供を起点として新しく、そして面白い世界を、子供達と社会と一緒に作りたいという情熱だった。

それからオンラインで打ち合わせをしたり、実際にあって話し合ったりする日々が始まった。

私たちはそれを目の当たりにした。


私たちは、打ち合わせを重ね、一つの試験プログラムを開始することとなった。

そこで私たちは想像以上のものを目の当たりにした。


激しさ


そして何よりも安心できる居場所を求めていることがよく伝わってきた。


1人の女の子の例を取ってみる。

好きなことは歌と絵画。
習い事で歌を続けており、その他にも普段から絵を描いたり、動画編集をしたりと表現活動が好きということがアンケートに書かれていた。


それに人やものに対して強い想いを持つ。


友達のことを悪く言われたら、ひどく落ち込んだり怒ったりするし、鉛筆や自分の使っていた道具と別れることが堪らなく悲しい、まるで大切な誰かを失うみたいに。

そんな彼女の特性は、
感覚過敏過興奮性 (OE)非同期発達

よくギフテッドについての書籍とかでみる特性だ。

アンケート内では、学校での困り事についても答えていただいた。
そこには、私から見れば苦しいという様子が直に伝わってくるものばかりだった。

・基本学習は退屈。
・完璧主義でミスが許せず、漢字練習が嫌い。
・単純計算が苦手。
・学校での矛盾に納得できず、次の行動に移せない。
(なぜ公園で汚れる時は着替えないのに、 (体育では)体操着に着替えるの?)

あなたは、これを読んで


「我儘だ、みんな退屈だし苦手だけど、我慢してやっている!」


と思うかもしれない。


では、あなたが描いた彼女の人物像から次の言葉が出てくることを予想できるだろうか。

「自分には才能がないし、努力さえもできない、世界一のバカだ。」
「どうせ私のことなんか誰も好きじゃない。」
「理想が高すぎて親友が見つからない。」

とにかく自己肯定感が低い。

それでも、最初のプログラムで彼女が作ってくれた動画は、まだ9歳の少女が作ったとは到底思えないほどの完成度で私たちもとても驚いた。
KiKi が彼女を担当しており、保護者様のXのDMを通じて、

「すんごい素敵な動画でびっくりしました、あの短時間であのクオリティはすごい、本当にびっくり。」

と伝えると、彼女はこういったそうだ。


「そうでもないけど、そんなふうに褒めてくれてありがとう。」


凡ギフ。



さて、ここまで読んでくださったあなたはこのようなことを思っているかもしれない。


「能力や激しさ・繊細さはありそうだが、彼女は果たしてギフテッドなのか?ただギフテッドっぽさはある気がする。」


所謂、ギフテッドの条件とされる項目や数値には疑問を持たざるを得ない瞬間だった。

一緒に少し考えてみよう。
IQも大切かもしれない。事実、そういう傾向がある。

ただ、私たちは数字に見えないものにこそ純粋な心と真っすぐな目で見なくてはならない。

例えば、その人の特性、激しさや繊細さ、人間関係。


そうすると、こんな人々がいる。

この情熱や怒り、傷つきやすさ、そこから自分に向いてしまう嫌悪感、それらをわかっていながらも何もできない自分への諦め。

できる!...と思っていたのに活かされない、苦労も知ってもらえない。受け入れてもらうことすらない、と彼・彼女らは思う。


有名な賞を受賞するほどの才能はないし、学校の勉強もそこまでできるわけではない。

「うちの子は発達障害なのか。でも、IQはそれほど低くないし。もうわからない、疲れてしまった。」と彼・彼女の保護者らは悩む。

数字でも言葉でも言い難い、曖昧な異質

私たちは、そんな彼・彼女らをこう呼ぶことにした。

凡ギフ


そう、凡人とギフテッドを掛け合わせたのだ。
ここで言いたいのはラベリングが重要なわけではない。
グラデーションが大事だということを私たちは強く伝えたい。


SQooLの始まり。


先のプログラムとは別に、先日、私たちは1ヶ月間のプログラムを終えた。


その名も、地球博士になる1ヶ月

最初のプログラムに参加してくれた彼女も不安を感じつつもまた参加してくれた。

やはりここでも大切なのはプログラムを行ったことではなかった。

まるで自分を卑下するかのように


「俺はゴキブリだと思う」


と言った彼女は、プログラムの最終日の対面の時に、今までに見られないぐらいの爆発力集中力を見せてくれた。


そんな彼女のお母様はこんなことを言ってくれた。

今回のプログラムを通して、『力を発揮できる時間』がこの子たちのメインテーマなんだな、と気づきました。

私たちは改めて気付かされることになる。
IQはただ一つの目安に過ぎないと。
IQよりももっと大事なこと。
対話の中から得られるその子の思考感情、そして困り感




KiKi はゼロイチのファイナルピッチ
親と子も自分のペースで挑戦できる学校 SQooL(スキュール)
を展開することを発表した。


学校ではできなくても場所が変われば、
その子が持つものは素敵なものに輝くかもしれない
それでも普段は、とても困っている。
そんな子と保護者とともに創り上げていく新たな学校 SQooL


次回からはSQooLの開発の一助になった地球博士になる1ヶ月を体験してくださった参加者の方々のインタビューを元に、生の声を届けていきたい。


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