若者のパッションにドキドキするクラブ戦記
クラブ…と言うか、どちらかと言えばバーに併設されているDJスペースが有り、そこでイベントをやっている人達が居る。そんな場所に行った。
東京に居た時の知人が、NYに出張で来ていたので、その彼と夕食をし、別れを告げて電車に乗る帰り道にメッセージが届いた。
「友達がDJしているのもあって、ここに居るから、来たかったらおいでよ。」
名前はTHEWELL。場所はブッシュウィックである。
まだ9時台。
「行く!」
と返事をして駅に向かう。週末のNYの地下鉄は最悪だ。止まる筈の駅は飛ばされるし、路線も変わったりする。そんなこんなで既に11時。
駅を降りると、
もう誰もいない感じの…。
とっても寂しい感じの...。
道にマリファナの匂いが立ち込めてるし…。
一人じゃなければなぁ…。
幾つになっても心は折れそうになる。
おばあちゃんの無敵伝説が無いのはその所為だ。
いやいや、心折れてはいかん。
店までの我慢である。
そして店に。
ID見せて、と入口のセキュリティチェックの兄ちゃんが私に言う。クラブや、マンハッタンのバーは結構必須の店が多い、NYIDという、NY市が発行しているライセンスもあるが、一番使いたいbarやクラブでは殆ど使えない為、結局パスポートが必須となる。
チェックの時に、私は自分の西暦を指差す。若干の、どや顔で。すると彼が言う。
「マジで?俺、同い年なんだけど。俺2月!」
「本当?私11月。でも、絶対内緒だよ。」
「俺いっつも、10年サバよんでるもん。」
「これは二人だけの秘密だな」
「秘密だな笑」
同い年に偶然に出会い少し感激する。
年齢…。アメリカ人でも同じかよ。
いや違う。すっかり成熟した大人になってふらふら遊び歩いている人が全世界的には少ぅし少ないだけである。まぁ、見た所その兄ちゃんから強烈に溢れ出てくるジャンキー臭も半端ない。同い年としては気持ち複雑であるが、まあいい。
中に入ると広い。大きなカウンターにクラフトビール。そして、その奥にDJブースがある。
うっわー若い。キラキラしてらあ。
「私ステファン、俺クリス、よろしくー。」
「踊ろうよ~。乗り悪くない―?」
「エー何の仕事してるの?」
「ウェーイ!俺ステーブ!」
次々に来る友達の友達と、何度となく同じ会話を繰り返す。やきもちを妬いたらしい目の座った彼女がやってきて、もうそれはそれは熱いキスをするなんて、当たり前である。
全員酔っぱらっている?いや、これが普通だっけ?友達の友達は皆友達的なこのノリである。
眩しい.....このパッションが。
無意識に何億光年もの遠い目になってしまう自分がいる。
「どうしたの?大丈夫?」
と心配され、はっと我に返る。
帰る時にまた、入口の兄ちゃんとすれ違う。二人で目配せをし「しーっつ 笑」なんて最高に悦。
ともあれ、仲間とわいわい行くには、楽しい感じのバーで有る。
因みに
「ここは本当にブッシュウィックっぽいなあって思わない?」
と聞かれるぐらいだ。きっとブッシュウィックっぽい処なんだろう。
そんな夜。
踊りたいなら、イベントをチェックした後に12時以降に行くのがおすすめ。
272 Meserole St, Brooklyn, NY 11206
thewellbrooklyn.com
(347) 338-3612
Montrose Av ST(Lライン)から3分
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