三ちょいメ
ちょうど新宿三丁目の改札を出たところだった。目の前に大学生思しき女子が倒れている。
よく見ると大学生らしき男性や友達が介抱しているのだ。彼女のオフホワイトのワイドボトムは、スス汚れた作業着の様にも見える。
期待してしまう。出るかなー出るかなー。
そして出ました。私の期待に応えて。
酔っ払いなら誰でもやるあの仕草だ。焦点が定まっている事を演出した目と目の間に焦点を合わせた程の目。これは素面サイドから見ると焦点が定まっていないのだが、泥酔サイドは結構真剣に演技をしている。
そしてもう一点。目の前でごっちゃんです。を左右にシェイクするやつだ。これも酔っ払いサイドとしては標準テクだ。ちゃんと自分の意志があり身体を動かせるアピールだ。
でも寛容に受け止めて欲しい。
この時ばかりは名優も顔負けな演技のつもりなのだ。
そして嬉しいのはこの台詞だ。
「大丈夫なんだね。でも私(俺)が心配性だからそばに居させてね」
と。そんな事をされたら、即座に恋しちゃうぐらいメロメロだ。
だが、、、、
翌日には覚えていない淡すぎる恋心ではあるが。
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