見出し画像

社労士の営業方法 開業当初編1

鹿児島で社労士をしています原田です。

社労士の開業セミナーや、売上アップセミナーや、成功体験談を聞いても、ほとんどの講師が口を開かない開業当初の営業についてお話します。

この記事も参考にして下さい↓

最初の1を本当は知りたい

「0から1を創るのは、難しい。1から2を作ることは、易しい」
は新大陸発見で有名なクリストファー・コロンブスの言葉です。

 社労士の営業に関しても同じことが言えて、多くの開業社労士が、0を1にできずに開業登録を止める人もいます。しかも社労士の場合は1を2にするのも簡単ではありません。

 開業体験談等では、
「最初の1件目を大事にすることで次の紹介がある」
「飛び込み営業は意味が無かった」
「ホームページでは来なかった」
等の話はよく出るのですが、最初の1の話を聞くことは非常に稀です。

 誰でも創業して最初のお客様には思い入れや思い出があるはず。なのになぜその話が出ないのか。それには様々な理由があります。

最初の1の話ができない理由

1.今は取引していないから
 この理由もあるでしょう。実際私の1件目は顧問契約1カ月後に倒産しましたし、2件目は実は理解していなかった給与計算を安易に請け負い、毎月間違えることを繰り返して切られました。(さすがに今はきちんとチェック体制までできて、数百人の給与計算もやってます)
 成功体験談で言いたくない実態がそこにある場合はあるでしょう。

2.最初が1では無かったから
 元の社労士事務所から奪った場合や、行政勤務中に知り合った社労士が関与していない顧客を最初から顧問にした場合です。特に前者の場合は、許可がないことも多く、人前で言えるような話ではありません。
 親族に税理士がいたとか、税理士や弁護士の事務所内開業だったとか、であれば、特に問題ない事業展開ですが、開業成功体験の話としてはそぐわないです。

3.コンサルタントや紹介業と組んでいたから
 特に助成金コンサルと組んでいるのは、倫理規定に抵触する可能性がありますし、「最初から顧客紹介業(やコンサルタント)にお願いしました」だと、コンサルタント主催のセミナーで話をするならOKですが、ただのコンサルの営業にしか聞こえません。
 顧客紹介業から紹介を受けるのは、ダメではありませんし、あるお金で割り切って解決できる手法なので、悪くはありませんが、開業成功談を聞きにきた新人からみれば、「期待したのと違う」と思われるでしょう。

4.多額の資金を投入したから
 SEO対策ホームページをプロに作成してもらったり、広告を大々的に打ったりすることで、一定の効果を生むことは可能です。効果があるDMを打つにはそれなりの経験も必要ですが、それもプロにお願いすると最初から効果があるものを作成してくれます。

5.仲のいい社長が協力してくれたから
 「社労士になったらお願いするよ」と事前に言われていたり、顧客にはならないけど他の会社を紹介してくれる場合はあります。そうした運もビジネスの世界では実力のうちなので、いいと思います。

6.社労士バブル時代に営業力で取ったから
 これは言ってる方がたくさんいます。ただし「社労士バブル時代」だったことを言わないだけです。とっても緩い助成金の時代に「お金いりませんか」という営業をするのは簡単です。別に営業力は要りません。
 最初の1件を見つけるのに、そのネタを見つけ出せたのはアンテナが高いと思いますけど。

ひよこ社労士には面白くない

 多くの理由は、ひよこ社労士に面白いものではありません。ドラマチックでも無いし、自分の未来を創造してワクワクするものでもありません。

 だから社労士の多くは、「3年から5年頑張ればそこそこになるよ」という助言が多いのです。ただし私の知り合い社労士には、10年以上登録しているが、最初の1件になる顧問先が一度も見つからない人もいます(行政勤務とか年金に注力しているわけではありません)。そこそこになるためすら、「頑張る」ことが条件なのを知らなければいけません。

社労士業開業の幻想

 社労士業で国家資格を取って開業を目指す場合に、
1.元手が限りなく0円で可能
2.難しい試験に合格した専門家
3.これから伸びる業界
4.時間に余裕ができる
5.仕事が選べる
6.平均年収は500万円で1000万円以上も目指せる
という心地いい言葉が並びます。

これを現実的に見ると
1.元手が限りなく0円で可能
 ただし初期投資が多い方が成功しやすい。自宅開業より事務所を借りた方が有利です。

2.難しい試験に合格した専門家
 試験は6割強で受かるので全部は知らない。
 また、実務と試験が違い過ぎる。

3.これから伸びる業界
 実際全体のパイは伸びてます。個人単位で伸びるわけではありません。

4.時間に余裕ができる
 確かに顧客が0なら無職と同じだから時間はあります。

5.仕事が選べる
 売上が欲しければ選んでいる場合ではありません。

6.平均年収は500万円で1000万円以上も目指せる
 平均は平均。
 1000万円の人数と0円の人数が同じなら、平均500万円になりますよね。

ということで、最初の1の話までできなかったので、次に続きます。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?