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社労士のお仕事⑨ その他いろいろ

鹿児島で社労士をしています原田です。
社労士のお仕事いろいろの第9弾です。

第1段はこちら↓

社労士が収益事業として行っている様々なものを挙げてきましたが、それ以外の収益活動もあります。メイン事業になりにくいものが多いので、参考程度にして下さい。

あっせん代理人・補佐人

 特定社労士の資格保持者が行うあっせん代理人と、社労士資格で可能な補佐人は、司法の場で社労士として活躍する場面です。
 あっせん(斡旋)は個別労働紛争の解決の場のひとつで、労働委員会や紛争調整委員会等からの働きかけで行われる裁判外紛争解決制度(ADR)のひとつです。

 あっせんは費用が安く、期間が短くて済むことから利用が進むはず・・・でしたが、現在のところ利用される方が非常に少ないのが欠点です。また、費用が少なくて済むということは、報酬も少ないということになります。

 補佐人は、弁護士と伴に裁判所に出廷して、陳述ができる社労士の仕事です。弁護士から絶大な信頼がある社労士や、弁護士事務所勤務の社労士が行う場合があります。弁護士の先生が直接陳述できれば必要ないので、専門外の分野における陳述が必要な場面に限られます。

青年後見人

 判断ができない方や身体等が不自由な方の代わりに、財産の管理や身の回りサービスの手続きを行う業務です。身寄りの無い高齢者が増加する中で、社会的に必要性が増しています。
 最も行っているのは司法書士で、弁護士、社会福祉士等が家庭裁判所から選任されております。社会保険労務士もそうした名簿に登録し、その任を受ける場合があります。

 社会貢献事業としての意味合いが強く、収益事業として取り組んでも継続性としては難しいと言えます。都道府県社労士会でも成年後見センター事業を行っていないところの方が未だ多い状態です。

勤務社労士

 企業勤務の社労士、弁護士事務所や税理士事務所で勤務する社労士がいます。報酬はその事業所の体系で受けられる上に、資格手当等が出るとか、有資格者として頼られる存在になるのであれば、有資格者としての価値があると言えます。
 社労士事務所以外で勤務する場合は、基本的に新たな法改正の情報を得る場面が少なく、その状態で10年もすると、昔の知識しか持ってない社労士とは言えない人になってしまいます。

 定期的に当たらな情報で知識のアップデートを行わなければ、有資格者としての価値が下がっていきますので、常に学ぶ姿勢は重要です。

ひよこ食いビジネス

 ひよこ有資格者と言われる、いわゆる新人から搾取するビジネスです。有資格者になれば、大きな夢を手にした気になりますが、実はそれからが茨の道だったりします。
 実務が分からない、相談相手がいない、営業方法が分からない、確定申告ができない・・・等の悩みがすぐに出てくる人は多いです。そこに寄り添いながら、大金を得るのが「ひよこ喰いビジネス」と呼ばれるものです。

 大金を払って受講するのも自分で選択した道なので、事業主として何の問題も無いのですが、費用に見合わないものの方が多いです。むしろ商品価値を上げるために努力しているのは、知名度が高い大手コンサルの方だったりします(それなりに高額ですが)。

 ただしひよこ喰いビジネスは、結構儲かるみたいです。各士業で存在します。そういうのに引っかからずに、社労士会研修会や社労士同士のネットワークがあれば、それに相当する知識は限りなく無料に近い金額で得られます。

その他もろもろ

 キャリアコンサルタント資格を得て、キャリコンする人もいます。受験費用が高いです。その割に需要がありません。一時期キャリコンを導入する助成金がありましたが、もう二度とそのような助成金は出ないでしょう。

 医療労務コンサルタントを受講して、医療労務コンサルとして報酬を得る場合もあります。今年度は都道府県にセンターがありますが、国の事業なので、いつ無くなるかは分かりません。私も受講したので、修了証は持ってますが、医療現場で特別な労働トラブルがあるわけではなく、極めて特殊なのは医師ぐらいです。職業病的な感覚はありますが、それはどの職種でもあります。

 ○○推進員という仕事があります。働き方改革や労働保険加入促進等の名目で様々な事業を国が行っており、それを入札で落札した団体が行っています。募集がある場合は応募してみるのも一興です。報酬は少し休めです。

 労務デューデリジェンスという分野があります。いわゆる労務監査であり、M&Aや公共事業の入札で今後必要とされてくる分野です。
 入札分野では、残業代不払いとか長時間労働をさせている企業に公金を渡さないという国のガバナンス的な意味合いがあります。IPOの時にも重視されていくでしょう。
 またM&A分野では、過大な企業年金制度や残業未払い等の労働法違反が存在する企業を吸収合併すると、決算書に見えないリスクを抱えてしまい、合併先の企業基準で企業価値を試算すると価値が下がる可能性があります。
 既に海外企業では行っている国が多く、合理性から見ても当然に行われる部門だと考えられます。


 今思い出せない分野もあるような気がします。これ以外も副業をプラスアルファする方法もあるし、逆に尖った一部だけで活躍する手段もあります。
大切なのは、自分の事業領域を定めて、最初はそこに注力することです。限られた時間の中で、パフォーマンスを出せるように頑張りましょう。

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